ついのべ３月分まとめ

コオロ @ko_ro506

#twnovel じいちゃんはボケている。食べたばっかりなのに「めしはまだか」といつも言っている。父さんと母さんは哀しそうに見ているだけ。漫才が好きなじいちゃんは、「さっきもう食べたでしょ」とツッコんで欲しいんだ。同じく漫才好きだったばあちゃんに、また。ばあちゃんは、呆けている。

コオロ @ko_ro506

#twnovel 避暑地で白鳥を見た。冬の間しか日本にいないはずなのに。聞いたところ、翼に怪我をして海を越えられないのだという。休みの間に、餌を与え、傷を治した。次の冬には飛び立っていることだろう。翌年の夏、白鳥は２羽に増えていた。どう見てもつがいで、来年は３羽になっていそうだ。

コオロ @ko_ro506

#てんしのかきかた 見たこともないものをどう描けっていうんだ。写実主義の画家は行き詰まっていた。現物しか描けないが、漫画ではモチーフにならない。だが気晴らしにと出かけた先で、彼は天啓を得る。受賞後、彼はモチーフをどこから得たのか照れ臭そうに答えた。#twnovel「イメクラで…」

コオロ @ko_ro506

#てんしのかきかた「楽勝ですよ」インタビューを受けた男性はすらすらとペンを走らせる。「できました。俺の天使です」隣の女性は恥ずかしそうに顔を隠しているが…「かわいい猫ですね」「はい。彼女に虐げられた俺を癒してくれます」女性が悪魔に変貌する前に取材クルーは撤退した。#twnovel

コオロ @ko_ro506

#てんしのかきかた ひーとかいて「いきなり要求レベル高いな」ちょん「何のちょんだよ」ひーとかいて「二人目」ちょん「だからこのちょん何になるんだよ」わっかかいて、はーねかいて「うん」ふーくをきせたら「気軽に言える作業量じゃないと思うんだ」ちょん「ちょんはもういい！」#twnovel

コオロ @ko_ro506

#twnovel お内裏様と言えずに「おだーりんさま」と呼ぶのが面白くて。話のタネにしていたら、ダーリン＆ハニーということでお雛様まで「おはにーさま」と呼ぶようになった。文化を越えて通じる言語の神秘。で、からかいすぎたのは悪かったから、娘にもそれを吹き込むのはどうかと思うぞ、嫁。

コオロ @ko_ro506

#twnovel「心拍数低下…先生！」看護師の呼びかけに応じ、医師はタンバリンを取り出して全力で叩き始めた。心臓を再び動かすために。「汗！」飛び散る汗を看護師が拭う。「曲！」看護師がご機嫌なナンバーをかける。「歌！」看護師が歌う。「さあ患者さんもどうぞご一緒に！」心電図が跳ねた。

コオロ @ko_ro506

#twnovel このロボットは操縦者二人の意思が一致しないと動かない。こいつに乗るために俺たちは血の滲むような特訓を共に乗り越えてきたんだ。どんなに厳しい戦いに放り込まれても、決して俺たちの心が別たれることはない！ さあ、次の戦場は… #きのこたけのこ戦争「きのこ」「たけのこ」

コオロ @ko_ro506

#twnovel 嘘をつき続けていたことが、遂に彼女にバレた。「私、嘘つかれるのは嫌いなの。これからは嘘も、隠しごともなしよ。いい？」迫る彼女に俺は「いやだ」と答えた。しかし彼女は満足げに、「『いいよ』って嘘、つかなかったね？」あ、これ一生勝てないかもしれないと悟った瞬間だった。

コオロ @ko_ro506

#twnovel 列車にて、景色を楽しみながら気楽な一人旅行、になるはずだった。淹れたお茶に茶柱が立つまでは。せっかくだから写真を撮ろうとするが列車が揺れるのでうまく撮れない。揺れるたびに傾いたり沈んだりまた浮かんできたりと気が気でない。景色を楽しむどころじゃ…やばい沈む沈むッ。

コオロ @ko_ro506

#twnovel 育児休業を終えた同僚に海外への転勤辞令が出た。遠回しに辞めろということだ。しかし彼は受諾、単身赴任となった。「家族がついて来ないのは残念だが、まあ自由にやるさ」数年後、彼は日本へ戻ってきた。「現地妻との間に子どもができて育休とったらとばされてきた」自由すぎるわ。

コオロ @ko_ro506

#twnovel 雨が降ると家に現れるその男は、いつもキャンディをくれるから私は好きだった。後から聞いたが、何を喋ればいいかわからないから、とりあえず口を閉じさせようと飴を与えていたという。毎日雨ならいいのにという私に、雨で仕事ができない男は、父としてどんな思いを持ったのだろう。

コオロ @ko_ro506

#twnovel「凶器がわかりました」単なる病死として処理されようとしていた事件。探偵はそう切り出した。「犯人は、被害者が食べる料理に少しずつ“それ”を混ぜて、慣らし、量を増やしていったのです。気づかれたら『間違えちゃった☆』などと言って誤魔化し…糖尿病になるまで」凶器は、砂糖。

コオロ @ko_ro506

#twnovel ボランティアで行ったとき、不謹慎だから笑ってはいけないと思ってたんだけど、他でもない現地の人たちが笑ってた。来てくれてありがとうって。それから「笑って貰う」って言葉の意味を考えるようになった。笑ってもいいと許しを貰ったのは、俺の方なんだ。本当は、笑わせたかった。

コオロ @ko_ro506

#twnovel 旅行の目的を僕は知らされていなかった。ただ、卒業祝いにツーリングするだけだとばかり。君にとっては、離れ離れになる前に、僕たちの名前のついていない関係を解明しておくための、謎の、謎からの卒業旅行だった。答えを聞きたいけど、君は今どこにいるんだろうね。#謎の卒業旅行

コオロ @ko_ro506

虻膿丸は、時計に不定時法が使われていた時代の人間にしては、１日を２４時間で計る生活リズムに正確を規していたことが知られている。彼は「己の体内にいる虫に従っている」と語ったという。まさに懐虫時計！#twnovel で、キメェ話書くなとフォロワーにフルボッコにされたんです、刑事さん。

コオロ @ko_ro506

#twnvday 機械みたいな奴とよく言われる。言われたことはできるが、自分からは何も動けないから。今年のバレンタインもそうだった。なのに、彼は今日『お返し』を渡してきた。思考停止。私は何もあげていないはず。「これ、予約。来年はチョコくれよ」私の思考ルーチンが加速して止まらない。

コオロ @ko_ro506

「今日が人生最後の日だったら」#twnovel 若い頃は「なら全力で今を生きるしかない」と、まやかしの覚醒を促し、年をとってからは「いや、人は明日があるから生きていける」と、そんな若者を後目に思い、そして今は「そんな頃もあった」と、過去だけを見る。今日も、最後にするにはいい日だ。