ニンジャスレイヤー:ネヴァーダイズ 【2:アイスエイジ・ステイシス】
「グワーッ!?」真後ろから蹴られたウェアジャッカルは前へ倒れこむ。アンバサダーは彼の装束を掴み、背負って投げた。「グワーッ!」ゴールドライオンがウェアジャッカルを受け止める。「コシャクな!」「カラテ、どうだよ?」イグナイトが不敵に笑う。その横を双子が走りぬけ、店外へ飛び出す。
2016-06-17 00:35:04「チィーッ」ゴールドライオンがウェアジャッカルを叩きつける。ウェアジャッカルは受け身前転し、双子を追って店外に走り出るイグナイトを追った。「イヤーッ!」ゴールドライオンは割れていない窓ガラスを叩き割り、彼らを追って出た。カウンターの奥では店員が失禁しながら痙攣していた。
2016-06-17 00:38:28「鬼ごっこもよかろう!」走りながらウェアジャッカルは笑った。網膜にアルゴスからの提供情報が映るが、この状況であれば彼自身のニンジャ嗅覚に頼るのが手っ取り早い。彼の走法はやがてジャッカルめいた4足歩行形態を取る。「ヒヒヒハハハハ!」涎を撒き散らし、彼は凍てつくアスファルトを蹴った。
2016-06-17 00:42:55雪降るAMのネオサイタマで物騒な狩猟が始まった!「イヤーッ!」イグナイトは回転ジャンプを繰り出し、路上駐車されて凍てついたクルマのボンネットに拳を打ち下ろした。殴りつけた場所から車体全体に火が走り、燃料タンクが爆発した。KABOOOM!後方に爆発を残し、三人は駆ける!
2016-06-17 00:47:52「ああもう!寒い中はさァ、疲れンだよ!」走りながらイグナイトは毒づいた。「どっかショートカットで飛べねェの?」「見ての通り、入り口と出口が一緒だ」併走するアンバサダーがディプロマットを示した。「わかってるッつうの!」走りながら、イグナイトは駐車車両を爆発させてゆく。KABOOM!
2016-06-17 00:51:55爆発するクルマがせめてもの足止めとなる事を期待しての行動だが、気休めに過ぎないことは承知のうえだ。「行き先ワカル?」イグナイトは尋ねた。「念の為、第三候補まで集合ポイントを設定してある」とアンバサダー。「合流しよう」「ヤモトちゃんが居りゃ、だいぶ楽になる」イグナイトは呟いた。
2016-06-17 00:57:22一方、そのヤモトが彼らと合流できなかったのは、まさにこのアマクダリ・セクトが理由だ。プーレク宿原に道一つ挟んだ地点で彼女とフィルギアはセクトの尖兵に行く手を阻まれた。ゴールドライオンとウェアジャッカルは数名を率いて店へ向かい、残るハイデッカーと共にチリングブレードが襲いかかった。
2016-06-17 01:02:45「何を企んでおるか知らぬが!」走りながらチリングブレードは頭上で氷の大剣を振り回した。「このアマクダリ秩序下のネオサイタマで貴様ら胡乱者が目的を達成できる事など何ひとつも無し!クレープ一つも無しという事。俺のコリ・ケンも女王の祝福を得ていよいよ極まる切れ味、試し切り待ったなし!」
2016-06-17 01:05:58「イヤーッ!」ヤモトはオリガミを飛ばし、チリングブレードに叩きつける。「イヤーッ!」チリングブレードは難なくそれをはたき落とす。「見える見える!俺のイクサの経験が、お前の苦境を伝えてくるぞ。舐めて味わうが如く詳細に!忌々しいオリガミの残弾は少なかろう。満足に補給出来ておらぬ筈!」
2016-06-17 01:10:28「スッゾオラー!」「イヤーッ!」銃撃をカタナで防ぎながら、ヤモトは走り出す。「あいつ、うるッさい……イヒヒヒ」足元でコヨーテのフィルギア。前方に別れ道。下り坂と上り坂だ。「君は下。俺は上といこうか……不本意だけど、しばしの別れだね。第二ポイントで落ち合うって事で」「わかった!」
2016-06-17 01:15:20「動物を追え!」「「「ヨロコンデー!」」」ハイデッカー集団は走ってきた装甲車に飛び乗り、坂を下る。一方でチリングブレードはヤモトを執拗に追った。「……」彼らの追跡劇をハイウェイからトレースしていたアマクダリニンジャが、タクティカルゴーグルを下ろし、部下を振り返って片手を上げた。
2016-06-17 01:18:27その名はブラックダート。黒い忍者装束に刻み込まれたUNIX紋様が光を放つさまは呪術的だ。フイイイ……フイフイイイ……彼の指示下、黒いエアロバイク達が一斉にアスファルトから数インチ浮上する。「狩る」ブラックダートのフルメンポがUNIX光を放つ。彼と彼に従う乗り手達が一斉に発進した。
2016-06-17 01:22:42「スッゾオラー!」「イヤーッ!」銃撃をカタナで防ぎながら、ヤモトは走り出す。「あいつ、うるッさい……イヒヒヒ」足元でコヨーテのフィルギア。前方に別れ道。下り坂と上り坂だ。「君は下。俺は上といこうか……不本意だけど、しばしの別れだね。第二ポイントで落ち合うって事で」「わかった!」
2016-06-18 22:41:53「動物を追え!」「「「ヨロコンデー!」」」ハイデッカー集団は走ってきた装甲車に飛び乗り、坂を下る。一方でチリングブレードはヤモトを執拗に追った。「……」彼らの追跡劇をハイウェイからトレースしていたアマクダリニンジャが、タクティカルゴーグルを下ろし、部下を振り返って片手を上げた。
2016-06-18 22:42:05その名はブラックダート。黒い忍者装束に刻み込まれたUNIX紋様が光を放つさまは呪術的だ。フイイイ……フイフイイイ……彼の指示下、黒いエアロバイク達が一斉にアスファルトから数インチ浮上する。「狩る」ブラックダートのフルメンポがUNIX光を放つ。彼と彼に従う乗り手達が一斉に発進した。
2016-06-18 22:43:11「反天下分子」「追跡者」「区域」「寿司量」等のHUD漢字がブラックダートの網膜フィルムに浮かんで消える。最適のルートがハイウェイ上に緑の線でARガイド表示される。乗り手達は冷徹な隊列を維持する。彼らのエアロバイク「サヨナキドリ」は旧時代オーバーテックの残滓から構築された試作機だ。
2016-06-18 22:47:27アマクダリのニンジャたちはアルゴスのネットワークによって大なり小なりニューロンをリンクし、迅速な情報共有を行う。ブラックダート隊は特にそれが深い。速度が上がる程に彼らの走行音は呻くユーレイの行列めいて鳴り響き、耳にした者達の身をすくませ、消しがたいトラウマを刻みつけるのであった。
2016-06-18 22:53:14ネオサイタマ全域の監視カメラ映像情報が割り出した二人の正体は、ニチョーム・ヨージンボーのヤモト・コキと、サークル・シマナガシのフィルギアだ。前者はイアイのカラテに長け、ヤクザ・クランにカチコミをかけて壊滅させた事もある。後者は変身能力を持つ。単独行動の痕跡も幾つか残している。
2016-06-18 22:56:47彼らは隔【天下検閲】象で現在アクセス不能となっているニチョームの住人であり、【天下検閲】【天下検閲】の詳細なレポートを得るため、可能であれば身柄の確保が必要となる。彼らが秘密裏に合流せんとした三名もまたニンジャだ。イグナイト、アンバサダーはザイバツのニンジャとして記録されている。
2016-06-18 23:01:18ライブラリを遡及すると、イグナイトとアンバサダーは10月10日以降にネオサイタマへ入り込んだようだ。その後、もう一名……アイサツ情報からライブラリが更新される……ディプロマットの姿がネオサイタマに確認されたのはつい最近の事。アルゴスの推察によれば三名と二名は以前に一度接触済。
2016-06-18 23:07:04おそらくはアンバサダーとフィルギアが直接の会話をかわした。彼らは天下網の監視を避け、非ネット手段でコミュニケートしたのだ。アンバサダーはその後ディプロマットを呼び寄せた。アンバサダーのもちいるジツは【天下検閲】しており、ニチョームの【天下検閲】【天下検閲】能性が高い。
2016-06-18 23:11:26乗り手をふた手に分けるか?ブラックダートは沈思黙考する。彼が率いる乗り手達は全員が論理ニンジャソウルを憑依させたペイガンであり、性能はニンジャのそれだ。クローンヤクザとは比べるべくもない。アンバサダーらに関してはもう少し戦闘データを採取したいところだ。ゲートまであと2キロ。
2016-06-18 23:18:53