真・マグロ ~地球最後の日~ #2

時事ネタのマシンガンで蜂の巣にしていくスタイル
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劉度 @arther456

(これからSSを投下します。TLに長文が投下されますので、気になる方はリムーブ・ミュートなどお気軽にどうぞ。感想・実況などは #ryudo_ss をお使いいただけると大変ありがたいです。忙しい方はtogetterまとめ版をどうぞ。それでは暫くの間、お付き合い下さい)

2016-03-13 21:03:46
劉度 @arther456

【真・マグロ ~地球最後の日~】#2

2016-03-13 21:04:59
劉度 @arther456

「えうー」飛行場姫が鳴いた。「むあー」飛行場姫が啼いた。「やんえよー」飛行場姫が泣いた。「チー」飛行場姫が哭いた。「ぺふん」飛行場姫が凪いだ。「今から斜め1マスにも動きます」飛行場姫が成った。グロース・シュトラール艦長室では、6人の飛行場姫が思い思いにだらだらしている。 1

2016-03-13 21:06:10
劉度 @arther456

「どうしてこうなった?」「さあ……」提督とホラニア元帥は、共に首を傾げるばかりである。「深海棲艦は増えるものなのか?」「最初はそう思ったんですけど、他の深海棲艦に聞いてみたら、『ハァ!?何言ってんのオマエ!?』って言われました」「そこの常識は深海棲艦でも同じなのだな」 2

2016-03-13 21:09:25
劉度 @arther456

ちなみに最初はグロース・シュトラールが拾った3人と、提督が連れてきた1人しかこの部屋にいなかったのだが、『蔵王』で寝ていた後から2匹が乗り込んできた。まだ増えるのかと思ったが、本人たち曰く、これ以上は無理らしい。ひとまず安心だが、増えた理由はますます分からない。 3

2016-03-13 21:12:39
劉度 @arther456

そこで提督は、本人に聞いてみることにした。「姫ちゃーん」「おう?」「何で増えたの?」6人の飛行場姫は顔を見合わせて、言った。「これが科学の力だ」「魔法でチョチョイっと」「残像だ」「6人いないとバレーができない」「交換中に通信ケーブルを抜いたから」「運営に聞いてくれ」 4

2016-03-13 21:15:54
劉度 @arther456

「本人にも分かってませんね、これは」「それでいいのか」「この子のやることを全部理解しちゃいけませんよ……」「深海棲艦との付き合いも大変なのだな……」溜息をつく2人などどこ吹く風で、飛行場姫たちは3on3バスケを始めた。積極的にトラベリングをして、ラグビー化を推し進めている。 5

2016-03-13 21:19:05
劉度 @arther456

「で、次の作戦なんですけど。例の機動要塞、どのようなものでしたか?」バスケを横目に、提督とホラニア元帥は作戦会議を始めた。「うむ。以前、ミミー星人という宇宙人が、戦艦の残骸を使ったロボットで攻撃してきたことがあっただろう?あれによく似ている」「アイアンロックスですか……」 6

2016-03-13 21:22:19
劉度 @arther456

「あれほど洗練されてはいないがな。本当にスクラップの寄せ集めだ。連中はオートロ島と呼んでいたが、バラックシップとでも呼ぶべきだろうな」「厄介ですねえ」「いや、一応、一対一に持ち込めれば勝てる。前哨戦でも敵のレーザーはこの艦のバリアで防ぐことができた」 7

2016-03-13 21:25:29
劉度 @arther456

「問題は遊撃部隊と、航空戦力だな。あのマグロたち全てを相手にするには我々の艦娘の数が足りんし、航空攻撃に至っては、悔しいが手も足も出ない」その上、ドイツの空母はグラーフ・ツェッペリン1人だけ。それであの新型爆撃機群を相手にするというのは酷というものだろう。 8

2016-03-13 21:28:47
劉度 @arther456

「分かりました。航空戦力は我々の赤城たちで抑え込みます。元帥はその間に、敵の機動要塞を」「遊撃部隊はどうする?」「艦娘たちに何とかしてもらいましょう。ラバウルとタウイタウイから援軍も来ます」「うむ、十分だ。やるぞ」「喜んで」提督と元帥が、固い握手を交わした。 9

2016-03-13 21:31:46
劉度 @arther456

「へいへーい」そこに飛行場姫がぶらさがった。「ぬうっ!?」「重っ……」二人の腕を鉄棒のようにして遊んでいる。「姫ちゃん、やめなさい!」「ぷえー」しぶしぶ、と言った様子で飛行場姫が降りた。彼女のフリーダムさに、提督はいつも悩まされている。「全くもう、ほら、船に帰るよ」 10

2016-03-13 21:35:01
劉度 @arther456

「うぇーい」部屋を出ようとした提督に、6人の飛行場姫が一斉についてきた。「わ、ちょっと、待って!ウチの船から来たのは3人でしょう?」「私だよ」「それも私だ」「ウチですよ」「拙者が」「ちくわ大明神」「この中で一人だけ嘘をついています」全く同じ顔。どれが本物だか分からない。 11

2016-03-13 21:38:24
劉度 @arther456

「ああもう、せめて名前は別にしよう?」「じゃあ私は1姫で」「数字で来たか」「それじゃ私は14姫」「一気に番号飛んだな」「私カラ姫ー」「……うん?」「チョロ姫貰うよ」「流行に乗っただけじゃねえか!?」「おそ姫さん」「もう分かってるから!」「トゥッティ」「そこだけ愛称なの!?」 12

2016-03-13 21:41:25
劉度 @arther456

「カンパンはいいぞ」「カンパンはいいぞ」「カンパンはいいぞ」故郷の名前を不気味にを唱えながら、マグロたちが突進してくる。「戦艦部隊、前へ!マグロを近づけさせるな!」重巡洋艦の艦娘、アドミラル・ヒッパーの号令で、ドイツ艦娘たちの中でも大きな大砲を背負った者たちが発砲する。 14

2016-03-13 21:44:31
劉度 @arther456

「ゴボーッ!」「ゴボボーッ!」熾烈な砲撃で、知性マグロたちは次々とネギトロ、あるいは炙りトロと化していく。だが不気味なマグロたちの進撃は止まらない。「奴ら、本当に知性があるのか……?」自らの身を顧みない狂信的な突撃に、ヒッパーは冷や汗を垂らした。 15

2016-03-13 21:47:36
劉度 @arther456

「ッ!?後方に敵集団!イルカがせめてきたぞっ」仮装巡洋艦トールが叫んだ。「何ッ!?」振り返れば、イルカの部隊が熱水銃を構えていた。ホースのような銃口から、沸騰する海水が噴き出す!避けられないヒッパーは咄嗟に腕で顔を覆った。熱水が腕にかかり、瞬く間に皮膚が焼けただれる! 16

2016-03-13 21:50:38
劉度 @arther456

「いっ、ぎゃあああ!?」腕の肉が沸騰する痛みにヒッパーはのたうち回る。砲弾をも弾き返す艦娘の魔法障壁だが、海の魔力を使う関係上、水がかかることを防ぐことはできない。イルカの熱水銃はそこにつけこんで、人体に直接火傷を与えようとする火炎放射器にも似た非人道兵器なのである。 17

2016-03-13 21:53:39
劉度 @arther456

「ヒッパー!しっかりして!」トールがイルカに応戦する。「カンパンはいいぞ」「カンパンはいいぞ」前からはマグロ、後ろからはイルカ。挟み撃ちの形だ。空には深海棲艦の艦載機が飛び回り、援護も期待できない。「このままじゃ……」気圧されたトールに、爆弾を抱えたマグロ回天が突進した。 18

2016-03-13 21:56:51
劉度 @arther456

「ごめんなさいっ!」「ゴボーッ!?」横合いからの痛烈な一撃。マグロ回天が放物線を描いて飛び、不運にも落下地点にいたイルカもろとも爆発四散した。「アナタは……!?」マグロをホームランしたのは、紫色の制服を着た日本の艦娘。その手には、グラインダーのついた金棒を握っていた。 19

2016-03-13 21:59:54
劉度 @arther456

試製兵装第二六三七号、破砕回転衝角、通称『ネギトログラインダー』。金棒による打撃を与えるとともに、高速回転する研磨円盤で敵の体を削り取る、恐るべき兵器である。それを軽々と振り回す艦娘の名は。「羽黒です!」「マグロ!?」「羽黒ですっ!あなた達の背中は、私が守ります!」 20

2016-03-13 22:02:55
劉度 @arther456

「マイクチェックの時間だオラァ!」「ゲタウヒアスタルカー!」勇ましい掛け声を上げて、イルカの群れに突撃していくのは、日本の艦娘たち。ドイツの艦娘たちとはまるで動きが違う。深海棲艦だけでなく、マグロやイルカとも戦い慣れている。これほど頼もしい味方はいない。 21

2016-03-13 22:06:00
劉度 @arther456

「怖がってる場合じゃないな……!」両腕を庇いながらも、ヒッパーが立ち上がった。「戦艦部隊!攻撃の手を緩めるな!撃ちまくれ!駆逐隊は敵潜水艦に備えろ!マグロとイルカは巡洋艦で対処する!」ドイツ艦娘たちも体勢を立て直し、オートロ島に立ち向かい始めた。 22

2016-03-13 22:09:03