ラストバレット―Keep under― 発電施設 襲撃阻止
陽が昇る。 古錆びた工場街の一角から大歓声が上がる。汗と油にまみれ、やつれはてた姿の労働者達が、勝利の雄叫びをあげている。 「これでお上も重い腰を上げるに違いねえ!」 「ああ! 俺達だって、やるときはやるんだ!」 そう口々に言い合いながら、みな涙を流して喜びを露わにする。
2016-06-11 16:10:05――エネルギー拠点の一斉占拠。 普段の苦しい待遇に耐えかねた彼らは、最後の手段として暴力という手に打って出た。だが、その結果はあまりにも残酷だった――。 彼ら以外の拠点を占拠しに向かった者達は、一人残らず殺害され、新たな労働者と入れ替えられたのだから――。
2016-06-11 16:11:34「全部あんたのおかげだ。ありがとう」 労働者達のリーダーらしき人物が、喜びの輪の外へと声をかける。そこには僅かに返り血を浴びた、灰と黒のパーカージャケットの少年、ユウトが立っていた。 「……俺は、受けた依頼を果たしただけです」 ユウトは複雑な表情を浮かべ、目を逸らした。
2016-06-11 16:13:43「――これで襲撃が終わりかはわかりません。もし次も来たら――」 「俺達はあんたを一回雇うのに全財産はたいた……次は、もう防げないだろうな……」 喜びもつかの間。突きつけられるその事実に、労働者達の笑みは終わる。だが――。 「いいんだ。この一度が、きっと変わるきっかけになる」
2016-06-11 16:15:09「――この前依頼があったあの施設……結局、あの後の三度目の襲撃で――」 「うん……知ってる」 ガレージ内の小型端末から、各地のニュースに目を通していた青髪の少女がぽつりと呟く。少女はかけていた眼鏡を外し、ユウトに向かって振り返り、尋ねた。 「なにか、変わったのかな――」
2016-06-11 16:18:13ラストバレット―Keep under― 発電施設 襲撃阻止>>>End >>>to be next ――――――――――――――◆
2016-06-11 16:21:22以上になります。今回のエピソードはカクヨムにて閲覧可能です。また、今後のエピソードに関しても随時カクヨムにてまとめていく予定です!kakuyomu.jp/works/11773540… 約1時間にわたりTLをお借りしてしまい、大変失礼いたしました。今後とも、宜しくお願い致します!
2016-06-11 16:23:31