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tasobussharima1
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『マロ』は、少年の情報を元に事件に関与した大人達も呼び寄せ、問い詰めた。それは根気の必要な作業だった。 「……その、彼等に罰を与えずとも宜しいのですか」 「あー……その辺は、適当にやるでおじゃる。麿は支配者じゃないでおじゃる。自分の首を締める阿呆は相手するだけ無駄でおじゃる」
2016-04-24 22:04:05
日を追うごとに消耗していく集落の長を見遣りながら、『マロ』は嘆息する。 とはいえ。集落に無関心だったことが、今回は完全に裏目に出た形だ。人間同士の関係はギブアンドテイクだけで割り切れるものではない。 そんな単純なことすら抜け落ちるほど鈍るようでは、スローライフも潮時やもしれない。
2016-04-24 22:08:04
スローライフを維持するために最低限のアンテナは必要だったかもなぁ。とはいえ、あんまり交流しても不満が増すだけだったかもしれないけど……難しいところだ #徳パンク
2016-04-24 22:11:49
そんなことを考えつつも、『マロ』の脳内は事件の首謀者をどうやって探し出し、どんな目に遭わせようか、という思考で満たされていた。己が直接手を下すことなく、不和の種を蒔いた異物。だがそれでも、遥か昔の……徳エネルギー普及以前の鵺共と比べれば、可愛らしいものだ。
2016-04-24 22:12:06
まぁ元々転生者としてややこしい人生を送ることが多かったであろうマロ氏だからそういう経験には事欠くまい #徳パンク
2016-04-24 22:13:33
不死者の彼にとっては、この事件も結局のところ思わぬ暇潰しに過ぎない。死に至る病を、一時鎮めるための鎮痛剤の一つに過ぎない。彼を慕うあの少女と同じく。 それは、ある種の慢心だった。『今』を生きる者達の必死の足掻きを、永き時の中で摩耗した彼はどうしようもなく軽んじていた。
2016-04-24 22:16:03
ブッシャリオン! 菅原道真公辺りのような貶められた組も、当然『マロ』の長い歴史の中には大勢居るんだろうなぁ… スローライフを邪魔された という意識的免罪符もあるし、楽しいだろうなぁ、うん #徳パンク
2016-04-24 22:19:24
兎も角、数日に渡る尋問の成果は、『マロ』に重大な収穫を齎していた。集落の大人達は、少年とは異なる方法によって籠絡されていた。かねてよりの生活格差に対する不満を突く形で、彼等はパイプライン停止の片棒を担がされていたのだ。 即ちそれは、悪意ある人間の仕業であることの証だ。
2016-04-24 22:20:06
転生タイプの不死者に定命者が対抗するには、転生そのものを根本からできなくするか、あるいは転生できない形で拘束し続けるか…… #徳パンク
2016-04-24 22:20:12
徳カリプス前を知る人間には格差による嫉妬を煽り、徳カリプス後に生まれた少年には正義感を煽り。集落全体が調略にかかっていたか #徳パンク
2016-04-24 22:22:25
その何者かが、集落の外から来たことも判明した。狙いは……『マロ』の持つ旧時代の技術か、それとも徳島に眠る徳エネルギーか。その辺りは、本人を捕まえて追々問い詰めれば良いだろう。 集落の外から来た人間。意外なことに、それは集団ではなくたった一人だった。
2016-04-24 22:24:03
ブッシャリ追いつきオン。犯人は外部の者で、1人・・・何者なんだろう。どの勢力の人間なのか現状じゃ予想もつかん #徳パンク
2016-04-24 22:25:46
「……アタケ」 『マロ』は、その名を口にする。恐らくは偽名だろう。彼は海からやって来た、と皆が口を揃えて言っていた。最初は海産物の取引などを持ち掛け、自分と会ったことは秘密にしろ、と口止めをしたそうだ。 小さな秘密は、小さな後ろめたさを産む。そうして、不和は育まれたのだろう。
2016-04-24 22:28:02
「ここだけのおいしいはなし」を使ってきたか… しかも海の向こう側から。本当にひどいことになってるなら移民・難民として来る筈なのに…なんて勘ぐりをするのは、件やら鵺の発想でございますな #徳パンク
2016-04-24 22:31:33