日本の「歴史の長さ」の議論から、神話や歴史の性質について
- gryphonjapan
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まあ「◯◯史観」なんて、基本的に他人が下す評価ですからね。平泉澄も平田俊春も、「我々は皇国史観だ!」なんて自称しなかったし、もし言われたら怒って否定したでしょうね。
2016-10-02 07:45:46ちなみに同じ皇国史観でも、平泉学説と平田学説は実証レベルで大きく異なります。平田は師匠の説を驚くほど大胆に否定しています。少なくとも、些細な相違をあげつらって、「おれは◯◯氏を倒した!」とドヤる現代の研究者よりも相違点ははるかに大きい。
2016-10-02 07:47:38換言すれば、平泉学説をきちんと論証して実証レベルで批判したのは、今のところ愛弟子の平田俊春だけなんですよね。あとは、「奴は皇国史観だからどうせ全部間違ってるだろう。読まなくたってわかります☆」程度の認識。
2016-10-02 07:49:3370年前の皇国史観研究者:敬愛する師匠の説をぼこぼこに批判。 現代の自称リベラル研究者:年長者を敬え!絶対に反論するな!!!
2016-10-02 08:59:32昨夜の twitter.com/nonomaru116/st… について「放伐や王統断絶の有無」って来たけど、後者についてはともかく、前者については、武家政権の交代はどうなの?ってことになるわけで。
2016-10-02 09:49:19「世界の国が何度も変わっているのに日本だけ2600年以上変わっていない!」って一時期そういう年表がネットに流れたけど、政権主体の変遷とか無視してる時点でお察しなのはさておき、とりあえず作った人が「日本?→大日本帝國→日本国」という「国号」の変化についてどうお考えか非常に気になる。
2016-10-02 01:12:33片山松斎の平田篤胤批判 「神代の事は強いて【XX(当方この字読めず)】する事無く唯其の儘置いて可なるべし。……神代巻は夢幻也。うつつの事を以って談ずる事なかれ。巫祝の徒古事記神代巻の蹄(わな)にかかり、遁るる事能ず、憐れむべし。」 @ut_ken @nonomaru116
2016-10-02 09:50:06続き 「無理無体に日本を褒称し、日本を漢土と同じ様に開闢(かいびゃく)も久しと偽り…空蒙虚冥を構て云い紛らす……開闢の前後を争ひ日本は万国の本国などと誇耀するが如きは皆小智小見のなすところにして、大人のいふべき事に非ず」 @ut_ken @nonomaru116
2016-10-02 09:50:55昨年1月に、平田篤胤の批判者「片山松斎」についての連続ツイートをしていました。再挿入は面倒なのでコピペします。
gryphonjapan@gryphonjapan
全く無名ながら、江戸時代の良識・常識の最高水準を示す「片山松斎」についてのツイートが多数RTされた。嬉しいので、元ネタの史料(高島俊男(お言葉ですが…別館4」)を紹介しておきますね。ただ字数制限の関係で画像にて。適宜補足します。 https://pic.twitter.com/7gsxryKQWh
片山松斎の平田篤胤批判(1)
「世界に本末を分かちて我国を以って万国の本国と褒め、外国を末国と貶すが如きは道理に於いて当ることなし。異邦人是を聞かば嘲笑軽賎せんこと疑いなし…(略、要は「地球は丸いのだから」)国土に上下本末いささかも有る事なし。」
片山松斎の平田篤胤批判(2)
「日本の天皇を万国の大君と称する事甚だ以って不通の論なり。…(略)…万国の中、何れの国にても日本の冊封を受ける国はなし…日本は独立の国にして山城の天皇は日本国の天子也。万国の天子に非ず。支那には支那の天子あり。西洋諸国各々其国の天子あり。」
片山松斎の平田篤胤批判(3)
「(古事記の)神代の事は強いて【XX(当方この字読めず)】する事無く唯其の儘置いて可なるべし。・・・…神代巻は夢幻也。うつつの事を以って談ずる事なかれ。巫祝の徒古事記神代巻の蹄(わな)にかかり、遁るる事能ず、憐れむべし。」
片山松斎の平田篤胤批判(4)
「無理無体に日本を褒称し、日本を漢土と同じ様に開闢(かいびゃく)も久しと偽り…空蒙虚冥を構て云い紛らす…(歴史の古さは自慢でも欠点でもない)…開闢の前後を争ひ日本は万国の本国などと誇耀するが如きは皆小智小見のなすところにして、大人のいふべき事に非ず」
実に正論で常識的。…で、そのせいでインパクトが無かったのではないか(笑)…と、高島氏がさらに元とした研究者(中野三敏氏)も語っている。
「歴史のダイナミズムは却って篤胤の強引・片頗な解釈を、時代の牽引車として位置づける動きを示した」
…それが、歴史や宗教なのでしょうかね…(了)
平田篤胤「地動説は既に古事記に説かれていたやで!日本スゴイ!」片山松斎「何言ってだこいつ…」明治時代の学者「陽明学は西洋哲学とも一致するやで!日本スゴイ!」安岡正篤「何言ってだこいつ…軽がろしく結びつけんなよ…」
2016-10-02 10:01:27@tyuusyo 安岡正篤が若い頃は安易な日本スゴイ論を批判していた(後半はそうでもないし若干陰謀論じみたことを言い出した)ことは小島毅先生の論文で読んでビックリした。安岡は若い頃の論文は異様に冴えているのに晩年痛い発言が多いという少し困った人です
2016-10-02 10:03:18「聖徳太子が複数人の混合物である説が有力視されている」って言葉を見かけたが、厩戸皇子以外にモデルがいるのだろうか? それとも聖徳太子非実在説の焼き直し? どのみち今では聖徳太子非実在説自体が退潮しているわけで……有力視って話も……逸話などが混じっているならまだしも……。
2016-10-02 10:04:01古事記・下巻(人の巻といわれるらしい)の始まりが16代仁徳天皇なので、この方を倭の五王の初代である倭讃と考えるとそこからは歴史、とは岡田英弘の説ですが、西暦413年に東晋に使者を出してるから仁徳天皇でも十分昔の方ですね>RT
2016-10-02 10:10:54@nagabodhi あれで完全にヤバくなって…占いおばさんを連れてきたのが弟子で「易学を学びたい人が居ます」という触れ込みだったというのも…
2016-10-02 10:46:18そして、実証面における結論の相違が大きければ大きいほど、当然評価面も大幅に変わってきます。平泉と平田で院政に対する評価が異なることは生駒哲郎さんが『南朝研究の最前線』で指摘していますが、後宇多天皇に対する評価もだいぶかけ離れているようです。
2016-10-02 13:25:49うん、国の歴史とかそういうところで民族が一緒とか言い出すと、縄文弥生とか渡来人云々とかそういうこと言う前に、「王朝は変わっても我が民族は(ry!!」とか言い出す人らがあっちからもこっちからも出てくるからな!!w #なんか見た
2016-10-02 17:34:27日本の離島の伝説だと日本神話や琉球神話をミニマムに「我々の村の始まり」くらいのスケールに縮めた話が多いんだけど、これは世界創造の神話が卑近化したというよりは元々こういう話だったのが神話に肥大化したとみる方が正しいと思う
2016-10-03 02:15:44人間が最初に語り始めたのは「自分の住む集落」の創造だったはずで、それがその人間が知り得る世界の全てだった。人間が知り得る範囲が広がると共にスケールもでかくなっていく。
2016-10-03 02:19:22篤胤ニキもそうだし彼以降の神道系新宗教は「世界には沢山の国があって地球は丸くて太陽の周りを回っている」という事実を知った日本人がそれをどう咀嚼してきたかという風にみるととても面白い。
2016-10-03 02:41:00篤胤は『霊の御柱』の中で繰り返し「西洋の最新科学で判明した事実は我が国の神道と不思議に一致する」と主張していて、西洋科学の知識の波が彼にもたらした影響の大きさを物語っています。
2016-10-03 02:45:30で、問題はその短評の隣に載ってる楊海英先生の『逆転の大中国史』の紹介ですが… 正直これを読むなら檀上先生の岩波新書『天下と天朝の中国史』で十分だろうなと。唐は漢人の国家ではなかったというような拓跋国家論も、ドヤ顔で紹介するのではなく当たり前のように取り込んでますし。
2016-10-23 08:33:31唐は漢人の国家ではないだとか、南北朝までで漢人が絶滅しただとかいう話は、要するにその頃まで漢人なり漢族なりが民族として形成途上であったということでしかないわけで。
2016-10-23 08:38:11自分たちが漢人であるというアイデンティティも、匈奴なり鮮卑なり天竺なりといった他者との対比の中で、漢代以降時間をかけて何となく形成されたもので、その過程の中で、匈奴や鮮卑も次第に漢人の中に取り込まれていったということではないのかなと。
2016-10-23 08:41:24そのあたりについては、手前味噌ながら『漢字学研究』第2号の山田崇仁氏の論考→ ritsumei.ac.jp/acd/re/k-rsc/s… を参照w(pdfファイル)
2016-10-23 08:45:04