- RiverInWestern
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「ドーモドーモ、まだやってるかい」甲高い電子音声が響く。ウェットランジェリーは曖昧に笑った。「もう閉店の時間なんですけどね」「でも客がいるじゃねえか。じゃあオレも飲んでもいいよなァ……ああ、ところでよォ」足音が近づき、ショートセンテンスの背中で止まった。14 #4215tk
2016-07-09 17:42:01「お前まだスシ握ってんのか?ショーティ」ショートセンテンスは弾かれたように振り向いた。そして声の主を見て目を見開く。そこにいたのは、痩身の重サイバネ者……「へへ、ショーティ、ショーティ!お前もそんな顔すんだなァ?ドーモ、タイヤキキです。ゴブサタしてます」15 #4215tk
2016-07-09 17:45:50オジギする重サイバネ者に、ショートセンテンスはアイサツを返せない。彼は突如として現れたこのニンジャを凝視していた。「……ドーモ」なんとか言葉を絞り出した頃にはすでに、タイヤキキは彼の隣に腰を下ろしている。「おォ、サケか?いいなァ。オレにもオチョコくれよ」16 #4215tk
2016-07-09 17:48:12ウェットランジェリーが無言で差し出したオチョコを受け取ったタイヤキキは、横合いからトックリをひったくると手酌しそれを飲み干した。「プハッ、うめえ!いいもん飲んでんじゃねえかショーティ、エエッ?なんだよこのサケ」「それ?オウガキリングよ」「「エッ」」17 #4215tk
2016-07-09 17:52:03女店主の何気ない一言に、二人のニンジャが声を上げる。ナムサン、高級酒なのだ!「お、お前……ずいぶん儲かってんのか?最近」「いや」「じゃあナンデこんなもん頼んだんだよ」「適当に」「店主に銘柄選んでもらってやがったなテメェ!?やめろっつったろそういうの!」18 #4215tk
2016-07-09 17:56:02そんなんだから金があるようでそんなにないのかもしれない、ショートセンテンス……支出の無駄も省こう!いや高級酒は無駄ではないのだけれども #4215tk
2016-07-09 17:57:56ショートセンテンスは片耳を抑え辟易する。どうにも信じられないが間違いない。このタイヤキキは騙りでも、ましてやオバケでもない。本物だ。「生きてたのか、お前」「アァ?……ああ、ああ。そうだ。見りゃわかんだろ。生きてるよ」タイヤキキがオチョコを差し出す。19 #4215tk
2016-07-09 18:00:07それを一瞥したショートセンテンスは、無言でサケを注いだ。トックリがひったくられ、自身のオチョコにもサケが注がれる。「カンパイしようぜ。久しぶりによ。ソウカイヤのビズが終わったときみてえに」タイヤキキがオチョコを掲げる。ショートセンテンスはそれに合わせた。20 #4215tk
2016-07-09 18:04:04