- tasobussharima1
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鳴門海峡を横断する大鳴門海底徳エネルギーパイプラインは、淡路島を通り瀬戸内の工業地帯へと接続される。そこは今や、得度兵器達の一大拠点と化している。 歪に増築・改造された近代アートの如き工業施設群。自律進化を続ける機体達の城。人類総解脱の拠点。そこで蠢く作業機械達。
2016-04-19 21:04:06そうした施設の所々に、人間の目からは一見無秩序にしか見えないアルゴリズムによって巨大な円柱・球体・或いは複雑な曲面から構成されたタンクが幾つも設置されている。 それらの大半は今、徳エネルギーのパイプラインからの供給途絶によってまさに与えられた役目を果たそうとしていた。
2016-04-19 21:08:03まあ緊急用や出力調整用に徳エネルギーはプールしてあるわな。パイプラインが止まったからといって即支障があるわけじゃない #徳パンク
2016-04-19 21:10:25タンクは形も中身も様々だ。徳エネルギー流体を一時貯蔵するための水槽。或いは、エネルギー貯蔵のための水素タンクや、超電導マニフライホイール・バッテリーを格納するための真空容器。共通するのはどれも、非常時に得度兵器達の拠点へエネルギーを供給するための施設であること。
2016-04-19 21:12:07超電導マニフライホイール・バッテリーってもしかして、徳エネルギーを回転に変えて超電導フライホイールに保存するときに、さらに回転体に経文書いとけば一石二鳥っていう代物かw #徳パンク
2016-04-19 21:15:04得度兵器は、人類救済に必要な徳エネルギー兵器、そしてその動力源たる徳ジェネレータや大型徳エネルギーキャパシタを搭載するため、そのサイズを巨大化させてきた。それによって、より多くの徳エネルギーを必要とするようにもなった。 ならば、その製造にはどれ程のエネルギーが必要なのか。
2016-04-19 21:16:03得度兵器を製造するために必要な資源と、エネルギー。さらには資源そのものを調達するためにも当然徳エネルギーが必要だ #徳パンク
2016-04-19 21:18:31『マロ』は、そこを突いた。得度兵器は生産にも稼働にも膨大なエネルギーを必要とする。そして徳エネルギーを獲得する手段は、徳を積んだ人間、又は徳遺物の他には無い。 彼は徳島の徳エネルギーを得度兵器に自ら差し出すことで、得度兵器の渡海侵攻を防いでいたのだ。だが、それは既に途絶えた。
2016-04-19 21:20:03……とはいえ。パイプラインからの供給途絶は、点検やアクシデント等で短期間ならば想定されうる事態である。一日にも満たない徳エネルギーの供給停止。その程度では、得度兵器達の考えを変えるには至らない。徳島の埋蔵徳資源を考慮しても、足掛かりの無い孤島への渡海侵攻は高過ぎる買い物だ。
2016-04-19 21:24:04実際ガラシャ達の町とかもそうだけど、得度兵器は徳エネルギーを供給する意志のある人間との共生関係はわりと柔軟に対応する感じだもんねぇ。マロ氏の現実的な生き残り策だ。たとえそこで製造された得度兵器がさらに多くの人々を強制解脱に追い込むとしても。 #徳パンク
2016-04-19 21:24:07