戦艦ヴァンガード(HMS Vanguard)の解説

喜栄座🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿 @kieyza

これからちょっと一部に最強戦艦のひとつと誤解されてる英国海軍最後の戦艦、”王室ヨット”ことヴァンガードのことをつらつらと

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ヴァンガードはＲ級の代替として1937年2月に起案、1937年7月より設計に着手 しかし（経済的問題から）安価に抑えるため船体設計は条約により廃案になったライオン級を元にＲ級戦艦の砲等を載せ換える格好で計画され、当初は同型も５隻予定していた

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しかし砲塔の提供元となるはずのＲ級は前線に引っ張り出されておりなかなか港にかえってこないので、空母に改造され倉庫に陸揚げされていたカレイジャスとグローリアスの４基を流用することになった

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Ｒ級同様ヴァンガードも戦時急増戦艦であり、極東に進出して日本の新型戦艦（大和とされるが実質改長門型想定）、建造中に勃発したビスマルク追撃戦やマレー沖海戦における新型砲の貫通力や航空機の脅威を念頭に再設計に再設計が重なり建造は遅れに遅れる

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ヴァンガードの速力は30ノットとされるが前方砲撃をあきらめる格好で採用したクリッパー・バウの効果とライオン級用機関の改良により公試で31.57ノットを記録した

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ヴァンガードに移植された古い15インチMK1主砲も仰角を30度まで取れるように近代化改造され射程が30680ｍ延び、新型SHS(超重量砲弾)を強装薬により射撃できるよう改良され近距離なら16インチ砲並の威力を発揮できるとされた

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ヴァンガードのレーダーは”ダブルチーズ”こと247型レーダーで測距・弾着観測が行われ海軍射撃盤（AFCT）の最終型MK・Xで主砲を管制される

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ヴァンガードの対空・対水上副砲はＫＧＶ用QF5.25インチ（13.3cm）で、砲塔は改良されてるとはいえ配置も基数も一緒、実際の発射速度が遅くて対空向きでないところまで踏襲している

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但し、管制装置はアメリカ製Mk37に改め、故障の多かったポンポン砲をやめてボフォース40mmを６連装、連装、単装で合計75門装備している

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ヴァンガード自信は1941年10月に着工したものの、中止されたライオン級と同様中小艦艇の建造と既存艦の修理、改装に人手を取られ、エリザベス女王を招いての進水式は1944年11月30日となり、就役したのは戦後しばらくしての1946年4月25日。建造費は1153万503￡に及んだ

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就役後まもなくジョージ６世の南アフリカ巡幸の為艦長室のあるフロアを尾国王一家の居室に改装し、翌年２月3日に国王一家を御迎えし皆無アフリカの各地ほかセントヘレナ島やアセンション島を回り5月11日にポーツマスへ帰港した

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49年に巡幸するため48年に再改装されるが国王の健康悪化により取止めとなり、先の巡がヴァンガードにとって最初で最後の任務となった

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英国最後の戦艦にして最良の戦艦であったヴァンガードは戦後勃発した植民地紛争や朝鮮戦争には参加せず永らく名目上の本国艦隊旗艦として君臨するも斜陽の大英帝国には戦艦の維持は荷が重く1955年末に予備役編入、60年除籍されスクラップ。まさしく一度たりとも戦艦として行動しなかった戦艦なの