【3周年目記念企画】エルメロイは霊子柩の夢を見るか？

柩のランサー @Diar_mad

（夕飯の用意が出来た食卓も、一人で腰かけて待っていても他に人の気配を感じることはなく、温かな皿もまた一つ冷え切ってしまい）（時計の針を見やれば、飽きたのかまた一つとラップをかけて冷蔵庫にしまえば、食べられなかった料理で中が一杯になっているのも構わず押し込んで）

柩のランサー @Diar_mad

（やることを全て終わらせて、まだ早い時間にも関わらず、屋敷の明かりをまたぽつぽつと消灯し）（全て落とし終えると、宵の落ちた廊下を足音一つ落としながら、寝室へと向かい）（パタリと、扉を閉める音が一つ立てば、もうその後は物音一つ立たなくなった）

逃亡のケイネス @No_neth

@Diar_mad （浅い眠りから醒める様にハッと瞼を上げると世界は横たわっていた）（知らぬ内に遊園地内のベンチに寝そべっていたようだ。何故私は此処に…観覧車に乗っていた筈では）……くそ、出られなかったか……（夢の中で目覚めるとは、現実世界へ帰れなかった事実に肩を落とす）

柩のランサー @Diar_mad

@No_neth 目が覚めましたか？（右手に青い風船を持ちながら、ベンチに座って顔を覗きこむように声をかけて）大丈夫ですか？乗り物酔いを、してしまいましたかね、あまり長い間乗っているというのも、良くないのかもしれませんね（気遣う様に、さらりと主君の小さくなった額を撫でて）

逃亡のケイネス @No_neth

@Diar_mad （上から落ちてきた声にぐらりと目眩がし）う……（額に触れる手を其の儘に口を開く）…もうあまり乗り物は乗りたくないのだが……（身体を起こし同じ位の位置にある少年の顔から視線を逸らして）

柩のランサー @Diar_mad

@No_neth そうですか？なら近くに風船を貰えるコーナーがあるんです。そこに行きませんか、ケイネス殿が寝ている間に貰ってきたんですよ？（ぽんぽんと青い風船の糸を引いて、にこりと笑いかけると、起きれますかと手を差し伸べて）

逃亡のケイネス @No_neth

@Diar_mad そうか……（見た所、ただの風船の様だ。多分手に持って動いても大丈夫だろう。また此奴の誘いを突き放しては何されるか分からん）……ッ、（まだ立ち眩みが完治しておらず伸ばした手を掴み損ね）…う……悪いが、私の分を貰ってきてはくれないか？

柩のランサー @Diar_mad

@No_neth でもケイネス殿、小さくなってしまったではないですか。体の調子も悪いみたいだし、子どもは一人にしておくと、何をしでかすか分からないじゃないですか？ケイネス殿もそう思うでしょう？（じっと見つめながら言うと、ぴょんとベンチから飛び降りて）でも貴方のお願いなら喜んで！

逃亡のケイネス @No_neth

@Diar_mad 誰が子供だ…（吐き捨てる様に呟くと）何をしでかすかはこっちの…っていない…！（話している途中で相手はベンチから飛び降り駆けて行ってしまい）はあ、現実ではどの位の時間が経過しているのだろう…流石に朝になれば柩も起きて此の夢も終わるはず…（子供の姿は霧に紛れた儘）

柩のランサー @Diar_mad

@No_neth ケーイネス殿！（ベンチの後ろからひょいと顔を出し、背もたれに腹を乗せるように上体を倒すと、ずいと沢山の青い風船の束を押し付けて）持ってきましたよ、俺の好きな色でいいんですよね？これが俺の好きな色です！（背もたれをぴょいと飛び越し隣に座ると、満面の笑みで言い放ち）

逃亡のケイネス @No_neth

@Diar_mad うわわっ（前方に消えた相手が突然背後から現れた上、持っていた大量の青い風船を押し付けられ慌てて声を上げ）……………そうかね、確かに良い色だな。でも風船は一つで十分だ（束の中から一本だけ糸を抜き取り）こんな量の風船を私が持ったら飛んで行ってしまうかも知れないぞ。

柩のランサー @Diar_mad

@No_neth ははは！そうですね、今のケイネス殿だったら、軽くて空まで飛んでいってしまうかもしれませんね（残った分の風船を、そのまま名残惜しさを感じさせずにぱっと放して、ふわふわと飛んでいくと霧の濃い空の向こうへと吸い込ませてしまい）ねえケイネス殿、次はどこに行きましょうか？

逃亡のケイネス @No_neth

@Diar_mad ……（帰りたいんだが）……そうだな（濃霧に包まれた辺りを見回して偶然見えた『Boat』の看板が目に入り）では、ボートにでも乗ろうか（夢の中とはいえ水辺の近くならば何か魔術が作用するかも知れん）（隣に座る子供の手を取り立ち上がって歩を進め）

柩のランサー @Diar_mad

@No_neth 分かりました、次はボートですね！（風船を持っていない方の手でこちらも握り返すと、そのまま水辺に向かって駆け出していき）オールを漕ぐのはお任せください！ケイネス殿は、ゆっくりしていてくださいね（一足先にボートに飛び乗れば、手を差し出して乗るのを促し）

逃亡のケイネス @No_neth

@Diar_mad は、走るな！（ぽてぽてと大きな革靴を足に引っ掛けながら走り）…はあ…楽しいのは分かったが、急に走るのはやめてくれないか（トレーナーが肩からずり落ちた儘、差し出された手を取ってボートに乗り込み）言われずともこんな重労働誰がするか。任せたぞ（そろりと腰を下ろして）

柩のランサー @Diar_mad

@No_neth ケイネス殿そんな、子どもですよ？子どもは元気が、取り柄ですよ。あと少しは身体を動かさないと。あ、でも、さっきまで横になってましたもんね。ごめんなさい（苦笑い一つし、主君をボートに乗せるて座るのを確認すれば、自分もオールを持って腰を下し）では出発進行！

逃亡のケイネス @No_neth

@Diar_mad （湖の中に進み出すと益々霧は濃くなっていき、景色は数メートル先までしか視認が出来なかった）……ディルムッド、どうしてここは霧に包まれているのだ？これでは景色が何も見えないではないか（ふん、と鼻を鳴らし水面に視線を移して）

柩のランサー @Diar_mad

@No_neth そういう所なんですよ、ここは。観覧車でも見たでしょう？でも湖はとても綺麗ですよ。他よりもずーっとね（子どもの身なりでは随分と容易に漕がれるオールは、ちゃぷりと静かに水音を立てて水面を掻き、ボートはゆったりと揺蕩い、霧の中を進み）しっとりとしてて、良い所でしょう？

逃亡のケイネス @No_neth

@Diar_mad ……今は水面以外見えないのだが、それでも良い所と言えるのか？（ボートから手を伸ばし水面に触れるとさぁっと水の色が鮮明に変わり、底にベッドへと横たわる大人の姿の自分が映し出され）…なっ！（まさか現実世界を投影して）（無意識にボートから身を乗り出し飛び込もうと）

柩のランサー @Diar_mad

@No_neth 良い所ですよ、二人しかいないって思えますから……おっと（ボートから落ちんばかりに水面を覗きこむ主君に、オールを漕ぐ手を止めて窘めるように後ろから引っ張り）いけませんよケイネス殿、そんなことをしたら、落ちてしまいます。危ないではないですか。

逃亡のケイネス @No_neth

@Diar_mad （諦めきれずに二、三度水面を片手で叩くも、足掻くのを諦め）……今そこに…こことは違う景色が映った…アレもお前が見せる幻か、…ッ！（身をボート上に引き戻すと船体が激しく揺れ、思わず目の前の身体にしがみ付き）

柩のランサー @Diar_mad

@No_neth ちょっと待ってください、落ちます！落ちますケイネス殿！落ち着いて、どうしたんですか！？（ガタガタと揺れるボートの上で、子ども二人が取っ組み合い、なんとか白い腕を押さえつけて）もう、危ないなぁ。仕方ありませんね、ボートを戻します。ちゃんと座っててくださいね。

逃亡のケイネス @No_neth

@Diar_mad （いまだにゆらゆらと揺れるボートの上、跳ねる胸に手を当て息を整え）…はあ、はあ……え、（相手に掴まれた腕が先程より細くなっているのに気が付き、静止を振りほどいて水面に顔を映すとディルムッドと同じ位の年齢だった姿から更に幼く、それこそ幼児の姿になっており）

柩のランサー @Diar_mad

@No_neth こんな小さい子、水の上になんて連れてくる俺が、間違っていたんですね。怖かったでしょう？遊園地に戻りますから、もう安心してくださいね（自分より二回り程小さい幼子に頭を慰めるように撫でて、霧を掻き分けて、ボートをまた遊園地までゆったりと近づけていき）

逃亡のケイネス @No_neth

@Diar_mad …はあ、はぁ（こいつは本当にむまの類かも知れん。しかし、先程の水面にうつったのは辛うじて見えた現実世界の可能性はすてきれない）（体感では何じ間経過したのか分からない、無意しき下とはいえ従者の見せる夢がこれとは悪質すぎるな）……うう、（考えが纏まらず頭を抱え）