稲川淳二のつぶやき怪談　2016年3月29日投稿分

稲川淳二 @Junji_Inagawa

さすがに廊下のほうから、 あっちこっちの部屋のドアが開くのが聞こえてきました。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

隣の部屋や、旅館の人達までがバタバタバタバタとやって来た。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「どうしたんです！」 加藤は、もう喋れません。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

立っているだけが精一杯で、 老人に袖をつかまれたまま、わなわなと震えています。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「あの、あ、あの･･･」 震えていて、もう声にならない。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

周りの人達は彼が何をいっているのかわからない。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

で、誰かが部屋の電気を点けました、パチンとーー。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

すると、布団の真ん中で、 痩せこけたじいさんが、うーうー唸ってる。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「医者だ！医者がないか！救急車呼べ」

稲川淳二 @Junji_Inagawa

それからは上を下への大騒ぎ。 「おーい！医者だ」

稲川淳二 @Junji_Inagawa

すごい騒ぎになって、 そこへ宴会場で飲んでいたカメラマンの大田も、 さすがに騒ぎを聞きつけてやって来たんです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「どうしたんです！」 振り向くと、大田がいる。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「加藤さん！大丈夫ですか！」 と叫ばれた瞬間に、加藤はようやく気がついた。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「ああーー、俺は部屋を間違えた」

稲川淳二 @Junji_Inagawa

自分も老人もしこたま飲んで、両方が酔っ払っていた。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

しかし、じいさんはあまりの飲み過ぎで体調を崩し、即病院行き。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

それでも、じいさんの家族の人たちに、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「助かった。助かった。あなたのお陰です。ありがとうございます」 って、加藤は喜ばれたそうです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

笑っちゃいますよね。 ホント。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

それにしても、みんな、 なぜ加藤があそこにいたのか、 不思議に思わないんだから、変な話ですよ、まったく。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「つぶやき怪談」いかがでしたか？

稲川淳二 @Junji_Inagawa

怖・楽しい時間を、楽しんで頂けましたでしょうか？ 喜んで頂ければ、何よりです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

不定期なんですが、また「つぶやき怪談」やりますんで、 よかったら遊びにきて下さいね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

皆さん、節電には気を配って下さい。 そして、何か、自分が出来ることを、試してみて下さいね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

体調にはくれぐれも気を付けてくださいね。 私の情報は、ＨＰで公開してますので、 よかったらこちらで確認してみて下さいね。 j-inagawa.com