独り言【シリーズ】

かおり @orange_shake_

【独り言＊きみくん編1】 「はぁぁ……好き。」 ソファに座ってコーヒーを飲みながら。 ソファの下で読書する彼の背中を見つめていると不意に漏れてしまった馬鹿な独り言。 幸い、読書に夢中なきみくんには聞こえてなかったようだ。 「よいしょっと」 もう一杯コーヒー飲もうかな。

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【独り言＊きみくん編2】 カップを持って立ち上がると、 『俺も』 本を見つめたまま言う。 「はいはい。」 彼の隣にある空いたカップを取ろうとすると、その手を掴まれた。 もう片手は相変わらず本、目線も本。 『ちゃう』 「何が」 『俺も、ってコーヒーのことちゃう』

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【独り言＊きみくん編3】 「え、じゃあ何」 眼鏡越しの目が一瞬合ったかと思ったらすぐに逸らされた。 『俺も…すきや』 「…聞こえてたんだ」 2人して真っ赤。 『なぁ、隣来てや』 【きみくん編＊おしまい】

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【独り言＊章ちゃん編1】 「はぁぁ……好き。」 ソファに座ってコーヒーを飲みながら。 ギターを弾く彼の背中を見つめていると不意に漏れてしまった馬鹿な独り言。 幸い、ギターに夢中な章ちゃんには聞こえてなかったようだ。 「…あ、」 嘘。やっぱり聞こえてたみたい。

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【独り言＊章ちゃん編2】 だって、急にギターのメロディーがさっきと違う曲に変わった。 私の大好きな、甘いラブソング。 そこに章ちゃんの優しい歌声が乗っかって、さらに甘い音楽を紡いでいく。 目を閉じてその心地良いメロディーを聴いていると、章ちゃんの声が止んだ。

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【独り言＊章ちゃん編3】 目を開けると、私を振り返って微笑んでいる章ちゃん。 ギターの音はそのままに、言葉も発さずにこっちに来いと目で訴えてくる。 隣に座ると満足そうに笑って、優しいメロディは止めずに…そっとキスされた。 【章ちゃん編＊おしまい】

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【独り言＊忠義編1】 「はぁぁ……好き。」 ソファに座ってコーヒーを飲みながら。 私の膝枕で気持ち良さそうに寝ている彼の顔を見つめていると不意に漏れてしまった馬鹿な独り言。 幸い、すっかり夢の中にいる忠義には聞こえてなかったようだ。

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【独り言＊忠義編2】 本当に幸せそうだなぁ。 え、なんか笑ってるし。どんな夢見てるんだろ。 『んふ…俺も○○好きぃ♡』 「え？」 嘘、起きてたの？ 慌てて顔を覗き込むけど、さっきと変わらない寝顔と途切れることのない寝息。 「え、寝言…」

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【独り言＊忠義編3】 こんなに幸せそうな顔して、私の夢見てくれてるの…？ 寝てても気持ちが伝わってしまう、応えてくれてしまう、そんな彼が愛しくて。 起こさないようにそっと髪を撫でた。 【忠義編＊おしまい】

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【独り言＊隆平編1】 「はぁぁ……好き。」 ソファに座ってコーヒーを飲みながら。 携帯とカメラで窓から空の写真を撮る彼の背中を見つめていると不意に漏れてしまった馬鹿な独り言。 幸い、カメラに夢中な隆平には聞こえてなかったようだ。

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【独り言＊隆平編2】 ぽかんと口を開けて、真剣な目で何枚もシャッターを切る隆平をそのまま見ていると、 『…へっ、うわぁああ！』 突然彼が叫んだ。 「びっくりした！どうしたの？」 慌てて彼に駆け寄ると、 『いっ、今…なんて言った？』 「へっ…？」

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【独り言＊隆平編3】 『なぁ、今なんて言った？』 「え、あ、えっと…」 『好きって言うたやんなぁ！なぁ！』 肩を掴んで前後に揺らしてくる。 確かに言ったけど！反応遅すぎでしょ！ 『なぁ！もっかい言うて！』 「やだ！絶対言わない！」

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【独り言＊隆平編4】 『なんでやぁ、なぁ、言うてぇやぁ♡俺聞き逃したんめっちゃもったいないやん！』 「聞いてたじゃん！」 『いや、リアルタイムちゃうかったやん、』 「何それ意味わかんない！」 謎の言い争いが続くこと10分。 やっぱり彼には勝てない。

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【独り言＊隆平編5】 しつこい彼に結局負けてしまう私。 「…好き。」 『…あかん。リアルタイムの破壊力、思ってた以上にあかん。』 「え、ちょ、やだ暑い、離して」 『やーだ♡』 そのまま夕方まで離してもらえませんでした。 【隆平編＊おしまい】

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【独り言＊亮ちゃん編1】 「はぁぁ……好き。」 ソファに座ってコーヒーを飲みながら。 デスクでパソコンをいじっている彼の背中を見つめていると不意に漏れてしまった馬鹿な独り言。 幸い、パソコンに夢中な亮ちゃんには聞こえてなかったようだ。 『俺も好きやで』 「えっ」

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【独り言＊亮ちゃん編2】 相変わらず背中を向けてるけど、はっきり聞こえた。 聞こえてたのか！ だったらこっち向けよ！ ていうかどうしよう、恥ずかしい！ 「……」 『…えっ？』 やっとこちらを振り返る。 「何？」 『え、今、好きって言うたやんなあ…』 「言った、けど…」

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【独り言＊亮ちゃん編3】 『あれ？え？俺返事してんけど…もしかして俺のことちゃうかったん？』 うわー俺めっちゃ恥ずいやん！と顔を隠して足をバタバタさせ始める。 可愛い。 「ううん、亮ちゃんのこと言った。」 『……、せやろぉ？』

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【独り言＊亮ちゃん編4】 今さら余裕なセリフ吐いたって、そんな情けない顔じゃなんの説得力もないよ、亮ちゃん。 『あぁ、あかん！なんかエラーメッセージ出てもうた！』 とりあえず落ち着いて？ 【亮ちゃん編＊おしまい】

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【独り言＊信ちゃん編1】 「はぁぁ……好き。」 ソファに座ってコーヒーを飲みながら。 テレビでサッカー観戦する彼の背中を見つめていると不意に漏れてしまった馬鹿な独り言。 幸い、サッカーに夢中な信ちゃんには聞こえてなかったようだ。 『んん？何か言うたかぁ？』

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【独り言＊信ちゃん編2】 「ううん、何でもない」 『ほーかぁ、あっ！よっしゃ今や！いけいけいけぇ！』 何よ、私が何言ったかなんて興味ないんじゃん。 なんだか腹が立ったので、ムキになってしまう。 「あー、信ちゃんかっこいいなぁ、好きだなぁ。」 今度はさっきより大きな声で。

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【独り言＊信ちゃん編3】 『ちょー、なんでそこいくねん！ほれ、次そっちパスや！』 「もう、信ちゃん好き好き好き！大好き！サッカーばっかりじゃなくてこっち見てよ！」 どんなに私が叫ぼうが彼はサッカーしか見てないし、彼の声の方が大きくて全く耳に入ってない。

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【独り言＊信ちゃん編4】 その状況がおかしくて、私もどんどんヒートアップしてしまう。 『よっしゃ！シュートいけ！いけら！よっしゃぁあああ！入ったぁ‼︎』 「信ちゃーん！サッカーと私どっちが大事なのー！」 『アホぉ！』 プツッとテレビが切れた。

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【独り言＊信ちゃん編5】 急に訪れた静寂にびっくりしていると、信ちゃんがどかどかとソファにやってきて、私をぎゅっと抱きしめた。 『お前が一番に決まってるやんけ』 「え、聞こえてたの…」 『なん、聞こえてへん思うてたんかい(笑)』

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【独り言＊信ちゃん編6】 恥ずかしくなって下を向いた私の顎をつかんで目線を合わせると… 『最初の独り言から全部聞こえとったっちゅーねん、アホ(笑)』 至近距離で見た彼の笑顔は、とても嬉しそうだった。 【信ちゃん編＊おしまい】

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【独り言＊すばる編1】 「はぁぁ……好き。」 ソファに座ってコーヒーを飲みながら。 こたつで筑前煮をつつく彼の顔を見つめていると不意に漏れてしまった馬鹿な独り言。 幸い、筑前煮に夢中なすばるには聞こえてなかったようだ。 『うまぁああ♡』 「…それは良かった」