ラストイベント【キミに馳せる】

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小牧「仕事内容、そんな変わってないから大丈夫だと思うけど、フォローするからなんでも聞いて」 堂上「ああ、サンキュ」 手塚「おはようございます。堂上一正、小牧一正」 堂上「ああ、おはよう」 小牧「おはよう、手塚」 小牧「そうだ、手塚と笠原さんは今教官職だからね」ﾎﾞｿ 堂上「！？」

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郁「おはようございまーす」 堂上「あ、お おはよう」 小牧「くく、おはよう、笠原さん」 手塚「笠原、午後の合同格闘訓練なんだが…」 郁「ああ、それね——」 堂上「務まるのか！？笠原に」 小牧「気になるなら仕事の合間に覗いてみれば？俺ら今日はデスクワークばかりだし」 堂上「うっ…」

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郁「吉田ぁああああ！」 堂上「…なんだ、あれは」 小牧「いいお手本がすぐ近くにいたからね、はは！」 堂上「俺の真似か！？」 小牧「真似と言うより、笠原さんの教官像がアレなんじゃない？」 堂上「恥ずかしくないのか…知ってる人は分かるだろ？」 小牧「胸張ってるよ。自慢の上司だって」

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堂上「自慢…」 小牧「33年だっけ？んで、昇任試験が終わった頃だっけ？」 堂上「ああ」 小牧「んじゃ、そろそろアレだね」 堂上「アレ？」 小牧「そう、アレ。面白いから楽しみにしてなよ」 堂上「嫌な予感しかしないな。その含み笑い」 小牧「ぶふっ！今思い出してもすごい破壊力、くくっ」

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郁「お腹すいたー！あ、堂上教官！小牧教官！」 小牧「手塚、笠原さん、こっちおいでよ」 手塚「失礼します」 郁「ちょっと篤さん聞いてよ！って…違うんだった。忘れてください！」 堂上「…なんだよ」 郁「え」 堂上「37年では夫婦なんだろ。聞くから、言えよ」 郁「やっ、えっと…」

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堂上「…」 郁「あの…その」 堂上「ん」 郁「えっと、えっと…」 小牧「…っっ」 手塚「？？」 柴崎「中学生かっ！」 小牧「ぶはっ！やめてよ、柴崎さん！せっかく堪えたのにっっ！」 郁「柴崎！いつの間に？」 柴崎「ついさっきよ。見てたのは更に前だけど。ご一緒していいですか？」

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小牧「ど、フフ、どうぞ」 手塚「なんだよ、中学生って？」 柴崎「堂上夫妻のことよ。顔真っ赤にして見つめ合って言葉が出ない。懐かしい歌にあったわね？そんな感じの歌詞」 小牧「その歌知ってる。切ない系だよね？」 柴崎「そうですよね。まぁ、ここの2人は切ないそれとは違うみたいですけど」

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郁「あ、赤くなんかなってないよ！ね、篤さん？」 堂上「うぐっ」 郁「うわっ！大丈夫？って、篤さんだけど篤さんじゃないんだった！」 堂上「ゴホゴホッ」 手塚「柴崎、笠原が名前で呼ぶ度に堂上一正が赤面するのなんでだ？」 柴崎「やめなさい、手塚。小牧教官が瀕死状態よ」 手塚「なんでだ」

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柴崎「笠原、あんた今日はどうするの？」 郁「え？あー…」 小牧「どうしたの？」 柴崎「昨夜は急すぎて堂上教官の心の準備が出来ないからって笠原が私の部屋に泊まったんですよ。ベッド空いてますし」 小牧「ああ。流石堂上と書いてヘタレと読むってところだね」 柴崎「流石堂上教官ですよね」

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手塚「俺1人で意味分かってないみたいなんだが、なんなんだ？」 郁「あんた、あたしに説明求めんの？」 手塚「ああ、ナチュラルに人選ミスったな。スマン」 郁「その暴言 覚えときなさいよ」 手塚「もう忘れた」 堂上「くっ…笠原、今日は…ゴホン 官舎に帰って来い」 郁「あ、は…い」

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「堂上教官！」 郁「え、あ…何？」 「いえ、ぼーっとされてるようでしたので」 郁「ああ、ごめんごめん。1回 休憩いれようか」 手塚「お前、ちゃんと集中しろよ。教える側なんだぞ」 郁「分かってる。ごめん」 手塚「ほら、組手するんだろ？」 郁「！ いいの？ボッコボコにしてやる！」

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郁「くっ…この！」 手塚「そう簡単に取らせるかっ」 郁「発散、したい時くらい！取らせろっ！」 手塚「！？ あ、おまっ！」 郁「でいやああああ！！」 バタンっ！ 郁「ぐえっ」 手塚「うわ」 堂上「笠原！！」 手塚「！？」 「あの小柄の人、手塚教官を持ち上げたぞ」 「怪力かよ」

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郁「いったぁ」 堂上「アホか貴様！手塚のウエイトと自分の力量考えろ！」 郁「堂上教官！？え？」 堂上「バネだけで背負い投げが出来るわけないだろうが。ったく、足捻ってないか？他にどこか痛めたりしてないだろうな？」 郁「あの、だい、大丈夫です！ホントにっ！だから…」 堂上「あ？あ…」

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小牧「ぐっ！ぷぷ…」 堂上「しつこいぞ、小牧」 小牧「だって、ひと段落する度に見に行って、とうとう乗り込んじゃうとか…ぷぶぶっっ」 堂上「気付いたら飛び出してたんだ！」 小牧「無意識！？もーダメっ！もームリっっあははははは！」 堂上「大体休憩中とはいえ、教官同士で組手やるか！？」

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小牧「笠原さんなりに何か思うところがあったんじゃない？」 堂上「そうか？ただ自分達の鍛錬みたいになってたぞ？」 小牧「そうじゃなくて。誰かさんがタイムスリップなんかしてるから」 堂上「あ…俺か…」 小牧「お前だって堂上だけど、笠原さんがどう思ってるかはわからないでしょ」

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堂上「笠原！」 郁「はい」 堂上「夕飯は食堂で済ませてから帰って来い。…ゆっくり話したい」 郁「えっと、はい…」 玄田「なんだ、修羅場か？」 小牧「違いますよ」 進藤「笠原が元気ないと事務所も活気が出ないんだよなー」 緒形「書類が進まない言い訳にはならないからな。早く出せ」

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堂上（それどころじゃなかったから気付かなかったが、結構写真が飾ってあるんだな…どれも笠原は笑顔だな） 堂上「ん？ …これは…！？ こんな…緩みきった顔で笑ってるのか？はは、いかにも幸せそうだな」

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郁「ただいま…」 堂上「えっと、おかえり」 郁「あの、話って…？」 堂上「ああ。タイムスリップのことでな」 郁「何か分かったの！？」 堂上「いや。ただ、もう少しで元に戻れる気がする」 郁「え…？なんで…」 堂上「そんな感覚がするってだけなんだが…１番の理由は、俺が満たされてる」

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郁「満たされてる？」 堂上「そうだ。多分、安心したかったんだ」 郁「え？」 堂上「こっちのお前がちょっと成長して、なんとなく…頼られないのが、寂しかったんだと思う」 郁「ちょっとしか成長してないんですか」 堂上「ああ、ちょっとだな。でも、俺にとってはそのちょっとも…寂しいんだ」

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郁「そんな！寂しいなんて」 堂上「まぁ、杞憂だったな」 郁「え！？」 堂上「お前は三正になっても俺のことを必要としてくれてる」 郁「当たり前じゃないですか！」 堂上「でもそれは俺じゃない俺だろ？」 郁「あ…」 堂上「いいんだ。その方が有難いし、自分に嫉妬するなんて2度と御免だ」

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郁「うっ…王子様の件は痛く反省してます…」 堂上「なっ！…そ、うか。お前は知ってるのか…いや、卒業宣言してくれたしな。問題ない」 郁「うわっ更に痛いとこを…！」 堂上「む、そろそろ寝るか」 郁「い、一緒に！？」 堂上「いや、俺はソファで寝る」 郁「え！？あたしがソファで！」

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堂上「お前がベッド使え。俺は据え膳も喰えないヘタレ男と言われようが、笠原を大事にしたいからな」 郁「堂上教官…」 堂上「さぁ、寝ろ。朝には、“篤さん”に会えるだろうよ」 郁「堂上教官！」 堂上「ん？」 郁「あっち戻ったら、あたしのこといっぱい撫でてあげて下さいね！」 堂上「ああ」

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トントントントン ジューッ 郁（あ、ごはんの匂いだ… ！！） 郁「篤さん！」 堂上「おはよう、郁」 郁「篤さん、おはよう！篤さん、篤さん」 堂上「分かった分かった。ほら、おいで」 郁「篤さんっっ！」 堂上「おっ、勢いよすぎだアホ」 郁「こっちの篤さんに会いたかったの」

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【感謝】お付き合いいただきありがとうございます。これにて、1周年イベントを終了させていただきます。先に申した通り、今後コピペだけのBot（更新あり）となります。最後となるとやはり寂しいですね… 交流してくださり、ありがとうございました！【中の人】

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【おまけ】 郁「篤さんは過去に行ってたの？」 堂上「いや、モニターがある部屋でずっとお前たちの様子を見させられてた」 郁「え、誰に？」 堂上「さぁ？ でも、飯も出たし風呂もあったし、丁重に扱われてたな」 郁「え、羨ましい…」 堂上「お前が頑張ってる姿、ずっと見てたぞ」