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関連まとめ
takeotoiletさんによる簡潔な書き起こし
fmht7さんによるリアルタイムな反応
古舘 伊知郎
次は、このニュースです。
(NEXT)
(TSUTAYAが進出)
(図書館運営へ)
(CM)
古舘 伊知郎
ま、この時代はですね、旧勢力と、長くやってきた旧と、それから新しい考え方と勢力と、これがぐうううっと軋み合うような時代であるわけですね。もちろん旧、既得権グループが強いっていう所もあるし、また別なジャンルではこっちがぐーっと持ってくという動きもあるわけですが、今日はこの軋み合いの中で、後ろに映っております、図書館やります。
(新たなマーケットか)
(〝TSUTAYA図書館〟計画)
これ図書館の運営というものをですね、あのレンタルビデオから始まって急成長してる、TSUTAYAがやるという話が出てます。
これどういう風にお考えなりますか、皆さん。
(市長「既得権益に切り込む」)
(〝TSUTAYA図書館〟計画)
ナレーション
ここは、佐賀県の町にある市立図書館。この場所が、こんな風に生まれ変わる。
館内に、カフェスペースやグッズ・コーナーが誕生する。そんな計画が今、進んでいる。
高橋 聡 氏
(TSUTAYAを運営する)
(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)
(高橋 聡 氏)
1月に、えーと武雄の樋渡市長がこちらのお店に来られて、ぜひこれを武雄市にも同じようなものを持ち込みたいっていうようなことからきっかけでスタートしました。
ナレーション
佐賀県武雄市が、大手レンタルソフトTSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブに、図書館の運営委託を持ち掛け、基本合意した。発案したのは市長だった。
樋渡 啓祐 市長
(佐賀県武雄市)
(樋渡 啓祐 市長)
公立図書館、休み過ぎ! 一ヶ月ですよ。でしかも、夕方6時には閉まっちゃうわけですよ。ねえ。こんなん閉店図書館ですよ、こんなの。うん、だからそうじゃなくて365んち、やっぱ朝9時から夜9時まで開きましょうって。
代官山の蔦屋書店を、ぼくはテレビで、あの年末見たときに、ああもうこれだなってやっぱ思いましたよね。
年明け(笑)会いに行って、たま! たま! 増田社長が路上に佇んでいたんで、あのう、僕ぅ、図書館、ね? CCCさんにお願いしようと思ってますって、いやあ俺もやりたいと思ってたんだよとかって。
ナレーション
計画ではスタートは来年4月。年中無休、開館時間の延長のほか、雑誌や文具の販売コーナーも設置される予定だ。そして今回最大のポイントは、図書館の利用でポイントが付く点。
高橋 聡 氏
運営上のノウハウがありますんで、開館時間延長をして、なおかつコスト増をしないというところが、強みかなあという風に思っています。
ポイント、これもあの、市からどうしてもポイントを付けたいっていう風に依頼されていまして、まあそういった意味でいくとTポイントも凄く強みだと。
ナレーション
Tポイントとは、TSUTAYAをはじめ、提携先での利用金額に応じて貯まるポイント。1ポイントを1円換算で使用できるものだ。
全国初、TSUTAYAが手掛け、Tポイントが貯まる図書館。しかし、今回の武雄市の計画は波紋を広げている。
日本図書館協会は、問題点を指摘する。
松岡 要 事務局長
(日本図書館協会)
(松岡 要 事務局長)
図書館を利用するとポイントが付くっていうことは、これまで指定管理者を導入した事例からみるとまず無い。
必ず、その、履歴が残ることになりますから、それを図書館の外で、使われるということになりますから。
情報がですね、別の目的、使われることを予定して収集することは、役所として、公共施設として許されるのかどうかってところなんですよね。
ナレーション
協会が危惧するのは、個人情報の外部流出だ。その他にも、労働条件の悪化などを指摘している。
今回の計画は武雄市の市議会でも取り上げられ、市長が説明を行った。
樋渡 啓祐 市長
図書館協会が懸念されているような、図書館履歴っていうことが外に出ることは一切ありません。
同意をきちんと取ります、同意を、ちゃんと、対面で。で、その上で、えー、こっちのTポイントカードっていうことでは、ポイントが付くと。
ナレーション
武雄市では、図書館の貸出カードを、従来のものと、Tカードの二種類を用意し、利用者に選ばせるとしている。Tカードを選択した人の情報については、制限をかけることにしている。
市長は、導入のメリットを強調した。
樋渡 啓祐 市長
えー、コストダウンです。コストダウン。
公がこういう、これに直接タッチすると物凄いやっぱ無駄が多いと。
我々とすれば、えー経費を削減しながら、えー、まあより高い市民向上、あ、市民価値の向上を目指すには、民間に、…
それが、あのーベターであると、いう風に認識をいたした所であります。
ナレーション
民間委託の一番のメリットは、経費の削減。武雄市の試算では、1億4500万円の経費を1割削減できるとしている。
まだ議会を通っていないため、決定したわけではないが、市長は自信を見せる。
樋渡 啓祐 市長
既得権益に切り込むっちゅうことですよ! もう、もう今日もね、民業圧迫だとか馬鹿!な事言う人達もいたけれどね。うん、いやようするに誰!に向いてんだって僕らは。市民に向いてるわけですよね。だあら、僕らは市民の価値が上がるものについては、躊躇なくやってきます。で、それが正しいか正しくないかっていうのは選挙の時に判断してもらう。
ナレーション
市では、来月にも市民1000人規模のアンケートを行い、要望があれば説明会も開くことにしている。
委託される側のTSUTAYA。図書館事業での収益性はやってみないとわからないという。それでも行うメリットは何か。
高橋 聡 氏
我々その、民間でがんばってきたことが、非常にその、えー国なり、行政にも認められるっていうところが、えーブランディング上でも非常にメリットがありますし、えと、社員の士気アップにもつながってますので、そういうメリットは非常にあります。
古舘 伊知郎
三浦さんね、あのー、わたしは、あのー、こう図書館で、学んだっていうようなところの経験が無いのでね、ぜひ、そういう事を経験されて来たであろう三浦さんにおうかがいしたいのは、これを、図書館っていうものを、費用対効果云々だけで見ずに、図書館とはそもそも何かっていう所から行かないと、賛成反対なんていう意見、とても言えないので教えてもらえますか。
三浦 俊章
そうですね、あのー、もし今のように公共図書館の経費をひたすら削るっていう傾向が続くのであれば、今のTSUTAYAの例は一つの選択肢だと思うんですね。ただその場合でも、個人情報については極めて厳格な取り扱いが要ると思うんですね。
ただわたし自身は、この図書館というのは、あまり実は民営化の論理には馴染まない、むしろ公共の役割が大きい所だと思うんですね。実は国際比較をしてみると、日本は大変な図書館後進国なんですよ。たとえば、あのう、サミットに参加している国、まあロシアが入る前のG7と言われる国を見ると、イギリスの8分の1?…ああ、ドイツの8分の1。ドイツの8分の1、イギリスの4分の1しか、あの、人口の10万人あたりの図書館の数がないんですね。しかもスタッフの問題もあって、本来ならば図書館には、あの、専門の司書がいて、その人が、まあ地域の事情だとか、学校のカリキュラムとか、個人の興味、関心に合わせて本を選ぶのを手伝い、調べ物を手伝うという風なはずなんですけども、実際日本の図書館では、その専門性のある、そういう人を置いてる所はやっぱり少ないんですね。
で、やっぱり、当たり前のことなんですけど、わたしは、あのう、本を読む力、物事を調べる力ってのは民主主義の基礎力だと思うんですね。そこの所はやっぱり、教育なんですよね。ですからどうしても、コストカットとか、経費だけでは考えられない、だからそこはやっぱり大変重要なね、図書館の役割っていうのがあまりにもちょっと今、軽視されているんじゃないかなという気がしますね。