忍殺二次創作【リトル・リトル・リトル・ウォー・アット・ザ・チャーチ】前編
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神父めいた男は苦笑した。「それくらい答えてあげればいいでしょうに。ま、ヨロシイ。わかりました。このゴッドファーザー、責任を持って彼女を預かりましょう」「アリガトゴザイマス、センセイ」ショートセンテンスは立ち上がり、オジギした。ガラティアも慌ててそれに倣う。8 #4215tk
2016-06-09 22:00:07オジギを終えたショートセンテンスは踵を返し、部屋の出口へと向かう。「もう行ってしまわれるのですか?」エーデルヴァイスが驚いたように言った。「まだオチャもお出ししていませんのに」「いい。ガラティア=サンへ」「お菓子もあるのですよ?」「ガラティア=サンへ」9 #4215tk
2016-06-09 22:04:11取りつく島もなく、ショートセンテンスは部屋を出て行った。その背を見送ったが大仰な溜息をつく。神父……ゴッドファーザーが低く笑った。「あまり怒らないであげてください、エーデルヴァイス=サン。彼は、そう、照れ屋なのですよ」「あれでですか?」「ええ」10 #4215tk
2016-06-09 22:08:18-------- 11
朽ちた教会から足を踏み出したショートセンテンスは、大きなクシャミをした。誰かしらの噂か。反射的にそう考え、眉間にしわを寄せる。くだらない迷信だ。切り捨てるべきものだ。彼は教会を振り仰ぎ、次いでその庭を見た。サント・デル・フジサワ命名教会。それがここの名だ。12 #4215tk
2016-06-09 22:12:22ネオショーナンの海を望む小高い山の上にある廃教会。多くの市民にとっては見る価値もない場所。しかしショートセンテンスにとってはある種特別な意味があった。ここは彼が『ショートセンテンス』になった地。あの神父めいたニンジャ、ゴッドファーザーからナヅケを受けた場所。13 #4215tk
2016-06-09 22:16:09かつてのショートセンテンスもまた、そうしたニンジャの一人だった。つまらぬことでニンジャとなったツキジのスシ職人が、なぜこの地を訪れたのか。彼はもはや思い出すことはない。無駄なことことだからだ。ショートセンテンスというニンジャネームは、たしかに彼を再定義した。15 #4215tk
2016-06-09 22:20:04すなわち、無駄を切り捨てる。特別なジツもカラテも持たないのであれば、ただ簡潔さと効率を追求せよ。ただでさえ寡黙であった彼は言葉を切り詰めるようになり、必要最小限のことしか口にせぬようになった。そして手慣れたデバ・ナイフを用いたカラテの追求を徹底した。16 #4215tk
2016-06-09 22:24:27名前を付けなおすんだね! あと名前の隠されているものに新たに名前を付けることで本質を明らかにすることもできる。プロファネイションなんかはその一例だ #4215tk #すみゆ忍
2016-06-09 22:25:24