魔法少女れいるたん第1話(?)
- _ephemera_
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れいるは町を駆けていた。ヒラヒラのスカートのせいでスースーするが、体は熱かった。魔法少女になったことによる精神の高揚……ではなく、単に羞恥心のせいだった。「くっそ、何でご町内の皆様に生き恥さらしてんだ俺は」「まあまあ可愛かったらだいたいおっけーですよ!」肩に乗った薬箱が笑う。
2011-01-30 20:22:01「で、俺は今どこに向かってるんだ?」「ええとですねえ、あ、そこ右に左折してください」「どっちだよ!」「ツッコミ早っ」「……おい、俺もう帰っていいか?」「いいですけど、そのカッコで帰ったらご両親は悲しみますよ?」「だーれーのせーいーだー」「ああもう話が進まないっ」「てめえこのっ」
2011-01-30 20:23:43「えっと、れいるたんにやっていただいたいのは魔物狩りです」「おい、れいる“たん”ってなんだよ」「あら、そっちに食いつきますか? 魔物はスルー?」「そっちも気になるが妙な呼び方するんじゃねえよ」「いいじゃないですか魔法少女れいるたん。超らぶりー」「てめえいい加減にしとけよ」
2011-01-30 20:25:34風邪薬がれいるの側頭部にタックルをかました。突然の、意外な威力の衝撃にバランスを崩したれいるの横を何か丸くて茶色いものが通過した。「たぬっきゅーぅ」しかも鳴き声をあげながら、だ。「おい、ありゃなんだ」「魔物じゃないですかね」「…………」「…………」「たぬっきゅーーぅ」
2011-01-30 20:27:48気付けばちんまりとした狸(らしきもの)に完全に包囲されていた。「おい、風邪薬」「るるって呼んでくださいよお」「……るる、コイツらが魔物、なのか?」「ええ、まあ」「なんかえらく人懐っこそうな顔してんぞ。実害あるのか?」「ええ、まあ」
2011-01-30 20:30:37れいるの周囲の狸が一斉に飛びかかってきた。目はらんらんと輝き大きく開けた口からはよだれがだらだら。「この魔物、可愛いものが大好きなんですよね。れいるたん超らぶり~だからヤバいです」「お前が変身させたんだろうがっ!」「そんなことより早く魔法を!」「くそっ」
2011-01-30 20:34:03殺到する狸の群れを打ち払うように、れいるはステッキを振りまわした。淡い燐光をまいて空を切り裂く音が耳を撫でる。風邪薬が「さあ、呪文を!」と言った。「呪文だと?」と言いながら、れいるは自分の心の中から言葉が、否、言霊が湧き出てくるのを感じていた。いけるか――!?
2011-01-30 20:36:03@koudakei 僕の胸に滾るこの思い……具現して! 《変身BGM開始》 れいる・れいる・れれれ・れーん♪ 《BGM終了と共にれいるたんのどぎつい変身姿があらわになる》
2011-01-30 20:39:45@koudakei 汝に仇なす者の血を糧とし咲き乱れよ彼岸花!(枕詞として「れいるのおねがいかなえてぷりーず☆」といった言葉をつけることも可能
2011-01-30 20:40:54れーるさんが恥ずかしくなるような呪文・・・「ふわふわクリームイチゴショート☆あなたを愛であま~くしちゃう!きゃるきゃるひらひらるるるるるるー」
2011-01-30 20:40:19