すみゆ忍テキスト【悪のニンジャ王国を討て!】#1
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「クッ…」パッショネイトは距離を取り、残った登攀用クナイを連続投擲! グボ!グボ! だが相手に突き刺さりはするものの、すべて無効化されてしまう。「フフフ… 無駄、無駄。無駄だヨ~」 びゅびゅびゅる~~!!ヴェルヴェットワームは肩の2本の管から粘液噴射!アブナイ! #smytxt
2016-06-22 22:17:19不意打ちでなければ粘液は十分に回避できる。だが、それだけ攻撃へ転ずるのが難しくなり、しかも周囲に付着した粘液はトラップと化す。厄介だ。パッショネイトは粘液を避けつつ、意を決して敵の懐へ飛び込みカラテパンチ!ヴェルヴェットワームのカウンター・アシッド・ツキが襲う!#smytxt
2016-06-22 22:21:29じゅっ! じゅっ! パッショネイトは飛び離れて距離をとるが、ウインドブレーカーの肩と、ショートパンツが溶けている。白い腿があらわだ!(^^) 刃物は効かぬ。そして直接打ち合えば酸で溶かされる。なんとも厄介な相手だ。ムシュスーの拘束を解こうにも敵に背を向ければ粘液だ。#smytxt
2016-06-22 22:25:28その時! 「ファイトイッパァーツ!」古来より伝承される精神ブースト・チャントを叫び、バックギャモンが崖下から現れた。 彼は瞬時に状況判断する。粘液につかまったムシュスー。ところどころ服が溶けているパッショネイト。不審なバイオニンジャ。 #smytxt
2016-06-22 22:29:49「ドーモ!バックギャモンです!」正確な45度オジギ! 「ドーモ、ヴェルヴェットワームです じゅるる」 間髪入れず「イヤーッ!」バックギャモンが飛びかかる。粘液噴射をかわし斬撃! ロングニンジャソードが相手の右肩に深くめり込む!「ンアーッ!」 #smytxt
2016-06-22 22:34:06じゅじゅじゅじゅーっ! 幼虫めいた身体から強酸の血が噴き出す。「ム…!ハァッ!」バックギャモンは危険を感じすぐさま飛び離れる。彼のニンジャソードは敵の返り血を吸い無残にもボロボロだ。もう使い物にならん! 彼女の体内に呑み込まれた武器も今頃分解されているだろう。#smytxt
2016-06-22 22:38:48「フフフ…」のそりのそりと間合いを詰めるヴェルヴェットワーム。なす術がない。このまま絡めとられ、消化液を注入されたうえで吸われてしまうのか!? 「終わりだ!イヤーッ!」粘液高速大量噴射!アアーッ! ぶおんっ ゴウランガ!粘液が跳ね返った!突風だ! #smytxt
2016-06-22 22:43:492人の仲間の間をすり抜け、静かな目つきのニンジャがアイサツする。「ドーモ、チカテツです」 「ド、ドーモ、ヴェルヴェットワームです」苛立たし気に粘液を振り払いながらバイオニンジャもアイサツを返す。 「このイクサはもらった」チカテツは短く言い放つとケープを脱ぎ捨てた。#smytxt
2016-06-22 22:48:53「イヤーーーーッ!」突風! 腐り折れたニンジャソードとクナイの連続投擲を受け、バランスを崩したヴェルヴェットワームの腹部に無慈悲なソニックカラテが叩き込まれる! 「グワーッ!」 「イヤーーーーッ!」そして頭部!「サヨナラ!」爆発四散! チカテツは静かにザンシン。 #smytxt
2016-06-24 21:14:55チカテツの駆使するソニックカラテはカゼンニンジャ・クランの秘儀。衝撃波によって相手を圧倒するものだ。恐るべき怪物のアシッド・ツキも突風の猛攻の前に沈んだのだ。だがチームとしては辛勝であった。 「あ、もう終わってたか」スパイクホイールが崖面から顔を出した。#smytxt
2016-06-24 21:21:54「ウム。チカテツ=サンがソニックカラテを42回ぶち込んで倒したぞ!」バックギャモンはそう応えてから、チームメイトを見渡した。やっと粘液の束縛を逃れたムシュスー。服がところどころ溶け、得物のニンジャソードも1つ失ったパッショネイト。自分のカタナもなくなった。#smytxt
2016-06-24 21:25:21どうやら敵は単独行動だったようだ。追撃もない。一行は周囲の状況を確認すると、急ぎ前進を開始した。チカテツがパッショネイトの姿を見かねてケープをかけてやる。最初バックギャモンが自分のハオリジャケットをやろうとしたのだが、あまりに能天気な柄なので彼女が拒んだのだ。 #smytxt
2016-06-24 21:29:38雨脚は強まりこそしないものの、しぶとく降り続いていた。一行は全島の地形を見渡すため手近の丘の上に上った。夜間そして雨天であるが、ニンジャである彼らの視力を侮ってはならない。遠くに村々。現在位置より10kmほど西、大きな建造物の影。これは敵の城だ。 #smytxt
2016-06-24 21:35:10もちろん長く休むことはできないが、まずは装備を整えなければならない。それに、すぐに本拠地に乗り込むのは危険だ。様子を見る必要がある。そうかと言ってのんびりしていれば、味方が海上での戦いに負ける可能性がある。キビシイ・アイランドに攻め込まれてしまっては元も子もない。#smytxt
2016-06-24 21:40:10丘を素早く下り、荒れた草原地帯に足を踏み入れたその時! ピュイィィィ~ 殺人トンビめいた電子合成シャウトが夜空を切り裂き、はるか上空を飛来する何者かがあった。ニンジャだ。5人は低木の陰に身を隠し、気配を消す。鳥のような黒い影は上空を何度か旋回したのち城に消えた。#smytxt
2016-06-24 21:43:56悪虐ニンジャ王のもとにはかなりの数のニンジャが集っているのではないか…。皆の顔に不安がよぎる。 バックギャモンはひとりひとりの表情を見てとると、拳を握り締め、低い声でささやいた。(あきらめるな!!!)そう言って走り出した彼の口元にマフラーめいた炎のメンポが現れた。#smytxt
2016-06-24 21:48:23「ヨイショ!」「ヨイショ!」「ハァッ!」ハスカールはパワーシャウトを吐き出しつつ船から船を飛び渡る。味方の船、敵の船、敵の船、味方の船… 飛び来たる銃弾や矢を巧みにかわしつつ、海上に入り乱れた両軍の間を縫うように、イーノ・アイランドへ。ナイトアウルもやや遅れて従う。#smytxt
2016-06-24 21:52:45バックギャモン隊と時間差で島へ上陸せよとの命を受けた2人は、キビシイ長老連と短く打ち合わせた後、開戦した両海軍の艦隊の中をこうして飛び走っているのだ! イーノ・アイランドの戦力は奴隷と化した島民も混じっているものの、ほとんどは周辺から集められた傭兵やごろつきたちだ。#smytxt
2016-06-24 21:56:40罪人、ヤクザ崩れ、ヨタモノ、その他もろもろ。そしてそれを率いるニンジャだ。コワイ! だが、キビシイ・アイランドの住民たちも代々の船乗りであり、猛者ぞろいだ。どちらも退かない。 次々と船を移動するハスカールを見とがめた者があった。赤黒の装束を着た太ったニンジャだ。#smytxt
2016-06-24 22:00:15「ウ~ン!? フトドキモノ! おいそこのお前止まれ!」赤黒の太ったニンジャがスリケンを投擲! ハスカールは手斧で難なくガードする。「お前!ニンジャか!ドーモ、キラーピッグです!死ね!」赤黒太ニンジャが邪悪な感じのナイフを構える。「ドーモ、ハスカールです」斧斬撃!#smytxt
2016-06-24 22:04:45キラーピッグは斬撃をナイフで受ける。だがその瞬間、手斧は一瞬にして砂塵に変わり、彼の視界を奪った。「ウグッ!小癪な!」刹那、後方から高速飛来する無慈悲なボー・スリケンあり! ナイトアウルだ。ボー・スリケンはキラーピッグの額を過たず貫通!「サヨナラ!」爆発四散!#smytxt
2016-06-24 22:07:38オミゴト! ナイトアウルはただの八百屋ではない。伝説的なスリケンスナイパーであり、冷酷なヒットマンなのだ。 ハスカールはここで立ち止まる。もうすぐ完全に敵陣だ。彼は流れるような動作で乗組員たちを殺すと、死体を手早く海に投げ込んだ。ナイトアウルが合流する。#smytxt
2016-06-24 22:12:38