ジャズのひとの「語り口」で聞き分ける、というのでいつも自分がひとに説明するときは、ソニー・ロリンズとジョン・コルトレーンの競演「テナーマッドネス」を例にします。同じテナーサックスという楽器ですが、違いわかるかな。http://youtu.be/KW33ye4fPBA
2011-02-11 21:00:05前半2:12までがコルトレーン、そこからロリンズ。コルトレーンは高めの音を多用して、リズムも細かく転び気味。全体的にいつもうわずってます。そういうひとです。ロリンズはもっと太い音。余裕見せて8分音符基本。中音域でたまにブホッという音でドスをきかせます。
2011-02-11 21:04:12ピアノ・ベースソロ挟んで、後半掛け合いが始まります。8:31からは4小節ずつ交互に演奏。どっちがコルトレーン、ロリンズか、慣れるとすぐわかるんですが、互いのフレーズに反応したりして、そのへんの語り口を楽しむにはいい題材かと。
2011-02-11 21:10:56このブホッて音は、サックスならではなんですね。さっきのテナーマッドネスでいえば2:49の「だブだばブホだばだば」。一個目のブはほんとに低い音だけど、ブホッは中音域のレの音。このレのあたりがジャズにおけるサックスという楽器のひとつのポイントかと思います。
2011-02-11 21:28:00中音のレは左手と右手のキーを小指以外全部閉じる+オクターブキー。オクターブキーなしだと低いレの音。ここで頭では中音のレを想定して息を吹き込みつつ、オクターブキーを押しそびれたような感じで吹くと「ブホッ」と低い成分の多い音になります。また、指をたくさん押さえるのでこもった音になる。
2011-02-11 21:30:02この、押さえるキーで音色が変わるというのが面白いところで、例えばショーターの http://youtu.be/2iZ7id-lxXo 爽やかな朝っぽい音楽ですが、3:03から シレレミレーシー、レーラーミラー。シが開放、レが丸い音で「らほほれほーらー、ほーらーぼらー」に聞こえる。
2011-02-11 21:38:09特にショーターなんてひとは、音色でうならせるひとなんですね。水墨画の、茄子だかカボチャだかの題材よりも一本の線でうならせるみたいな。とくにソプラノサックスは絶品で、だいぶ音色を意識して音を選んでる。
2011-02-11 21:41:37おまけ、同アルバム(これ超名盤とされてます)の2曲目 http://youtu.be/xenaAr-6L5k 1:46あたりで丸く味のある中音の「レー」。そしてすぐオクターブ上の高温域に飛んでレードシ…と下がってくる。この上のレは指全開+さらにキー一個開く。対比効果ですよね。
2011-02-11 21:47:34