- leo_msk_tdys
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【1】 その日は朝からなんだか体がダルかった。 ちょっと疲れが溜まっているのかな、生理前だから?、とか軽く考えていたら、昼休みを過ぎたら体が熱く、頭がボーッとして、ふぅっと目の前が揺れた。 その次に目が覚めた時には、会社の医務室のベッドの上。 どうやらカゼをひいたらしい。
2015-08-25 21:29:56【2】 特に急ぎの仕事もないし、しばらくぼんやりと横になっていると、彼方からバタバタと廊下を走る音がして、ものすごい勢いでドアが開いた。 「千夏ちゃんっ!」 「……丸山くん?」 ドアが壊れそうな勢いで、血相を変えて駆け込んできたのは、同僚の丸山くん。
2015-08-25 21:34:43【3】 「……どうしたの?」 「いやっ、あの、オレ、千夏ちゃんが倒れたって聞いてーーーあれ?えっ……と」 「……ただのカゼ、なんだけど…」 彼の勢いに、キョトンとした顔でそう告げると、丸山くんは真っ赤になって、でもすぐにいつもの柔らかい笑顔になって言った。
2015-08-25 21:44:33【4】 「なんやぁ~。オレ、びっくりしてもうて。 よかったぁ。めっちゃ心配した~」 その言葉を聞いて、今度は私が赤くなる。 「あれ、熱上がってきた?」 そう言って丸山くんが私のおでこに触れるもんだから、ますますドキドキしてしまう。
2015-08-25 21:46:21【5】 「ーーーオレにうつしたら、ええんちゃう?」 至近距離で声が聞こえると、優しく唇が触れたーーー。 pic.twitter.com/QHTwZQPn8I
2015-08-25 21:51:38【初恋】 「マルは?」 「マル、どこ行ってん」 朝のみんなのつぶやき。私も気になってたから、マルちゃんに電話をかけた。 #エイトで妄想
2015-09-08 19:44:14【2】 ーーートゥルルル…… 「はいはーい」 「マルちゃん?」 「うん」 「どこ?」 「屋上やで」 そう言われて空を見上げると、隣の校舎の上から、腕が伸びている。 「行く」 マルちゃんに会いたくて、即座にそう発してしまった。
2015-09-08 19:45:38【3】 屋上に上り、マルちゃんを探す。すると、貯水タンクの裏に、その姿を見つけた。 「おはよ」 「おはよ」 髪が少し濡れて、ウェーブがいつもより少しだけ強い。それにドキドキしながら近づくと、マルちゃんの手の中に、小鳥がいた。
2015-09-08 19:47:52【4】 「こないだな、見つけてん」 それ以来、毎日そのコの世話をしていたらしい。 「……カワイイっ!」 小鳥の愛らしさに、思わず声が出る。 それと、小鳥を見るマルちゃんの優しい顔と声が、自分の母性を増幅させる。
2015-09-08 19:50:59【5】 「ホンマ、カワイイな」 不意にマルちゃんの顔が近づき、優しく唇が重なった。 Fin. という夢を見た(笑) pic.twitter.com/9cB1wmgxwc
2015-09-08 20:00:33【trick or treat】 「隆ちゃん、トリック・オア・トリート!」 「えー、どうしよかなー。お菓子はめっっちゃ甘いんやろ、きっと。でもイタズラもされたいなあ」 「や、やっぱりいいです!」 「あかーん、逃がさへんで」 pic.twitter.com/hjHLZgnlWG
2015-10-31 12:18:57【残り香】 「会いたかったぁ…」 抱きしめると仄かに香る煙草の匂い。 「…あいつに抱かれてきたん?」 「…そんなこと、聞かないで」 全てを呑み込むように、その甘い唇を貪る。 今夜も、苦しみながら君を抱く。 #エイトで妄想 pic.twitter.com/4bid1ozeX1
2015-11-20 00:51:07【素顔】 「っ、隆平…?」 私を壁際に追い詰め、妖しい笑みを浮かべる。 何?どうして?…こんな隆平、知らない。 「お望みなら、もっといろんな俺をみせたるで?」 私の答えは、熱い舌に呑み込まれた。 #エイトで妄想 pic.twitter.com/0O6IpGdtH5
2015-11-24 01:31:08【バースデイプレゼント】 「誕生日おめでとう」 「え、お祝いしてくれるの?ありがとう!」 「うん、いや、あの、誕生日やのに悪いんやけど」 「ん?」 「ひとつ歳を重ねたキミのハジメテ、オレにくれませんか?」 pic.twitter.com/WFzqxrEzaE
2015-12-08 00:58:15【White Christmas・1】 「…終わっちゃったなあ」 仕事の繁忙期ゆえ、昨日も今日も残業。クリスマスなんて実感する間もなく過ぎてしまった、午前2時。 ベランダで月を見ながら、少し離れた空の下にいる彼を想いため息をつくと、突然手元のスマホが着信を知らせた。
2015-12-27 00:16:13【2】 ドキッとして、画面を確認する。そこに表示されていたのは、“丸山隆平”の文字。 隆平⁈どうして? 今日はお互い仕事だから、会えないと話していた。 愛しい彼氏の名前を前に、思わず少し緊張する。 おそるおそる通話ボタンをタップした。
2015-12-27 00:17:02【3】 「もしもーし。起きとったぁ?」 受話器から聞こえてきたのは、明るく弾む、でも包み込むような優しい声。 「……起きてたよ」 思いがけないことに、ありえないくらいドキドキする。 「ほんまに?よかったぁ。さっきまで、仕事やってんけどー」
2015-12-27 00:18:33【4】 なんだか少しふわふわしてる隆平。もしかして、ちょっと酔ってる? 「うん。遅くまでおつかれさま」 「んふふ。ありがとぉ」 やだ、どうしよう。隆平、カワイすぎる。 愛しさが溢れ出しちゃいそうなのを気づかれないように、私は努めて普通に話しを続けた。
2015-12-27 00:19:22【5】 「まだ外?」 「うん、外ー。て言うても、もう帰ってるとこやけど」 「どうかしたの?」 「んー」 曖昧な返事が返ってくる。 「今日、月キレイやんな」 「え?…うん」
2015-12-27 00:20:56【6】 「ユキも、おんなじ月見てるんかなって思ったら、声聞きたくなった」 月明りしかない夜空の下、その言葉が私の中にもう一つあたたかい光を灯す。 隆平の声にたまらなくなって、鼻がツンとした。
2015-12-27 00:21:38【7】 「会えへんくても、俺とユキはおんなじ空の下で、繋がってるんやなって」 やだ、隆平。そんなズルいこと言わないでよ。 カッコよすぎて、たまらなくて、会いたくて仕方なくなっちゃうじゃない。
2015-12-27 00:22:32【8】 「でも俺、やっぱりそんなカッコいいこと、よう言われへんわ」 「…え?」 「ユキ、下見て」 言われるままにベランダから下を見下ろすと、こちらを見上げ、優しく笑う隆平が立っていた。
2015-12-27 00:23:28【9】 「あは、来てもうた」 …何してくれてるの。 もう、カッコよすぎるよ。 こんなことされて、泣かない術なんて知らないよ。 明日目が腫れて見られない顔になったらどうしてくれるの。 …どこまで好きにさせたら気が済むの。
2015-12-27 00:24:13【10】 「遅くなったけど、メリークリスマス」 サンタさんが、電話越しに愛しい人のキスをくれた。 【White Christmas・終】 #エイトで妄想 pic.twitter.com/pNUl6fvgPw
2015-12-27 00:27:53