「不公正な社会/世界」の中でどう生きるか、ということについてのふたつの考え方

メモさせていただきました
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1/10世紀 @atenthcentury

悩み、ためらい、立ち止まる時間そのもの。そういうものとしてお芝居を立ち上げてきたけれど、そろそろ悩まなくてもいいような気がしている。自分の所在をはっきりと表明することへのためらいは、きっとまだなくならない。けれども、自分の所在について、もう悩んではいないように思う。

2016-04-07 20:03:13
1/10世紀 @atenthcentury

自分がいままで幸運でありいまの生活に満足しているからといって「この世界は素晴らしい」なんていう気持ちはさっぱり起こらない。僕の友達やまったく知らない人たちが信じられないほど酷い仕打ちに晒されているからといって「クソみたいなな世界だ」という気持ちにはならない。世界は僕らと関係ない

2016-04-07 20:07:44
1/10世紀 @atenthcentury

僕らが日々どれだけ努力していようと、怠けていようと、誠実であろうと、ズルかろうと、世界は関係なく不合理で不平等だ。努力は報われないし、報われたりもする。優しさはひとを助けることもあるし、なんの役に立たないことも多い。僕らの悩みや決意は、世界の不合理や不平等に対して影響しない。

2016-04-07 20:13:56
1/10世紀 @atenthcentury

ひとに何かをおすそ分けできる人は愛される。そして相手からもたくさんのものをもらう。そうするとますますひとが好きになって、おすそ分けをどんどんする。その人の周りは嬉しいことでいっぱいになる。

2016-04-07 20:25:08
1/10世紀 @atenthcentury

おすそ分けできるものはなんだっていい。素敵な笑顔やおいしいごはん。やさしい言葉。とびきり美しい顔立ちのひとだったら一緒にいるだけでいいかもしれない。石油王だったらお金や仕事だっていい。「この人といるとなんかいいな」と思ってもらえたら、おすそ分けの輪はどんどん広がる。

2016-04-07 20:28:03
1/10世紀 @atenthcentury

そんななか、貧乏な家に生まれるブスがいる。笑顔も汚く不愉快だしおいしいごはんも食べたことがない。言葉遣いも乱暴だから、近くにいるひとを傷つけてばかり。どんどん周りから嫌われて、一緒にいてくれる人はひとりもいない。

2016-04-07 20:32:12
1/10世紀 @atenthcentury

素直で快活なイケメン石油王が「この世界は素晴らしい!」と言ったとして、それは欺瞞だろう。石油王は貧乏なブスを見ない。貧乏なブスが「不平等なこの世界でキラキラしてる奴らははクソだ」と呪ったとして、それは傲慢だろう。貧乏なブスは他人を尊重するやり方を知らない

2016-04-07 20:36:45
1/10世紀 @atenthcentury

不合理も不平等も当たり前のことなのだから、石油王の欺瞞を告発しても仕方がない。貧乏なブスが、それでも良く生きていこうと思うのなら、なにもないようなところから、それでもひとに分け与えられそうなものを、くさらず地道に探していくしかないのだ。世界は公正じゃない。

2016-04-07 20:40:24
1/10世紀 @atenthcentury

そして公正じゃないからこそ、貧乏なブスの手元にもおすそ分けできるものがありうるのだ。この不合理な世界に、正攻法も反則技もないのだから。持っている手札で勝負するしかない。ルールもなにもないところで。

2016-04-07 20:43:30
1/10世紀 @atenthcentury

こういうことを僕が言えるのは、もちろん僕が幸運にも「手札の多いひと」だからだろう。自分のそうした幸運についてためらうことや戸惑うことはあっても、悩むのはもうやめた。やめたというより出来なくなった。僕は僕で、この手札で最善を尽くすしかないのだし。

2016-04-07 20:52:19

なぎ @nagi0stella

僕は僕で、というシロの実感とは別に、ここから考えたこと。

2016-04-09 00:31:01
なぎ @nagi0stella

「貧乏な家に生まれたブス」が「他人を尊重するやり方を知らない」のは、「不合理も不平等も当たり前」の世界の中で、そのやり方を知る機会が彼に与えられなかったからだ。それは「素直で快活なイケメン石油王」のせいではないし誰のせいでもない、だけど彼自身のせいでもないことだ。

2016-04-09 00:31:17
なぎ @nagi0stella

「貧乏なブスが、それでも良く生きていこうと思うのなら、なにもないようなところから、それでもひとに分け与えられそうなものを、くさらず地道に探していくしかないのだ」。その通り、彼に残された道はそれしかない。誰しも与えられた手札で勝負するしかない。それは恐らく、揺るがない、事実だ。

2016-04-09 00:32:17
なぎ @nagi0stella

けれど、公正ではない世界を受け入れて自分に与えられた手札を切ろうと努めること、世界を許すこと、は、決して他者 (持つ者か持たざる者かは関係なくとにかく彼以外の他者) が望んだり強いたり、当たり前の努力と見なして良いものではない。

2016-04-09 00:32:53
なぎ @nagi0stella

石油王が経ずに済んだ葛藤や道のりを、貧乏なブスはじりじりと越えてゆくしかない。他者にできることなどせいぜい、それを越えて生きてきた彼に対して頭を垂れることくらいだろう。良く生きるためのスタートラインにある恐ろしい差を前に、彼が越えることを「当たり前のこと」とする権利は誰にもない。

2016-04-09 00:34:52
なぎ @nagi0stella

誰もが石油王の側面と貧乏なブスの側面を併せ持つだろうが、たとえ自分が貧乏なブスの側面を乗り越えて生きてきたとしても、それは他者である貧乏なブスが世界を許せないことを、責め立て蔑み笑う理由にはならない。のだけど、「世界を許せという圧力」は、この世界のそこかしこに仕掛けられている。

2016-04-09 00:35:36
なぎ @nagi0stella

「他者に分け与えられそうなものを地道に探すしかない」「与えられた手札で勝負するしかない」。つまりそういった実感は、まさに「実感」としてしか語り得ないのではないのか。主語を「わたし」に据えてしか語れない事柄。これを一般論に据えること自体が、「世界を許せという圧力」に荷担している。

2016-04-09 00:35:48
なぎ @nagi0stella

あとこれは関係ないことだけど、「世界は不公正だ (から、それぞれの責任で越えるしかない) 」と「世界は不公正だ (けど、人にはその差異を埋めるための制度への試みが許されている) 」の、ちがい。後者の気持ちを捨てて前者に流れたとき、わたしは世界をあきらめるのだと思う。

2016-04-09 00:36:33
Hiroki Yamagishi @justkiddddding

1/10世紀のアカウントに対するなぎの批判的な言及は、明日トゥギャろうと思うけれど(忘れなければ)、いまんとこ思うのは、「与える」という行為の可能性からすでに排除されている人がつねにいるということと、他方で1/10世紀の中の人は「一般論」を述べているわけではたぶんないということ。

2016-04-09 01:27:34

1/10世紀 @atenthcentury

僕に関係のない世界には石油王も貧乏なブスも含まれている。僕の中に石油王な部分も貧乏なブスな部分ももちろんあるけれど、他のひとがどうであろうと僕には関係がないのと同じに、僕の実感がどうであろうと他のひとにはなんの関係もない。関係しようとするから苦しいのだ。差異は関係の中にしかない。

2016-04-09 01:39:09
1/10世紀 @atenthcentury

貧乏なブスが自分の手札で勝負すること。それは「健全」な「世界」に対して関係を結ぶ試みではないかもしれない。むしろ世界との関係を無化すること。都合にいいところだけ拝借すること。あなたのかけがえのなさはただあなたによってのみ担保されている。それでじゅうぶんだ。それ以外にはない。

2016-04-09 01:43:13
1/10世紀 @atenthcentury

僕は僕のことだけを肯定する。それ以外の事柄には興味がありません。そのうえで、人が自らを肯定するだけで事足りるなんていう当たり前のことに、ずけずけと干渉してくる現実の世界というものに中指を立て続ける。

2016-04-09 01:49:10