Story of Rain

【個人的保存用】 #StoryofRain として投稿したものはこちらにまとめていきます。 ★what is #StoryofRain?★ 雨の日限定で始めたショートストーリータグです。 続きを読む
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言端*オルタナティヴ純文学 @koppamyginco

とつとつと、窓を叩く音で目を覚ました。時間は午前5時前後。微睡みの中で雨音のメロディを聴いて、なにをするでもなく水の国へ想いを馳せる。いつかわたしも深い水溜りにとぷんと沈んで往くことができたら。 #StoryofRain

2016-04-28 10:03:39
言端*オルタナティヴ純文学 @koppamyginco

露草の靴、浅葱のストール、勿忘草の傘。捻くれ者の彼女は雨天の下を揚揚と歩く。願掛けかなにかかと問うてみると、返事は「逆転してるだけ」。全く意味がわからないまま、わたしは瑠璃紺の傘を広げた。 #StoryofRain

2016-04-28 09:51:34
言端*オルタナティヴ純文学 @koppamyginco

「涙というには雑然、慟哭というには悲愴、今日は複雑な天気ですね」ただの小さな嵐の日を、そんなふうに語る貴方の言葉が好きだった。決してわたしには注がれなかったそれを、いつまでも懐古してしまうのは何故だろう。 #StoryofRain

2016-04-17 11:29:54
言端*オルタナティヴ純文学 @koppamyginco

雨脚は気ままに焦燥を引き連れてきて、わたしの感情を巻き込んではばらばらにしてしまう。いっそ雷鳴を待ち望む、堕落めいた思考は破壊を望んでか。 #StoryofRain

2016-04-17 11:14:43
言端*オルタナティヴ純文学 @koppamyginco

@koppamyginco 花弁が散るように壊されるさかさまの世界を、ほんの一瞬捉えて慈しみたい。偽善と知るか、博愛と嘯くか、貴方の好きなようにするといい。 #StoryofRain pic.twitter.com/p5S7KrTfsb

2016-04-14 19:46:34
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言端*オルタナティヴ純文学 @koppamyginco

@koppamyginco 今日はそのドアは開いているのだろうか。尋ねる術はもうない。彼女は一度も、「一緒に行こう」とは言わなかった。だから僕は今日も想像通りの硝子の向こうへ足をつける。 #StoryofRain

2016-04-14 09:30:03
言端*オルタナティヴ純文学 @koppamyginco

寂寞として孤高。虚しさに隠れた優艷な抱擁。さらさらと降る小雨の白とは、そんなものかもしれない。注いでも注いでも、気付かぬ者もある。時折見上げる者を恐れて、一面の白に隠れる。その奥を知らんとするならば、そうだ、いっそ溶けようか。 #StoryofRain

2016-04-14 09:16:58
言端*オルタナティヴ純文学 @koppamyginco

湿った空気が肺を満たしていく。ひとの言葉で淀んだそれを、日々誰もが吸いこむ。少しだけ静かな涙の日は、綺麗に変わる、そのことが愛おしいのにどうしてか、空しさが影を落とすのだ。 #StoryofRain

2016-04-14 09:05:24
言端*オルタナティヴ純文学 @koppamyginco

うっすら烟るいつもの世界は、どこか知らない街のように僕を出迎えてくれた。既知の世界、未知の空模様。あるものを忘れ捨てさってしまった僕の代わりをするかのように、この場所の空は表情豊かだ。 #StoryofRain

2016-04-14 08:48:46
言端*オルタナティヴ純文学 @koppamyginco

ぱたた、ぱたたと突然泣きだした空模様に、わたしは不思議と晴れやかな気持ちになった。たしかその時分からであったと思う。目尻から天へ伸びる不可視の糸が視えるようになったのは。 #story of rain

2016-04-13 18:13:36
言端*オルタナティヴ純文学 @koppamyginco

「歪で愛おしいもうひとつのリアルには、誰が生きているのだろうね?」そう問うた貴方の悪戯っぽい瞳には、波紋が満ちていた。 #story of rain pic.twitter.com/pHuDUP2BC3

2016-04-07 17:26:32
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言端*オルタナティヴ純文学 @koppamyginco

滴る一瞬の世界。雫の中の小さな、ちいさな誰かの居処を守りたかった。そうして遺していく世界が、あなたの傍に寄り添いますように。 #story of rain

2016-04-07 12:38:31
言端*オルタナティヴ純文学 @koppamyginco

「空が泣いたらドアが開くの」と彼女はよく口にした。なんのドアとは、彼女のみ知る。ただ今にして思うのは、半透明の硝子の向こうは想像通りとは限らないということ。つまりドアとは、彼女自身だけの世界への入口だったのかもしれない。 #story of rain

2016-04-07 09:06:49