硬貨は金融純資産か? 通常の政府会計と、国家全体の金融評価(資金循環統計)の考え方の違い
- motidukinoyoru
- 83693
- 24
- 5
- 0
政府財政側では、負債として引き受けないので利益になる。代わりに、日銀側では(見合い資産なしに)日銀負債として扱うので損失になる。 ということで、統合政府で見たら、貨幣発行による会計上の利益はないことになる。 @uncorrelated
2016-11-12 23:47:21もし発行した硬貨が会計上で純粋な資産だとしたら、硬貨が日銀に巡って来たときにおかしくなる。 日銀が保有する硬貨は、無利子永久国債と同じ扱いになり、両替に応じて差し出された日銀券は日銀負債なので、相殺されて会計上はプラスマイナス0になる。 @uncorrelated
2016-11-12 23:49:51@motidukinoyoru 日銀が日銀券や硬貨を市中に出すときに、必ず見合い資産をとっていることを思い出してください。つまり、日銀は負債と同時に資産も増やすので、損益は無いのです。だから政府が1兆円の硬貨発行益を得れば、統合政府でも1兆円の利益になります。
2016-11-12 23:50:23「日銀が発行者でないにも関わらず、資金循環統計情、日銀は硬貨を日銀負債として扱う」と『日銀が説明している』のだが、まだお読みいただけていないのだろうか。boj.or.jp/statistics/out… @uncorrelated
2016-11-12 23:51:17boj.or.jp/statistics/out…での説明のとおり、日銀が市中に出したわけでなくても、硬貨は日銀負債として計上されていることに注意されたい。 また、もし硬貨の会計上の発行益があるとしたら、日銀に巡ってきたときの会計がおかしくなる。 @uncorrelated
2016-11-12 23:53:50@motidukinoyoru さて日銀券が信用通貨と言えるかについて考察しましたが、本題はビットコインでした。信用通貨は、発行者が何らかの債務を負うと言う事ですが、ビットコインの発行者は何の債務も負っていません。こういう意味で、紙幣よりは硬貨の部類と言うことになります。
2016-11-12 23:58:01@motidukinoyoru それについては、政府に計上されているそうなので、別に会計はおかしくなりません。
2016-11-13 00:00:00何度も言うが、ビットコインは硬貨とはやや異なる。硬貨の金融資産としての価値は、硬貨が中央銀行の負債として扱われることに基づく。(資金循環統計を参照) ビットコインは、このような負債としての「明示的な引受先」はない。 @uncorrelated
2016-11-13 00:01:23いや、おかしくなる。順を追って、背理法で考えよう。 もし硬貨が金融純資産として政府で発行されたとする。これが民間に渡されたとする。この時点では当然、全体で見て硬貨はまだ金融純資産として計上される。 @uncorrelated
2016-11-13 00:04:33しかし、この硬貨が日銀に預けられた場合、日銀はこの硬貨を無利子永久国債と同様に扱い、その一方で日銀当座預金(日銀負債)を与える。このとき、硬貨の資産価値は相殺され、全体での金融純資産が減少する。 硬貨はまだ「償却」されていないのでこれはおかしい。 @uncorrelated
2016-11-13 00:05:00これの答えは、「発行元が政府でも、最初から日銀負債として計上しておく」というものになる。ということで日銀は、市中の硬貨を、日銀が発行したものでないにも関わらず、日銀負債として計上しているわけである。 @uncorrelated
2016-11-13 00:06:13@motidukinoyoru 硬貨が日銀に預けられた場合の資産変化を完全に無視していますね。政府が日銀に100円玉を交付すると、日銀の現金資産が100円、日銀当座預金の政府の口座が100円増えます。バランスシートと言いつつ、資産の変化を完全に無視していませんか?
2016-11-13 00:10:20「一方、中央銀行の資産サイドでは、中央政府に対する債権を有すると擬制(その他資産として計上)。 」 boj.or.jp/statistics/out… 資金循環統計では、日銀の現金資産(日銀保有硬貨)を政府に対する債権としている。 @uncorrelated
2016-11-13 00:16:08資金循環統計は、国家全体で金融資産(負債)を評価するという観点から、実際の決算等で利用される決済とは異なる評価がされているから注意が必要。 資金循環統計では、金融純資産は、対外純資産としてのみ現れる。当然世界全体ではプラスマイナスゼロ。 @uncorrelated
2016-11-13 00:21:39@motidukinoyoru その通りで、資産も増えているわけです。なお、資金循環統計はお金の流れを掴むものなので、会計上の債務とはちょっと違う話になるので注意してください。
2016-11-13 00:23:28(通貨含め)金融資産それ自体には、実物的な価値があるわけではない(経済資源の請求関係を描写するに過ぎない)ので、全体で見たらプラスマイナスゼロであるように評価できないと逆におかしなことになるから、当然の処理といえば当然の処理ではある。 @uncorrelated
2016-11-13 00:24:02@motidukinoyoru 政府が硬貨を発行するとき、日銀の財務バランスが崩れるわけではないので、結局、日銀としては純債務を増やしているわけでは無いのです。政府はもちろん債務を増やさず、通貨発行益を得ているわけです。この意味で、硬貨は誰かの債務ではないのですよ。
2016-11-13 00:29:22個々の決算上の会計においては負債として計上されないが、国家全体の金融資産(負債)を評価する場合(資金循環統計的観点から)は、統合政府負債として計上されなければならない、というところで、すれ違いが発生していたということだろうか。 @uncorrelated
2016-11-13 00:33:31実際の会計という話になると、株式は金融純資産になっており、資金循環統計上は金融純資産にはならない(プラスマイナスゼロ)が、株式発行が何かしら実物的な財を生み出したりはしていないので、実際の経済的利得を評価する場合は、後者の考え方が正しいことになる。 @uncorrelated
2016-11-13 00:35:16@motidukinoyoru 実際の経済的利得でも資金循環でもなく、発行者が債務を負うか否かを考えているわけです。もし、発行者が債務を負うのであれば、通貨発行益はゼロです。しかし、貴殿が参照した深尾氏の論説 jcer.or.jp/column/fukao/i… では発行益があります。
2016-11-13 00:42:03@motidukinoyoru そもそも1882年に日銀が設立される遥か以前から、色々な政府によって硬貨は発行されてきたわけで、その性質を考えるのに日銀の会計上の取り扱いを事細かに見る必要はないでしょう。で、発行者が何かの債務を負うわけではないです。
2016-11-13 00:45:16なぜ実務会計でそうなるかというと、「借換続ける国債の日銀直受けで通貨発行したケース」と「政府貨幣を勝手に発行したケース」という、表面的には同じな事象を法制度的な問題で全く別に表現している(後者では、実質的に無利子永久国債である硬貨をそう処理しない) @uncorrelated
2016-11-13 00:46:15もちろん、政府日銀を統合して見た通貨政策の観点から言えば、どちらも差があるわけがないし、したがって後者なら実務的な会計が痛まないというのは制度的なごまかしで、実際、きちんと国家全体の金融資産を評価しようとなったら、このごまかしは消え失せることになる。 @uncorrelated
2016-11-13 00:48:22@motidukinoyoru ビットコインに戻ると、その発行者は、信用貨幣、例えば兌換紙幣のように何かと交換するような債務を負っていません。日銀券と比較すると、少なくとも見合い資産に応じて発行してはいないと言う意味で、日銀券にある負債性はありません。こういうわけで、
2016-11-13 00:49:47だから実務会計の制度を変えろとは言わないが、(実物的な価値は存在しないことになっている)金融において、全体で見て純資産が形成されるというのは、現実的にはあり得ないことだし、実際全体評価(資金循環統計)ではあり得ないことになっている。 @uncorrelated
2016-11-13 00:51:45