星のカービィシリーズ 超プチライまとめ
「……なに」 じろじろとパラソルを見てくるハルトマンを、カービィは訝しむ。 「その傘の繊維は一体……?」 驚きも当然。爆風をも防ぐ屈強さである。 「せんい?」 「……どこのメーカーのものだ?」 「メーカー?」 「誰が作ったのか、である」 「ぼく」 「我が社に来ないか」
2016-06-21 19:16:57「……グーイってべたべたしてるの?」 「な、なんですかカービィ、藪から棒に」 見慣れない書物を開きながら眉をひそめるカービィに、グーイは当惑する。 「Gooey、って『べたべたする』なんだって」 「どこのコトバですかそれ……」 「えい」 「木の棒が貼りつくかどうかで試さないで」
2016-06-22 17:37:50@topickell 「さわってみればいいじゃないですか」 「べたべたしてたらどうするの」 「大丈夫ですよ、だって――」 「あっ、待って言わないで! ぼくの旺盛な知識欲を踏みにじらないで!」 「……べたべたしてません!!」 「ネタバレはやめてよ、ひどいよ」 「どっちがですか」
2016-06-22 17:42:19「これってさ」 カービィは元気ドリンクを持ち上げると、そのラベルをぐるりと眺めた。 「なにが入ってるのかな」 「……なぜワタシに訊く」 示されたケミトリィは面倒そうに。 「だって詳しそうだから」 「この星の文字は読めない」 「……でも喋ってるね?」 「野暮なツッコミをするな」
2016-06-24 12:38:03「おい……どうなってんのサ」 視線の先では、不穏な音と共に、かの大彗星が動きを止めていた。小さな船で単身突入して行ったお人好しのピンク玉は、もはや悪魔じみて見えた。なんて猪突猛進な馬鹿野郎だ、手間が省けた――などと嘲っていたのも、いまや昔。マルクはもう、笑えなかった。
2016-06-26 17:11:24「ゲロマズだなんて言われると却ってさ」 「カービィ、やめてくださいよ」 嫌な予感がして、グーイは窘める。 「でも、ほら」 見れば、ゲロマズタケは目を輝かせていた。 「期待されてるよ」 「……ほ、本人が望むなら?」 グーイは恐々とOK。カービィは触れる。ゲロマズタケは潰れた。
2016-06-28 13:14:01「お詫びのケーキは嬉しかったけどさ」 「どうした?」 ふと考えこむカービィ。ドロッチェは首を傾げる。 「結局ほんとのハンニンって誰だったのかな」 「盗賊に訊くなよ」 ワドルディだったとの噂も耳にしたが、彼らは星の数ほどいる。 「……こんな時はやっぱデデデかな」 「可哀想だろ」
2016-06-30 21:54:29「カービィ、文句がある」 「ど、どうしたの」 クーはカービィの手の箒を翼で指す。 「なんで鳥類は掃除用具扱いなんだ!」 「お、落ち着いてよ」 「理由を知りたいんだ」 今度はカービィが静止する。 「雑巾にされるよりはいいじゃん! 顔だよ! ナゴってばふざけやがっ」 「落ち着け」
2016-07-01 20:45:31「メガタイタンさん!」 期待に満ちた声の主は、シャドーカービィだった。 「珍しいな。どうした?」 「乗せて欲しいんだ」 「乗せる?」 聞けば表のカービィがロボットを操縦していたのが羨ましかったらしいが、生憎操縦席はない。そう伝えると、 「変形はできる?」 「生首で良ければ」
2016-07-03 00:16:41「『王子』ってなに?」 「王様の子ども、だから王子だよ」 フラッフはにこやかに答えたが、カービィは一転震えだす。 「……じゃ、じゃあフラッフってデデデの子どもなの?」 「えっ」 カービィは尚も戦々恐々。 「そのうちああいうくちびるに……?」 「……怖いこと言わないでよ」
2016-07-03 19:26:19「カローリヂヂヂ」 「またお前ヘンな言葉を」 得意気な顔も無下にデデデ大王はため息をつくが、カービィはへこたれない。 「今日はロシア語さ」 「だから何処だっての」 案の定知らないと返され、デデデ大王は頭をかいた。 「誰に教わってんだよ、そういうの」 「マホロア」 「ガセだな」
2016-07-05 00:22:57「スパーキー。ぼくが目を合わせるのは、こっちでいいんだよね?」 「な、なんのことだい?」 動揺するスパーキーに、カービィはびしりと手を向ける。 「昔はそっちが目だったでしょ!」 頭の電気球を指されて、スパーキーは観念した。 「……若気の至りってやつさ」 「待って納得できない」
2016-07-06 23:11:13「カービィ」 振り返れば、大きなひとつ目と目があう。 「なに? クラッコ」 「本当は、腹が立つからあまり会いたくないんだが」 ムッとするカービィをしてやったりと笑いながら、クラッコは無事キカイ化から復調した旧友を想起する。 「今回ばかりはわたしも、お前に感謝しておくよ」
2016-07-07 19:16:00「カービィ」 「な、なに?」 無表情のまま迫ってくるポピーブロス・シニアを前に、カービィは後ずさる。 「マホロアのテーマパーク行ったらシニア割引適用されたんだけど」 「良かったじゃん」 いよいよシニアは爆発した。 「良かったけど良いわけないだろ!」 「ぼくに怒らないでよ!」
2016-07-08 12:40:07「愛がほしい」 新作メニューを発表すると言ったのに閑古鳥。コックカワサキはため息をついた。 「そろそろ潮時かな」 そこへ、ひとり来客。足音だけ聞くと、どうやらカービィだった。 「実は何も考えてないんだ」 「そんなことだろうと思ってたよ」 見上げた先の彼は、コックの姿だった。
2016-07-13 00:13:16「ねえ、これ知ってる?」 俄にカービィが幻想即興曲を奏でると、ハルトマンは頭に血が上った。 「なーんたる品のないゲンジュウ民めっ!」 ――こんな惚けたピンク玉風情に教養を試されるとは! 「ショパン! ショパン! ショパン! ショッパーン! ショパァーンでぇ、あーるぅぅ!!」
2016-07-18 12:11:29カービィはふと固まった。何時も通りの優雅な振る舞いではあるが、一体、彼はこれで何度シュガーポットに手を伸ばした? 「……あの、メタナイト」 「どうした?」 「そんなに入れたら味わかんなくなっちゃうんじゃ……」 お節介と思いつつ指摘すると、仮面の下の瞳の色は焦燥を帯びた。
2016-07-20 14:58:31「パパンティはいるの?」 「……いないけど」 じっと見つめてきた挙句、何を言うかと思えば。緊張した自分が馬鹿みたいだと、ママンティは噂のピンクの悪魔にため息をついた。 「アニンティやアネンティは?」 「いないよ」 「マゴンティやメインティも!?」 「キミもうさっさと先行けよ」
2016-07-28 18:50:23