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なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

if0 もしもあの日の雨が 止んでいたなら すれ違っていただけかも いつも通りの時間に バスが来てたなら 君と出逢うことがなかったんだね ーーーーーーーーーーー

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if1 冬の寒い朝 人もまばらないつもの時間いつものバス停で待っているけど大雨のせいか乗るはずのバスが来ない もうすぐ次のバスが来る時間……… 「あーもう！やんなる！なんなのこのどしゃ降りの雨は！ビショビショになっちゃったじゃん！寒いし！！早く来てよ！！もう！」

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if2 このまま待ってても何分にバス来るか分からないし家に帰って車で連れてってもらおうかな…なんてイライラしながらバス停で待っていると後ろからパシャパシャと足音が聞こえ隣に立つ 『すごい雨やね…』 物静かな声がして傘を上げ見上げると綺麗な顔立ちの男の人…同じ年くらいかな？

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if3 「あ…そうですね」 『…見かけない顔だけどいつもこの時間なん？』 ジッと私の目を見て静かに話しかけてくる 「あ、いつもは一本早いバスなんですけど遅れててまだ来ないんです」 『ふーんそうなんや…』 ふっと視線を前に戻し遠くを見つめた 『早よ来るとええな…』

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if4 それからしばらくしてバスが来てなんとなく通路を挟み隣に座った ふっと隣をみると…綺麗な顔だなぁと見入ってしまう 『…何？笑』 「あ、や！どこの高校なのかなと思って！」 『…大学』 「え？」 『もうすぐ着く…そこの大学生』 「！ごめんなさい！同い年くらいかと…」

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if5 『ふはっ…ええで別に笑』 笑った顔が可愛くてもっとしゃべっていたかったけど… プシュー 『…着いたわ…じゃあ……』 「あ、はい……じゃあ」 あーあ…行っちゃった。物静かな独特の雰囲気がある人だったな…また会えるかな… ふっと彼がいた座席に目をやると足下に何か

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if6 …？拾って見るとさっきの彼の学生証だった 「しぶやすばる…っていうんだ！20歳…３つ違いか」 学生証の写真も綺麗な顔で写っていて見入ってしまう 「あ！ダメじゃん！学生証ってなかったら困るんじゃ…どうしよう…今日は部活あるから夜遅くなるし…あ！明日また会えるかな……」

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if7 翌朝いつも乗るバスより一本遅いのにして彼が来るのを待つ 昨日の雨が雪になりチラチラ降っている 「さむっ、来るかなぁ…」 『またバス遅れてんの？』 聞き覚えのある静かな声にバッと振り向く 「あ！よかったぁ～」 『…え？何？？笑』 「あなたを待ってたんです！」

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if8 「これ！昨日バスの中に落ちてました！」 『ああ、ありがとう…無くした思って困ってたんよ』 またふわっと笑った… もっとしゃべりたい 「あの！しぶやさんって言うんですね！」 『……え？』 「あ、学生証の中見た時お名前が…」 『……ちゃう』 「え？」

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if9 『渋谷て書いてしぶたにって読むねん』 「あ！ごめんなさい！！あたし昨日から失礼なことばっかり言って……」 勢いよく深々と頭を下げると…ポンポンっと私の頭を優しく触り 『ふはっ…大体しぶやって読まれるから…ええで別に笑』 またふわっと笑い一瞬で恋に落ちてしまった

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if10 バスが来た。珍しく混んでいた為隣に座る事に 「…//あの！しぶたにさんはいつもこのバスに？」 『いや、朝一講義がある時だけやねん。いつもバラバラ』 「そうなんですね…あ！じゃあ今日たまたま朝講義あって会えて良かったですね！学生証！！」 『ふっ…そうやね笑』

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if11 もうすぐ彼の降りる停留所。次いつ会えるかなんて分からない 「あの！また！会えますか？？」 『…え？』 「あの！もっとお話ししたいです！」 『……ほんま元気でまっすぐやな…」 「え？！なんですか？」 ボソッと言われて聞き取れなかった 『いや…携帯出して？』

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if12 …？言われるまま携帯を渡すと何やら操作して 『これ俺の番号…会いたい時かけてきて』 「え？！//いいんですか？！ありがとうございます！しぶたにさん！」 『…敬語いらんし名前もすばるでええで』 「えっ！！！///」 バスが停まる 『ふはっ…じゃあまたな』

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if13 またポンポンと頭を触り立ち上がる 「///…あ、私！カナって言います！あ、言うの！」 『…じゃあなカナ笑』 その日は嬉しくて早く電話かけたくて授業どころじゃなかった。 放課後になり早速電話する プルルルルル…… 『…はい』 「あ、すばるくん？私！カナ！！」

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if14 『さっそくやな笑』 「え//ごめん//…もっと！いっぱい話したくて！次いつ会えるかなぁって！」 『…講義もうないし今日でもええで？』 「ほんと？！やったー！！」 『ほなそっち迎えに行くわ笑』 「え？私の高校…」 『着てる制服でどこかくらい分かるわ』

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if15 すばるの降りる停留所から１つ先に私の高校。それから暇さえあれば会ってくれてすばるが朝一講義ある時は同じバスに乗り退屈だった毎日が少しずつ輝きだした。 ずっとこうして隣にいたいと思った もしも少しでも あの瞬間がずれてたなら 二人は違う運命を 辿ってしまっていた

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if16 そう思うとこの偶然を大事にしたくて、出逢って3ヶ月……何の進展もないこの関係を変える決心をした。 プルルルル… 「あ、すばる？今日暇？家行っていい？」 『ええでー？ほなバス停まで迎えに行くわ』 いつもの朝のバス停。私の家からすばるの家は反対方向の為ここで待ち合わせ

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if17 バス停に着きすばるを待つ。 「はぁ…今日も寒いなぁ」 『カナ！悪い！待たせた？』 「すばる！ううん、今着いたとこ！」 『ほな行こかー♪』 最初物静かと思っていたが単なる人見知りだっただけのすばるは今では私と同じくらいうるさいしよくしゃべるようになった

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if18 「すばるー？コーヒーでいいー？」 すばるの家に来ると飲み物を用意するのが私の役割。リビングでゴソゴソしているすばるにキッチンから話しかける 『おーええでー！あっつあつでな！』 「はーい♪」 何回か来ている家。でも何も起こらない。眼中にないのか…魅力ないのかな私…

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if19 ローテーブルへ珈琲を置くと 『今日これ観ーひん？』 出してきたのは怖いと有名なホラー映画のDVD 「！！やだよ！怖いじゃん！無理！てかすばるも怖いの嫌いじゃん！」 『やから２人で観んねん！１人は無理や！でも観たいねん』 「なにそれー自己中！私観たくない！」

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if20 たまに一緒に観るのはお笑いとかコメディ映画なのに何故いきなりホラーなの！？って訴えも虚しく観るハメに… 「『ぎゃーｯｯ！』」 「『わぁ！！』」 叫ぶタイミングも目を覆うタイミングも一緒 口癖や仕草も よく似てきた二人 まるでずっと昔から 知ってるみたいだね

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if21 同時にメールしたり 同じこと思ったり　 赤い糸で引き寄せられているのかも そんな都合のいい事思っている間に映画は終わってしまっていた 『あーお腹いっぱいや！ごっそさん』 「おそまつさまでした♪」 『カナほんま料理うまいな！意外やわ』 「ふふん♪凄いでしょ♪♪」

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if22 もともと料理は好きでよく作ってたけどたまにすばるの家で作るようになってもっと上手くなりたくて頑張った 「…なのになんでかなぁ」 『え？何かゆうた？』 …この曖昧な関係を終わらすには今聞くしかない 「……ねぇすばる？私って………何？」 『……………え？』

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if23 食器を片付けていた手を止めソファーに座るすばるの隣へ行き真っ直ぐ目を見る 「…あのね！偶然出会ってさ？こうやって会うようになって…すごく楽しくて…」　 黙って聞いてるすばる 「えと…だから、えと…すばるはどうか分かんないけど私は最初会った時から……」

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if24 ふわっとすばるの唇が私の唇に触れた 「………え？」 『………ちゃうねん』 震えていた私の手をぎゅっと握ってきて 『…偶然……ちゃうねん』 「え？」 『あの雨の日…バス停に立ってるカナ見つけて…チャンスや思うて声かけてん』 「え？…どうゆうこと？？」