自分のついのべリスト。その1。

【Discover - 第2回 Twitter小説大賞】への応募は多分ここから選ぶと思うー。 お褒め頂いたものとか、自分でそこそこ気に入っている子たち。 取り敢えず25選。 @yosha_01さん曰く「必殺の名刺」の候補たちでもあるかなぁ。
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瀬口 @an2a_09

#twnovel 魔法の鍵で星空への扉を開ける。闇の中へ落ちる。目が慣れて、見えてきたのは知らない星座。外は満天の星。なのにわざわざ人工の星を見に来たのは、君が見ている空の姿を見てみたかったから。こちらは夏。そちらは冬。あの星に願いをかけたら、君の元に届くだろうか。

2010-09-13 00:41:54
瀬口 @an2a_09

#twnovel 夜明け前。履きなれた靴でずんずん進む。この時期、国見ヶ丘では雲海が見られるらしい。そう言って神々の地、高千穂にやって来た。日が昇る。まるで天上にいるよう。綺麗だけれど、寒い。いや、綺麗な上に、寒い。暖めてもらう口実の方が嬉しいだなんて、神様に怒られちゃうかな?

2010-09-16 23:39:53
瀬口 @an2a_09

#twnovel どんなに肉が好きでも、毎日だと飽きるだろ?たまには魚が食べたくなる。でもそれは肉が嫌いって訳じゃないんだ。メニューを広げ、食べ物で例える彼。うんうん、分かるよ。私だってそう思う。実際、その例えなら私にとってあなたは魚だし。アイスコーヒーの氷がからんと音を立てた。

2010-09-20 23:24:54
瀬口 @an2a_09

#twnovel 今年も渡せないのかな。八方美人な私が会社で手作りチョコレートを配り回っているのは、もちろん渡したい上司や先輩達に恵まれているからなんだけど、一番の理由はこうすればあなたにも渡せると思ったからなんだけどな。冷蔵庫の扉をばたんと閉めて、床の上にぺたんと座り込む。

2010-09-26 13:54:44
瀬口 @an2a_09

#twnovel コーヒーの香りが漂う。草木も寝静まった頃、僕の事なんかすっかり忘れてしまった君が一番自由になる時間。何度も交わしたはじめましての挨拶の後に、君は僕の知らない新しいお話を語りだす。紡ぎ出された物語を、僕は僕の名前で本にする。償う事はできない。大きな大きな罪の証。

2010-09-29 01:54:02
瀬口 @an2a_09

#twnovel ん…。眠い目を擦りながら手探りで眼鏡を探している貴方の頬にキスをして、ちょっと待ってね、と眼鏡を取りに行く。あなたよりちょっとだけ早く起きてワザと手の届かないトコに置いてたの。だって、やっぱりお化粧して無い寝起きの顔を見られるのはまだちょっと恥ずかしいんだもん。

2010-09-30 22:40:33
瀬口 @an2a_09

#twnovel あなたの鍵で私を開いてからひとりの夜は寒くて仕方がない。あなたも同じ温度を感じているだろうか。それとも空っぽな私を放って今頃は他の誰かを温もりで満たしているのだろうか。窓を開いて月明かりを浴びて、幽かに見える星を数えながら眠る。あの月はきっとあなたも照らしてる。

2010-10-08 01:31:52
瀬口 @an2a_09

#twnovel ひんやりとした床の感覚。疲れていたにしてもこんなトコで眠りに落ちるとは。お姫様を抱きかかえ、落ちた眼鏡も拾う。ベッドに運び、コーヒーを入れて眺める。心なしか安らかになった寝顔。今頃はどんな夢を見ているやら。朝まではまだ時間があるけど、目覚めのキスをしてみようか。

2010-10-21 04:49:56
瀬口 @an2a_09

#twnovel あの人が好きな眼鏡っ子を目指す。目が悪いのでちょうど良かった。眼鏡をかけると視界が広くなった。例えば夜の遊歩道。今まで見えなかったものが見える。遠くにいるあの人と、その隣にいる綺麗な人まで。眼鏡を外す。世界がぼやける。もうこれ以上は見たくない。

2010-10-21 05:10:19
瀬口 @an2a_09

#twnovel 恋愛経験が少ないので妄想恋愛で満足する事にした。妄想の中では幸せだったし、嫉妬もした。男にもなったし女にもなった。結婚も浮気も不倫だってした。ときめきも恥じらいも感じたけれど、本当の恋愛の様にある日突然飽きもきた。そんな自分に不満が募る所まで妄想してしまうとは。

2010-10-24 17:43:13
瀬口 @an2a_09

#twnovel 西日を浴びながら、少し早いけど食事の支度。ひとり分作るのもふたり分作るのも一緒だから、あなたの分も作ってしまう。自分勝手に食べて寝て、時々ふいといなくなって、気まぐれなのに愛されて。あなたの様に生きられたらいいのにね。今日も飼い猫とふたりだけの食事。

2010-10-27 05:42:11
瀬口 @an2a_09

#twnovel 肌寒い朝。隣にあなたの姿は無い。「雪が降ってるよ」うつろな意識の中、響く声に窓を開ける。外は一面の銀世界…ではなく「やっと起きた」無邪気な笑顔。「たまにはこんな起こし方もいいだろ?なかなか起きないんだから」なんか悔しい。取り敢えずその生意気な唇を塞いでしまおう。

2010-11-10 04:48:00
瀬口 @an2a_09

#twnovel 夢の中、決まって現われる一人の少女に恋をした。毎晩尋ねる僕に、引っ込み思案な彼女がやっと心を開いてくれた。はにかむ笑顔が愛おしい。朝。窓際にはシクラメン。そうして僕はようやく今年最初の花をつけた君だったのだと悟る。浅い眠りを求めて今日も僕はこたつで眠りに就く。

2010-11-12 01:41:25
瀬口 @an2a_09

#twnovel 駅のホームで携帯が震える。彼からの着信。少しばかりの罪悪感を抱えながら、悟られないように平静を装う。「外?ごめん、タイミングが悪かったね」優しい声が列車の音で途切れる。嫌いじゃない。でも同じ気持ちは返せない。これは罪?見上げた空には欠けた月。静かに私を見ている。

2010-11-14 05:10:53
瀬口 @an2a_09

#twnovel 外にいるのはすぐに分かった。こんな時間に、どこに?誰と?問いただしたい気持ちを抑え、忙しくて電話すら出来ずにいた事を詫びる。「大丈夫?」僕を気遣う声。知ってるんだ。疲れた声を聞かせたら優しい君は別れ話を切り出せないって。だから…。冬の月。満ちるのはいつだろうか。

2010-11-14 05:11:25
瀬口 @an2a_09

#twnvday #twnovel 「散水氷結法」と聞いて驚いた。一晩中水を撒き続け、0℃に保たれた茶葉は結果霜から守られるらしい。逆転の発想!よし、これからはワザと冷たくしちゃおうか?意地悪く微笑む私にそんなのヤだよと君が呟く。うん、まだ私達はそんな季節じゃなかったみたい。

2010-11-14 23:56:15
瀬口 @an2a_09

#twnovel 僕は蝶。僕は蜂。色んな花の奥からたっぷりと甘い蜜を頂く。都会は便利だ。携帯ひとつで花の方からやってくる。今宵も街の灯りを眼下に新たな蜜を味わいながら、ふと。どんなに羽ばたいても手の届かない高嶺の花を思い出す。僕が本当に欲しかったのは凛としたあの花の蜜だけだった。

2010-11-22 02:27:19
瀬口 @an2a_09

#twnovel アイツと対峙するにはそれなりの覚悟がいる。軽い気持ちでうっかり手を出してしまったら最後、下手したら仕事も手につかなくなる。だから私もそれなりに準備をする。家族は出掛けた。時間はたっぷりある。さぁて、時々私を裏切るけど虜にして止まない、本の世界に浸るとするかっ。

2010-11-23 23:40:55
瀬口 @an2a_09

#twnovel 僕ではない誰かに惹かれていく様を僕はただただ見つめるしかなく、いや実際には見つめる事すら出来ずに、そんな僕だから君は去っていった。誰にも縛られない君が好きだった。例え傍にいるのが僕でなくても君が笑顔ならそれで…そんなの綺麗事。男のプライドなんて、クソ食らえ。涙。

2010-12-10 03:33:44
瀬口 @an2a_09

#twnovel 美容院の嫌いな所。ケープについた古い水の臭い。よく知らない男のコに髪を触られてマッサージで気持ちよくされちゃう事。好きな所。家とは違うシャンプーの匂い。切り過ぎた髪にも自信をくれる褒め言葉。皆の前で「夕飯何がいい?」って聞ける事。それに照れるあなたの笑顔。

2010-12-12 10:58:06
瀬口 @an2a_09

#twnovel いつもの朝。いつもの道。いつもの電車。いつもの会社。いつもの同僚。いつもの仕事。あなたと目が合う。目を逸らす。身体が火照りを思い出す。僕らは一夜の共犯者。一晩限りの儚い戯れ。周りは誰も気付いていない。いつもの書類。いつもの机。悲しいくらいにいつものあなた。

2010-12-20 20:50:18
瀬口 @an2a_09

#twnovel お腹が空いたと思えばたらふく食事が出てくる。眠たいと思えば心地良い寝床が用意され、淋しいと思えば皆がボクを愛してくれる。ボクの声は魔法の様に全てを叶える。こんなに望むままになるのは今だけだって知ってる。期限付きの魔法の言葉をボクは今日も精一杯叫ぶ。「おぎゃあ!」

2010-12-31 17:30:43
瀬口 @an2a_09

#twnovel そう言えば、おじいちゃんち、って言わないねー。いつもおばあちゃんち、って言っちゃう。おじいちゃんもいるのにね。何気なくそう言ったら祖父は優しく笑ってた。いいんだ、この家はおばあちゃんへのプレゼントだから、って。あぁ、今なら分かる。ウチのじいちゃん、イイ男だよな。

2011-01-17 23:16:30
瀬口 @an2a_09

#twnovel 人前では笑顔になってしまう私。「悩みなんて無いでしょ!」その言葉は勲章。そうしてどんどん弱い部分を見せられなくなっていった。涙は流していないのに、誰も気付いてないはずなのに、くしゃっと頭を撫でて「大丈夫か?」と言ったあなた。惚れる理由には充分でしょ?

2011-01-22 23:40:41
瀬口 @an2a_09

#twnovel 「アンタは本当、私にそっくり」母と喧嘩する度、叔母はそう言ってた。「嘘だ。おばちゃん、お母さんと仲良いじゃない」膨れっ面の私。笑顔の叔母。こんな日なのに今日も母と口喧嘩。でも逆に相変わらず、って安心してるんじゃないかな?あの空の上から。母と手を合わせる冬空の下。

2011-01-30 21:31:00