#幻想狸名鑑　まとめ

銅折葉＠C99金曜ス44a @domioriha

【屋島の禿狸　太三郎】 日本三名狸の一角にして、四国八十八番札所の第84番、南面山千光院・屋島寺の守り神として祀られる古狸。生年は平将門が乱を起こしたころといい、伊予松山の隠神刑部が表舞台より姿を消して以来、四国狸界の最長老の座にある。 #幻想狸名鑑

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@domioriha 狐狸の代理戦争となった平安時代の源平争乱においては平重盛の恩より平家方に加勢。屋島の合戦に参加した。屋島狸大学の理事長を務め、狐を平等に扱う温和で懐深い大人物であるが、同時に四国狸界の勢力争いに何度となく介入した強かさも併せ持つ。

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@domioriha 大の人間好きでも知られ、日清日露の戦争には阿波の五代目金長、高松の白禿、松山の八俣お袖、壬生川の喜左衛門、佐渡の二ッ岩団三郎らとともに若狸を率いて渡海し参戦した。

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@domioriha 平成の多摩狸騒動では隠神刑部、六代目金長と共に多摩の狸たちの救援に向かうも、切り札の妖怪大作戦は、科学の進歩と共に妖怪を恐れなくなった人間たちの前に功を成さずあえなく敗退。刑部狸の死と共に、隠遁した屋島にて長い休養を余儀なくされる。

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【八百八狸総帥　隠神刑部】 四国八百八狸総帥を自他ともに認める大狸。生まれは遡ること千五百年前ともいい、道後温泉でかの聖徳王を化かした伝説でも知られる。平安から室町にかけては自分の名代たる狸を日本の各地に派遣し、人間たちの動向を具に報告させていた。#幻想狸名鑑

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江戸時代に松山藩のお家騒動に介入し、稲生武太夫に討たれて以来は表舞台から姿を消し、狗神から隠神へと名を変えたが、四国松山は山口霊神にて隠然たる権勢をふるい、四国の狸達を操っている。 #幻想狸名鑑

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多摩狸騒動で数百年ぶりに表舞台に姿を見せ、妖怪大作戦でその妖力が健在であることを示したが、術の反動で命を落とした。……かに思われていたが、多摩に派遣されていたのは刑部狸の名代の別狸とも言われ、真相は定かではない。隠神中将という息子がいる。 #幻想狸名鑑

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【七代目金長】 阿波の狸は武闘派で知られる任侠狸であり、元禄以来数百年にわたって抗争を続けてきた。その元締めとなるのが小松島の金長狸である。阿波狸合戦で六衛門狸との抗争で初代金長が命を落とし、その子分狸であった藤木の小鷹が弔い合戦で仇を討った。 #幻想狸名鑑

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この時小鷹が跡目を次いで二代目金長を名乗って以来、金長狸の名は血筋ではなく実力で襲名するものとなった。現在の七代目は多摩の出身であり、多摩狸騒動で引退した六代目金長の後見によって襲名した。これは前例のない四国外の狸による襲名である。 #幻想狸名鑑

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まだ三十そこそこの若輩の七代目を侮る声も多いが、優しげな外見にはそぐわぬ強かさで古老たちの信頼を勝ち得、早くも金長の名を継ぐに相応しい大器の片鱗を見せている。一方、不倶戴天の敵である八代目六右衛門狸は、一人娘美代との確執から当代金長への反発をみせ、対立を深めている。 #幻想狸名鑑

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【芝右衛門狸】 日本三名狸の一角。淡路島は洲本の柴右衛門大明神に祭られる。武張った四国の狸とは対照的に、淡路の狸たちは人懐こく演劇が文芸を好む陽気な者たちが多い。それは人間好きで洒落者の彼の影響が大きいといえよう。 #幻想狸名鑑

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大阪の芝居小屋に夫婦連れ立って訪れ、たびたび芝居見物をしていたことでも知られる。その大阪旅行の折に天敵である犬に噛み殺されて以来、柴右衛門大明神は演劇・演芸の神として大阪に祭られていたが、西暦二千年に淡路の洲本大明神へと遷座され、淡路へ里帰りした。 #幻想狸名鑑

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いまは息子の芝助を筆頭にした淡路七狸とともに、のんびりと暮らし旨いものを食べ演劇見物にも出かける著名な文化狸（人）である。最近は携帯ゲームが趣味。 #幻想狸名鑑

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【東光寺の禅達】 佐渡狢番付東の筆頭にして、狢四天王の筆頭である大狢。徳和の東光寺の境内に社を持つ。本性は身の丈九尺を超える巨体であり、人に化けても巌のような巨躯の僧形である。代々東光寺の禅僧との公案や問答で修業を積んだ知恵者であり、いまは住職の代行を行うほど。#幻想狸名鑑

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隻眼だが、これはかつて教えを受けた東光寺住職に感服してのこと。一つしかない目はありとあらゆるまやかしを見抜くと豪語し、化術を無効化する禁断の反化術を切り札とする。境内の岩谷口は相川と通じる狸穴であり、団三郎の不在にあって狢総大将の代行として佐渡の狢達を統率している。#幻想狸名鑑

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【湖鏡庵の財喜坊】 佐渡狢四天王の一人。加茂湖にほど近い新穂潟上の湖鏡庵に祀られる。狢らしからぬ細身で糸目の容貌をしており、人に化けての姿も柔らかな物腰の青年である。一説では鼬の血が混じっているとも噂される。#幻想狸名鑑

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佐渡の狢において最も幻術に優れ、その力は加茂湖の雄大な風景と美しい水に深く結びついている。水鏡を通じて遠隔地の情景を映し出し、離れた場所へ人物を送り込むこともできる。佐渡各地の狢以外の妖怪変化との親交も深い。#幻想狸名鑑

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【八代目六右衛門】 阿波は徳島の狸界において、金長と鎬を削ってきた化け狸。六右衛門狸は同じく阿波の小松島の金長同様、代々後継者が襲名する名狸の名であるが、六右衛門は二代目を継いだのが彼の息子の千住太郎であったことから、血縁による相続が基本である。#幻想狸名鑑

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当代の八代目六右衛門は七代目金長の後に跡を継いだ少年であり、祖父であった七代目六右衛門から百年以上に渡って、歴代の金長狸との確執を言い聞かされて育ったためその怨恨は深い。さらに、彼の姉である美代が金長一門の若狸に輿入れしたことから、金長一派を深く恨んでいる。#幻想狸名鑑

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【八洲大善狸】 八須大善神社に土佐鎮守の眷属として祀られる、土佐きっての名狸。かつては各地で無法を働き悪名を馳せたで知られたが、五台山竹林寺の住職に「人のために生きよ」とこの地に封じられた。狸火による妖術や、呪い返しなどの術に長ける。#幻想狸名鑑

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一方、八洲大善神社の池ノ上に建てられた毘沙門堂には花柳界の名門を招いて料理をふるまうなど、食通や芸事にも名を知られ、国境を跨いだ伊予狸番付においても六右衛門、金長に並び客分として記されている。#幻想狸名鑑

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幕末にあっては土佐の坂本竜馬より直々に薫陶を受け、彼の死後は愛銃のリボルバーを手に海を隔てた列強との戦いにも奔走した。日露戦争にあっては竜馬の姿を借りて時の美子皇后の枕に立ち、日本海海戦においてバルチック艦隊撃滅に一枚噛んだことでも知られる。#幻想狸名鑑

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【守鶴】 上野国館林は茂林寺にすみ、分福茶釜の伝説で知られる、おそらく日本でもっとも有名な名狸。釈尊の生まれる前より生きるともいい、彼の説法を聞き鶴に化けて大陸とも行き来したという規格外の伝説を持つ。#幻想狸名鑑

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その信仰は狸界においても群を抜いており、現在も門前には狸を祭る店が市を連ね、汲めども尽きぬ湯釜の分福茶釜には毎日のように参拝者でにぎわう。境内には無数の配下狸が暮らしており、寺の横には河川と湿地帯を広大な領地を保有している。#幻想狸名鑑

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本邦における狸界の御意見番のような立場にあり、離島である佐渡や四国という立地条件なしに、内地に確固たる勢力を保つその名は多くの狸たちにとって崇拝と尊敬の対象である。#幻想狸名鑑