工藤吉生の「#わたしの好きな短歌100」 【2016年版】

工藤吉生(くどうよしお) @mk7911

向こうから　おるょ　と声がしてからは一度も開けていないカーテン／はだし #わたしの好きな短歌100 〈76〉

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豚の交尾終わるまで見て戻り来し我に成人通知来ている／浜田康敬 #わたしの好きな短歌100 〈77〉

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好きだった世界をみんな連れてゆくあなたのカヌー燃えるみずうみ／東直子 #わたしの好きな短歌100 〈78〉

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ファミコンに飽きて臀部に触りくる夫の顎をほどほどに撫ず／広坂早苗 #わたしの好きな短歌100 〈79〉

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ハーブティーにハーブ煮えつつ春の夜の嘘つきはどらえもんのはじまり／穂村弘 #わたしの好きな短歌100 〈80〉

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信じないことを学んだうすのろが自転車洗う夜の噴水／穂村弘 #わたしの好きな短歌100 〈81〉

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解放せよ、タンバリンを飾る鈴。解放せよ、果たされぬ約束。／穂村弘 #わたしの好きな短歌100 〈82〉

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不安でたまらないわれの背後(うしろ)からおもたい靴音がいつまでもする／前川佐美雄 #わたしの好きな短歌100 〈83〉

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吉原の太鼓聞えて更くる夜にひとり俳句を分類すわれは／正岡子規 #わたしの好きな短歌100 〈84〉

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屈みこみヘッドライトで読む手紙　待って　読んだら返したいから／増田静 #わたしの好きな短歌100 〈85〉

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気づくとは傷つくことだ　刺青のごとく言葉を胸に刻んで／枡野浩一 #わたしの好きな短歌100 〈86〉

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だれからも愛されないということの自由気ままを誇りつつ咲け／枡野浩一 #わたしの好きな短歌100 〈87〉

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さようなら　さよなら　さらば　そうならば　そうしなければならないならば／枡野浩一 #わたしの好きな短歌100 〈88〉

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雨の日の貯水タンクの背にきみもバモイドオキの神を見たのか／虫武一俊 #わたしの好きな短歌100 〈89〉

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するだろう　ぼくをすてたるものがたりマシュマロくちにほおばりながら／村木道彦 #わたしの好きな短歌100 〈90〉

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遠くから手を振ったんだ笑ったんだ　涙に色がなくてよかった／柳澤真実 #わたしの好きな短歌100 〈91〉

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死にさうな少女に死にさうな紳士がシルクハットのなかから花を／藪内亮輔 #わたしの好きな短歌100 〈92〉

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「天国に行くよ」と兄が猫に言う　無職は本当に黙ってて／山川藍 #わたしの好きな短歌100 〈93〉

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いつまでも転んでいるといつまでもそのまま転んで暮らしたくなる／山崎方代 #わたしの好きな短歌100 〈94〉

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諦めろ無駄だ止めろと声がする何故だか俺の声に似ている／山本左足 #わたしの好きな短歌100 〈95〉

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逢えばくるうこころ逢わなければくるうこころ愛に友だちはいない／雪舟えま #わたしの好きな短歌100 〈96〉

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兄さんと製造番号2つちがい　抱かれて死ぬんだあったかいんだ／吉岡太朗 #わたしの好きな短歌100 〈97〉

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秋の雲「ふわ」と数えることにする　一ふわ二ふわ三ふわの雲／吉川宏志 #わたしの好きな短歌100 〈98〉

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ひたすらにドレミの歌を繰り返す サンドバッグを蹴り上げながら／龍翔 #わたしの好きな短歌100 〈99〉

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けふもまたこころの鉦をうち鳴しうち鳴らしつつあくがれて行く／若山牧水 #わたしの好きな短歌100 〈100〉