幼馴染✕torn

じゃむ@妄想 @Pretty_Eighter8

1 『亮ちゃん忠君、待って！』 三人で公園を駆け回った思い出 「はよ！」 〈千鶴遅い！〉 『二人とも早すぎるよー！』 本当に仲良し、だった ―――― 『行ってきまーす！亮ちゃんお待たせ！』 「ん。行こか」 『あれ、忠君は？』 「寝坊」 #エイトで妄想

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2 最近忠君とは一緒に登校出来てない 理由は寝坊らしいけど… 「千鶴。」 本当は知ってるんだ 朝帰りばっかりしてる事 「おい聞いてんのか」 『いたっ、叩かないでよ亮ちゃん』 「ボーッとし過ぎ」 『うん、ごめん』 #エイトで妄想

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3 じゃあまた放課後。 そう言い残して亮ちゃんは 自分のクラスへ戻っていった 『はぁ~』 《溜息なんて…どうしたの？》 親友の亜夢が目の前に座る 『最近忠君と会ってないんだよね…』 《え、何、大倉君の事好きなの？》 『そうじゃないけど…』 #エイトで妄想

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4 亜夢に話すと 《なるほどねぇ~ 　でも贅沢な悩みだよ、それ》 『へ？』 《イケメン２人が幼馴染なんて贅沢。 　……あんた鈍感だからわかんないか》 亜夢が何か考えながら呟く 『何が？』 《二人の気持ち》 二人の、気持ち？ #エイトで妄想

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5 《やっぱり……いいなぁ、千鶴。》 亜夢の言った事がよくわからないまま 下校時間になって亮ちゃんと合流する 『ってね！亜夢が言うの。』 帰り道を２人で歩きながら 亜夢に言われた事を亮ちゃんに話す 「へー。」 でも亮ちゃんはどこか上の空 #エイトで妄想

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6 二人してボーッとしたまま 家の前まで着くと 「あ…」 『ん？』 亮ちゃんが見据えるその先に 『忠君…』 と、知らない女の人 派手なメイクに肌が露出した服 〈また誘ってな、おねぇーさん♡〉 聞いた事無いような忠君の甘い声 #エイトで妄想

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8 〈なに？喧嘩売ってんの？〉 「ほんまの事ゆーただけやろ？」 お互い睨み合って一歩も引かない… 『亮ちゃん、忠君やめて！』 思わず叫んでしまった 二人ともびっくりした顔で私を見つめる 『何で急に喧嘩するの？昔はあんなに…』 #エイトで妄想

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9 〈もう昔とはちゃうねん〉 「俺らはもう大人やで 　いつまでも仲良しな訳ちゃう」 二人が口々に言うから こんなにも二人を大切に思ってる自分が なんだか馬鹿みたいで、恥ずかしくて 『じゃあもう勝手に喧嘩してなよ』 二人を残して家に帰った #エイトで妄想

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10 その日から亮ちゃんも 朝、迎えに来なくなった 《最近３人で居ないけど喧嘩した？》 『喧嘩、って言うのかな』 喧嘩は仲直りしたら元通りだけど 今回は元に戻れない気がする 『もう大人。か…』 #エイトで妄想

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11 日は経ってもうすぐ忠君の誕生日 毎年三人でお祝いしてた 『今年は無理かな…』 なんて言いながらプレゼントを用意する 『忠君、喜ぶかな…』 毎夜徹夜して完成させた ――誕生日当日―― 『うん、今すぐ来てくれないかな』 電話で彼等を呼び出す #エイトで妄想

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12 「おい、千鶴」 〈用ってなに〉 ちゃんと2人とも来てくれた 『あ、うん。忠君お誕生日おめでとう』 〈あ、あぁ。ありがとう〉 それを手渡すと 〈なにこれ〉 『開いて』 #エイトで妄想

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13 「うわ…」 〈これ千鶴が？〉 『うん。下手っぴだけど…』 忠君に渡したのは過去の写真を貼り付けて デコレーションしたアルバム 『私達、２歳の時から友達なんだよね』 亮ちゃんも一緒に見ながら １ページづつめくる #エイトで妄想

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14 『幼稚園も小学校も 　中学校も全部一緒だったね』 「よう覚えてるわ…」 〈あ、これ亮ちゃんがお漏らしした時や〉 「はぁ？！してへんし！」 〈してたやん！幼稚園のお泊り会で！〉 よかった、２人とも元通り 〈千鶴、ありがとうな〉 『ううん！』 #エイトで妄想

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15 『ねぇ？私達、もう大人かも知れないけど 　私はまだ３人でずっと仲良くしてたい…』 〈千鶴…〉 「それは、無理や」 『なんで…』 大人になったら友達も終わりなの？ 「お前全然気付いてへんから言うけど」 〈俺等二人とも千鶴が好きやねんで？〉 #エイトで妄想

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16 『へ？』 二人とも、私なんかを？ 「もう言うたし、これからは遠慮せずに 　お前に振り向いてもらう為に色々する」 〈俺も。どんな女と遊んでも 　やっぱり千鶴じゃないとあかんかったし〉 " 覚悟しときや " そう言い残して二人とも帰って行った #エイトで妄想

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17 次の日から学校で 「千鶴、昼飯行くぞ」 〈あ、俺も~！行こ、千鶴！〉 『え？あ、うん』 亮ちゃんと忠君に手を引かれて 屋上に向かう途中、亜美とすれ違う 《いってらっしゃーい！》 そう言って笑ってたけど 一瞬悲しそうに見えたのは気の所為？ #エイトで妄想

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18 〈あ~お腹いっぱい！千鶴、膝枕して~〉 「はぁ？お前調子のんなよ？」 『もう！喧嘩しないの！』 勿論膝枕なんてしないで 午後もちゃんと授業を受けた 《千鶴、急にモテモテじゃん！》 放課後、亮ちゃん達を振り切って 亜美とカフェに行った #エイトで妄想

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19 『嬉しいけど、複雑だよ。』 最終的にどちらか、もしくは二人を 振らないといけないんだから… 《元気出しなよ？ 　ほら、千鶴の好きなケーキ！》 『わー！ありがとう！』 結局亜美のおかげで元気が出たけど 問題は解決しないまま、時間だけが過ぎた #エイトで妄想

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20 それから程無くして 私の変な噂が校内に流れ始めた " 面食いの遊び人 " 最初は気にもしてなかった 《千鶴！帰ろ！》 私には亜美も亮ちゃんも忠君もいる 『うん！』 だけど… 『うわっ！』 下駄箱を開けると大量の赤字の紙 #エイトで妄想

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21 《なにこれ…》 【ビッチ】【男好き】【最低】 そんな様な言葉が書かれていた 《千鶴、こんなの気にしちゃダメよ？》 『…うん』 亮ちゃんと忠君には何も言わなかった だって、あれから結論を出せないまま 本当に二人の気持ちを弄んでる気がして… #エイトで妄想

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22 それから直ぐの事、 「千鶴、ちょっと来い」 亮ちゃんがいつにも増して怖い顔しながら 強い力で私の手を引いて屋上に向かう 『ちょ、亮ちゃん！なんなの？！』 引っ張られた腕が痛くて 亮ちゃんの手を振り払うと 〈お前、何で言わへんかってん〉 #エイトで妄想

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23 屋上には忠君も居た 『な、なに？なんのこと？』 「とぼけんなや！」 聞いた事ないくらいに大声で怒鳴られた 〈亮ちゃん、そんな怒鳴らんとって〉 「…悪い」 〈千鶴、俺らに言うてへん事あるよな？〉 『…ん。』 #エイトで妄想

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24 怒られると思って俯いた私の肩に手を置き 〈俺等そんな頼りない？〉 『そんなこと…！』 思わず顔を上げると悲しそうな顔で 私を見つめる忠君と亮ちゃん 〈嫌な事されてるのは俺らの責任や〉 「俺らが犯人を突き止めなアカン」 #エイトで妄想

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25 二人の気持ちが嬉しくて 『え、いいよ！私は大丈夫！』 でも次は二人が嫌な事されるかも知れない そう思うと素直に言えない私に 「好きな女くらい守らせろ」 そう一言残して亮ちゃんは行ってしまった 〈千鶴。もう無理せんでええからな〉 #エイトで妄想

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26 その日から亮ちゃんと忠君は 二人で色々調べ回ってくれた ――一週間後―― 《千鶴！ちょっと来て！》 慌てた亜美に連れられて 屋上に向かうと 怒った顔の亮ちゃんと忠君と 正座させられた何人かの女の子がいた 「千鶴。犯人捕まえたけどどうする？」 #エイトで妄想