【永遠の愛 sideM ①】 完全に浮かれてた プロポーズして 段取り踏んで 色々決めて 紙切れ一枚出せば幸せなんやって 意気揚々と挨拶に行く日取り決めて 先ずは彼女の家 何回かお邪魔した事あるけど 今回はめっちゃ緊張してて それを見て笑う彼女
2016-04-07 01:40:53【永遠の愛 sideM ②】 “信ちゃん、どうした?そんなビシッと決めちゃって” 「あの…お父さん…咲希さんを…」 “あー、こんなんで良ければいつでも貰ってやってくれ。行き遅れるより信ちゃんが貰ってくれるならいいや” 全部話す前にそう言われてしもた
2016-04-07 01:40:57【永遠の愛 sideM ③】 逆に彼女が初めて俺の家に行く日 「顔死んでるで」 『胃が…』 身だしなみを最後まで気にしながら 家に入る 『は、初めまして…高橋咲希と申しますっ…』 “可愛らしい娘さんやなー” 「あのさ、2人に話しあんねん」 “何?ええ事?”
2016-04-07 01:40:59【永遠の愛 sideM ④】 「俺ら結婚するわ」 “ほんまにー。ほな痩せなあかんな” 何て関西のおばちゃんパワー全開で 彼女もようやく笑った それから 分厚い結婚情報誌を広げて 色々決めたりしなあかんことだらけで驚く 一通り見たら頭痛くなってしもた
2016-04-07 01:41:02【永遠の愛 sideM ⑤】 嬉しそうにページを捲る彼女を見てた マジマジと見つめるドレスのページ 『もうフリフリのは年齢的にダメですかねー?』 「そんな事ないんちゃう?」 『あ、こういうのがいいなー』 彼女の差した物を見る 「ええけど肩出過ぎちゃうか?」
2016-04-07 01:41:04【永遠の愛 sideM ⑥】 『そうですか?っていうかドレス何て全部こういうのばかりですよ』 「まぁそうやけど…式の前日にこことかに後付けてまいそうや」 そう言って彼女の鎖骨あたりに顔を沈める 『くすぐったいですよー』 逃げる彼女から分厚い結婚情報誌を取り上げて床に落とす
2016-04-07 01:41:06【永遠の愛 sideM ⑦】 ソファの端に追いやっていく 『ちょっ…信五さんっ…』 「ふんわりしててもシンプルでもドレスは好きなの着たらええけど」 やっぱり他人にこの肌見られるのが嫌な俺 「試着は付き合うから勝手に行くなよ?」 その返事も聞かずにキスをする
2016-04-07 01:41:07【永遠の愛 sideM⑧】 『ンッ…ベッドがいいっ…』 「もう遅い」 そのままソファに沈めて 服を脱がしていく 見えた鎖骨にキツく吸い付いて 他の所にもたくさん… 後から大人気ないなって反省するけど幸せで 2人でええ結婚式にするんやって そう思ってたのに…
2016-04-07 01:41:09【永遠の愛 sideS ⑨】 “嘘?!本当に?おめでとー!” 信五さんとの事を知ってる同期の香澄にプロポーズを受けて一番に報告した 自分の事の様に喜んでくれた 一見派手に見えるけど 実はちゃんとしてる子 一途なのを隠してるみたい 今はきっと私の知ってる人が好きみたい
2016-04-07 21:41:50【永遠の愛 sideS ①⓪】 聞かないし 香澄も言わないけど いつかは聞いてみたい話 “咲希に先に行かれる何てねー…でも楽しみにしてるね” って言ってくれた お互いの実家に挨拶に行く 信五さんのお家には初めてで すごく緊張した そんな私を見て笑う信五さん
2016-04-07 21:41:54【永遠の愛 sideS ①①】 でも おしゃべりなお母さんと 無口のお父さん 2人とも素敵なご両親で 信五さんの原点に触れられた気がして嬉しくて “こんな綺麗な娘さんがお嫁さんやなんて。息子ばっかりやし娘が出来るみたいで嬉しいわー” って言ってもらえて お二人共笑ってた
2016-04-07 21:41:57【永遠の愛 sideS ①②】 結婚情報誌を買って2人で見てみる 知らなかった事たくさんだけど 結婚式を想像してるだけで嬉しくて 信五さん途中で飽きちゃったみたいだから ドレスのページを見つけて あれもこれも目移りしてしまう 「好きなのを着たらいい」
2016-04-07 21:42:00【永遠の愛 sideS ①③】 そう言いながら 「試着は付き合うから勝手に行くなよ?」 何て言って 鎖骨あたりに赤い痕がいっぱい 信五さんらしくて 恥ずかしいけど 嬉しい 日取りを決めて 式場も 結婚情報誌で絞っていたからスムーズに決まった
2016-04-07 21:42:02【永遠の愛 sideS ①④】 会社への報告をしたり 部署のみんなへ報告する 知らなかった大倉さんと先輩はすごく驚いてた 打ち合わせも始まって 本当にたくさん決めないといけない事がたくさん… でも相変わらず忙しい信五さん 打ち合わせも2人で行けない事も多い…
2016-04-07 21:42:08【永遠の愛 sideS ①⑤】 それでも 聞いてきた事を信五さんに報告する 最初は 「今日行けんくてすまん」 って言ってたけど そのうち打ち合わせだった事も忘れてたみたい 「好きにしてええで」 何て言われて 決めたい事なかなか決まらなくて 少しずつ億劫になってしまう…
2016-04-07 21:42:10【永遠の愛 sideS ①⑥】 私だって仕事あるのに… そんな風に考えてしまってる こういうの マリッジブルーっていうのかな… 信五さんがわかりやすい様に ノートに色々とメモしておく いつかはきっと信五さんだって気づいてくれるはず… だって信五さんだし
2016-04-07 21:42:11【永遠の愛 sideS ①⑦】 そのまま いつの間にか眠ってしまってたみたい 肩に何かを掛けられた感覚で目が覚めた 『信五さん…あ、おかえりなさい』 「ただいま」 『今、ご飯にします』 片付けの手を止められて 「すまん…」 そういった信五さん 段々と目が霞んでいくのがわかった
2016-04-07 21:42:13【永遠の愛 sideM ①⑧】 順調なんで思ってたんは最初だけで いざ打ち合わせが始まっても 中々一緒に行く事が出来ひん 仕事も忙しいし ってのは完全な言い訳 結婚式の主役は花嫁やっていう言葉に甘えて 「好きな様にしたらええ」 何て言って逃げてたんやな…
2016-04-08 23:46:27【永遠の愛 sideM ①⑨】 『これと、これなんですけど』 「んーお前はどっちがいいん?」 『えっと…』 「お前のええようで」 何てな ある日帰宅すると リビングの机に伏せて眠ってる彼女 着替えのついでに毛布を持ってくる 「…何してたんや?」
2016-04-08 23:46:29【永遠の愛 sideM ②⓪】 “○日までに信五さんと決める” “信五さんに確認てもらう” ノートに色々と書いてある 俺のために… 『ん…』 肩に毛布掛けたら起きたようすの彼女 『今、ご飯にします』 って言った彼女を止める みるみる涙を目に溜める彼女
2016-04-08 23:46:30【永遠の愛 sideM ②①】 「すまん」 そういうしか無くて 彼女をぎゅっと抱きしめた 彼女が泣き止むまでずっとそうしてた 『信五さん…』 「1人でさせてすまん。俺あかんな…」 『信五さん…わかってるんです…頭ではお仕事が大事って…けど…』
2016-04-08 23:46:38【永遠の愛 sideM ②②】 「ええよ。言いたい事言え」 『えっと…信五さんのバカ』 「ん、それだけ?」 ゆっくり頷いた彼女 「今からでも間に合う?」 彼女とソファの間に座って 彼女を足の間にして抱きつく 『信五さん苦しいです』 「我慢せえ」
2016-04-08 23:46:48【永遠の愛 sideM ②③】 彼女は一個一個ちゃんと説明してくれて ほんまにギリギリのタイミングやったらしく 細かい事が全然決まって無くてやばかったみたいやった 「遠慮せんと言えって」 『だって…』 「まぁ、俺が悪いんやけど…もう泣かんとってくれ…」
2016-04-08 23:46:50【永遠の愛 sideM ②④】 彼女の目元の涙を拭う 『あと…これを…』 出してきた何枚かの写真 「お前…いつの間に」 ウェディングドレス姿の彼女がいて 『あの、まだもう一着着たいのがありまして…』 「それいつ?」 『えっと…木曜日…』 「俺も行く」
2016-04-08 23:46:51【永遠の愛 sideS ②⑤】 「どっちでもいいとか、お前の好きな様にとか言わんとこって決めてたのにな…」 何て部長は何度も反省してて “本当に咲希がどんどん痩せてくから部長の所に乗り込んでやろうと思ってたんですからね!” って香澄が責めて 「すまん…」 ってまた謝ってる
2016-04-11 00:26:59