- tasobussharima1
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俺がしっかりしなければ。農家の女は強い。基本的にうちでは、母さんが決めたことに異議を唱えられるのは婆ちゃんくらいだ。その婆ちゃんも、爺ちゃんがボケ始めてからふさぎ込みがちになっている。 部屋が隣になったのは幸いかもしれない。あの怪しい坊さんが馬脚を現さないか監視できるのだから。
2016-03-12 21:32:09まあ、農家の母屋は客間とか完備してて部屋余りまくってるし、食物のコストは限りなく低いし… 都市部より抵抗感低いのは事実である #徳パンク
2016-03-12 21:33:02あてがわれた部屋。あてがわれた布団。袈裟は「繕うから」と預かられたが、居心地は悪くない。だが、それでもこの里は異常だ。『何処が異常かわからない程に異常だ』。 その夜。空海……いや、肆捌空海はゆっくりと布団から這い出る。身体は本調子からは程遠いが、読経によって徳は幾らか回復した。
2016-03-12 21:40:07あの戦闘から一ヶ月ほどだろうか。得度兵器から逃げ回りながら野山を駆け、いつの間にか意識を失った。ここは現実なのか、それとも夢の中なのか。だが軋む身体の痛みが、現実であることを主張している。 「……帰る術を探さねば」 奥羽岩窟寺院都市へ。あの故郷へ。 「故郷」
2016-03-12 21:44:02あの場は普通になんとかしたのか。それから一ヶ月……よく今まで徳が尽きなかったな。しかしここは本当に何なんだ?学校はあるし救急を呼ぼうとしてたってことはそういうシステムも生きてるみたいだけど小規模なコミュニティだと成立しない公共サービスだよね #徳パンク
2016-03-12 21:47:01故郷とは、或いはこのような場所を指すのかもしれない。それでも、ここは彼の故郷ではない。だが、この歪な村が何故存在しているのか。それを解き明かすことは、帰郷への道にも繋がるだろう。 「まずは、情報だ」 そして情報を得るには、協力者が必要。肆捌空海は隣室へ通じる襖をゆっくりと開く。
2016-03-12 21:48:04隣の部屋では、昼間の恩人が眠りこけている。 「許せ」 肆捌空海は小さく許しを乞うた。だからといって、ここから先の自らの蛮行が許されるとは微塵も思っていない。 それでも彼は同胞に誓ったのだ。朋友は既に塵に還ったが、その約束はまだ生きている。生きて故郷へ帰る、という約束は。
2016-03-12 21:52:02肆捌、時間を越えたのか?あっちの世界に行きかけたりと神秘的体験が多すぎないか?出番無きクーカイとガンジーは主人公ではなかったのか?ガラシャちゃんはヒロインではなく名ありモブなのだろうか? #徳パンク
2016-03-12 21:54:17