コンクリート・レボルティオ　第20話「終わりなき戦い」　個人的呟きまとめ

💉出世景清💉 @waratteyoritomo

→この辺から、前半でも多少触れていたジョナサンの”恐怖”を巡る、「闇の奥」的な主題がいよいよ鮮明になる。 自分たちjこそ全人類の進化進歩の担い手だと自認していた西洋人が、未開の密林の奥深くに分け入った末にその密林のもたらす闇と退化におびえ、→ #conrevo #コンレボ

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→次第に常軌を逸脱していく物語。ここでいう闇とは密林のもたらす闇でもあり、近代人の心の奥底に眠る野性的で前近代的な昏い衝動でもあろう。 その闇のもたらす恐怖におびえるジョナサンは、遂に狂気にむしばまれた末に一線を超える行動に出る。 #conrevo #コンレボ

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PTSDの再発後、山小屋を脱走したジョナサンは山中にある道祖神の石仏（千手観音）をなにやらうつろな目で見つめていた。東南アジアの仏教遺跡のイメージがここで重なる。 （写真は以前、信州で撮影したもの） #conrevo #コンレボ pic.twitter.com/yIbpBJQtIz

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→千手観音あるいは阿修羅像のような多手の神像はアジアでは割とありふれたものでそこまで変なイメージはないが、欧米では不気味で異形の東洋の邪神的なイメージが昔からあった。（画像はキルヒャーの「支那図説）→ #conrevo #コンレボ pic.twitter.com/UdAR6xBqdj

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→ここからジョナサンが爾朗に語る米国と日本等アジアの文化風土の違いを巡る発言も今回の白眉の一つ。 「水のにおい　草木のにおい　川や森に何かが住んでいるにおい　故郷にこんなにおいはない」 日本人の精神文化では尊重されるべきものである、大自然の中の→ #conrevo #コンレボ

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→人知を超えた存在への畏敬が、逆にジョナサンにとっては耐え難いほどの悪夢になる。無論これは戦場で森の闇に襲われたトラウマによるものだろうが、祖国では「人間のにおいしかしな」かったというジョナサンの言葉からは、物語では語られざる彼の半生が透けて見える。 #conrevo #コンレボ

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恐らくジョナサンは米国戦後のベビーブーマー世代として、大都市郊外に大量に建造された画一的なマイホーム（レビットタウン）で育ち、テレビや冷蔵庫などの家電に囲まれ世界が羨んだ豊かな子供時代を享受したのだ。→ #conrevo #コンレボ pic.twitter.com/URKVf0LEC7

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→そんな合理化・均一化された世界の住人だったジョナサンには大自然のもたらす陰影に耐えられず、恐怖の果てに狂気に目覚める。 ウルヴァリンみたいな米軍兵の襲撃を返り討った後、彼らの武装アタッチメントを強奪。 修羅場を偶然目撃したアベックの稲荷のお守りに→ #conrevo #コンレボ

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→心乱された彼はアベックを惨殺し、奪ったアタッチメントを次々と装着、まるで千手観音（むしろ阿修羅？）を模倣したような鬼神の姿となった。古い神々への恐怖におびえた近代人が、科学の力で神の似姿となり、その恐怖をねじ伏せようとする。→ #conrevo #コンレボ

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→古い神々を否定するはずのジョナサンがまるで神さながらの姿になるのは（先述のカロルコの信条にも似た）矛盾だが、こういう矛盾は、無神論者だったはずのラヴクラフトがオカルトに嵌り、新たな神話を創作した矛盾にも似たものがある。→ #conrevo #コンレボ

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→結局「超人とは人類を未来を導く存在」という命題に対するジョナサンの下した結論とは、未知の闇に心が蝕まれる前に「より強く、よりおぞましく、より絶対的な恐怖」でそれら全てを蹂躙せねばならぬというものだった。この”恐怖”に対する妄執は、→ #conrevo #コンレボ

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→「闇の奥」におけるクルツの断末魔の叫び「恐怖！恐怖！（The horror!The horror!)」及び、報告書に記された最後のメモ「よろしく、彼ら野獣を根絶せよ（xterminate　all　the brutes!」に通じるものがある。　 #conrevo #コンレボ

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「俺たちはキャタピラの響きとナパームの炎で全ての人々を啓蒙する」 世界に死と恐怖という平等な真理をまき散らすと宣言するジョナサンだが、ここで「啓蒙（Enlightenment）」という言葉を使っているあたりが本当に言葉の選択として秀逸。→ #conrevo #コンレボ

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→啓蒙とは光によって世界を照らし、正しい道を人々に指し示し、目を覚まさせるとかそんな意味。 恐らくこれは今回語られてきた”闇”に対置される言葉なのだが、ここでは本来は人間とも共存や棲み分けも可能なはずのささやかな不合理や闇すら一切認めない、→ #conrevo #コンレボ

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→容赦のない暴力性に彩られた言葉に変質している。 密林のゲリラ戦に苦しめられた米軍が、大量の爆弾や草木を枯らす枯葉剤を撒いてベトナムの密林の闇を焼き尽くそうとした史実とも重ねることができるだろう。 #conrevo #コンレボ

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戦いにとり憑かれ、最早現実への帰還が不可能になったジョナサンの狂気は、映画「地獄の黙示録」で当初予定されていたという幻のクライマックス（カーツ大佐が戦いの狂気に身を任せるままにベトコンと”終わりなき戦い”を繰り広げる）を彷彿とさせた。 #conrevo #コンレボ

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もはや爾朗でも救済不可能な存在となったジョナサンを最終的に”救済”したのは、上官のカロルコだった。「連れて帰るのだ、故郷に　せめてもの名誉と共に」 「もう戦う必要はない」 「俺の戦争はまだ終わっていない！」 → #conrevo #コンレボ

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youtu.be/Rc2OvrpzjvM @YouTube →ジョナサンを自ら手にかけ、名誉の戦死者としてジョナサンの戦いに終止符を打つカロルコ大佐だったが、これらやり取りは映画「ランボー」のクライマックスへのオマージュだろう。→ #conrevo #コンレボ

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→映画ではPTSDの発症により州警察とやり合ったランボーをかつての上官トラウトマン大佐が慰め、ベトナム帰還兵の悲しみを訴え泣きじゃくるランボーを大佐は抱きしめるが、原作小説おちょび当初の結末ではランボーは大佐によって殺されることになっていたらしい。 #conrevo #コンレボ