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【デリバリー・ザ・アフロ】

スーサイド=サンとフィルギア=サンのスシ・デリバリーのお話です。目的の家には辿り着けるのか。そしてイタマエ風ユニフォームはちゃんと着れるのか。いつもよりアフロを盛っています。
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赤い方の蟹 @kaori6113

その数分後。「お待たせ……お土産もらっちゃった」フィルギアは部屋から出てきて、UNIXメモリの束を見せた。スーサイドは上着の紐を解きにかかる。結び目が固結びになった途端、上着は燃え尽きた。フィルギアが笑う。「便利だ」「うるせぇ。帰るぞ」スーサイドはバイクに跨った。

2016-05-20 12:37:36
赤い方の蟹 @kaori6113

宅配バイクは高速に乗り、エンガワ・ストリートへ向かう。「イタマエのカッコ、案外似合ってたよ」「いつもこんなことばっかしてんのか」

2016-05-20 12:37:51
赤い方の蟹 @kaori6113

「UNIXメモリの情報をどうすんだ」「質問責めだねぇ」フィルギアは荷物を降ろした後部座席でダラリとくつろいでいる。スーサイドは速度を上げた。「オット!……危ないじゃない」

2016-05-20 12:38:05
赤い方の蟹 @kaori6113

「いろいろあるんだよ、いろいろ」フィルギアはポツリと言った。「まもなくちょっとしたケンカをしなきゃならない……面倒だけど準備しとかなきゃね……そういうのは俺の仕事」

2016-05-20 12:38:35
赤い方の蟹 @kaori6113

「また手伝ってくれてもいいよ」「ごめんだな。人使いが荒すぎる」バイクは夜明け前のハイウェイを疾走する。「その帽子、気に入った?」「うっせぇ!」スーサイドはイタマエ帽子を乱暴に掴み、勢いよく投げた。

2016-05-20 12:38:50
赤い方の蟹 @kaori6113

イタマエ帽子は風に乗り、高速からヒラヒラと舞い降りていく。その白い姿は新たな何かの訪れを告げる鳥めいて、灰色のネオサイタマの街に溶けていった。

2016-05-20 12:39:05
赤い方の蟹 @kaori6113

【デリバリー・ザ・アフロ】終わり

2016-05-20 12:39:17