「葬室からの励と責~イット・カムズ・レイド」 #2

 「葬室からの励と責~イット・カムズ・レイド」 #2 「装甲機、GO!RUN!」(リファイン版) http://seimunoyakata.blog81.fc2.com/blog-entry-202.html #1 http://togetter.com/li/434003 #3 http://togetter.com/li/434907
0
前へ 1 2 ・・ 5 次へ
Astal_jukebox @astral_jukebox

「でも、もっと頼ってよぉ」自分の胸を勇矢の胸に擦り付ける。「おぅっ…!…これ…以上頼ったら僕の存在意義と出番がなくなる…現状でどんだけ頼ってると思うの」頭を撫でる。「えー」「あーやはもうちょい自分の有難味を自覚しなさい」「我慢しなきゃ…ダメ?」蠱惑的な瞳で見つめる。 24

2013-01-05 07:58:57
Astal_jukebox @astral_jukebox

「まあ…1時間くらいは良い…いやしたい、かな。…6時半に起きて7時過ぎに出れば、8時半のHRには間に合うだろ」「フフ…理解ある夫で嬉しいわぁ…」絢女は勇矢をベッドの上に横たえると、互いの上着を肌蹴させ始める。「じゃ、明日に備えて…いっぱい飲んでね?」―おっぱいである。25

2013-01-05 08:11:37
Astal_jukebox @astral_jukebox

揺れる胸。それをひたすら揉みしだく手。愛撫し合う腕。触れ合う唇。ぱふぱふ。乳房が弾んで揺れて揉まれて潰れて擦れる。抱き合う腕。ぱふぱふ。吸われる胸。繋がる躰。甘噛みする口。胸を揉みながら唇を奪い合う。ぱふぱふ。軽い口づけ。眠ろうとする男。止める女。腕の骨が折れた。ぱふぱふ。 26

2013-01-05 08:25:44
Astal_jukebox @astral_jukebox

締め付ける手。外される両手首の関節。蹴ろうとした右脚が左諸共変形する。残る片腕も折れる。砕ける肋骨。(首の骨が折れる音)。食い千切られる肉。吸われる血。(せき)。締め上げる黒髪。爆発四散。消える命。蘇る命。体が組み上がる。一瞬の隙を突き逆襲の押し倒し。胸に吸い付く――――― 27

2013-01-05 08:40:33
Astal_jukebox @astral_jukebox

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 28

2013-01-05 08:57:25
Astal_jukebox @astral_jukebox

4月10日(水)8:20、中等部1年1組。智明達は昨日同様、部室に寄ってから教室に来た。昨日より早めに出た上に、隕石にも降られなかったのもあって余裕で間に合った。教卓側前扉から入ると、その隕石が一番手前の机に突っ伏しているのが目に入り、挨拶をする。「おはよう浅空君」すると! 29

2013-01-05 09:00:42
Astal_jukebox @astral_jukebox

…特に何も返事が来ない!「浅空?」隆光も訝しがる。彼は人見知りだが挨拶はちゃんと返す。寝ているのかとも思ったが、それにしては睡眠中特有の規則的な呼吸音が聞こえない。というより呼吸音自体が殆ど聞こえない。周りの生徒もその異様な様子にちらちらと目をやっている。 30

2013-01-05 09:06:42
Astal_jukebox @astral_jukebox

「…死んでんじゃない?」「生きてますよ……多分」隣席の湊が答える。曖昧な表現は彼女らしくなかった。「10分くらい前にふらふら歩いてきて、座ったと思ったら…コレですよ…」湊の後ろの女生徒が思い立って彼の肩に右手を伸ばして揺らす。「浅空くん、そろそろ起きた方が…10分前よ」 31

2013-01-05 09:10:55
Astal_jukebox @astral_jukebox

彼女は軽く揺すっただけだったのだが、勇矢の首が、がくっ、と背後に落ちた。「ひっ」そのまま千切れて床に落下しないのが逆に不自然に思える程、力が入っていなかった。そしてその顔は……あからさまに貧血症状。殆ど死体じみた顔色で、わずかに動いているのがかえって恐ろしかった。 32

2013-01-05 09:15:32
Astal_jukebox @astral_jukebox

「浅空…保健室に行ったらどうだ?」隆光が声を掛ける。その声にようやく勇矢は動いた。「ぅぅ」緩慢な動作で片手を挙げて隆光の前に、遮るように出す。拒否の意味だろう。地獄めいた枯れ声で応えた。「……ああ…うん…大丈夫安心して安心して満身創痍だけどあんしんして」安心出来ない声だ。 33

2013-01-05 09:20:40
Astal_jukebox @astral_jukebox

「搾りとられた分は…搾りとりかえしてるから……あとは2・30分くらいでなおるとおもう。ごあんしんください」安心出来ない発言だった。「搾る…だと…まさか、浅空…貴様っ…!」隆光が激怒し、勇矢の首を持ち上げる!「さては絢女のおっぱ…んぐっ」その口を智明が塞ぐ! 34

2013-01-05 09:25:38
Astal_jukebox @astral_jukebox

同時にその首に湊が右手を添える。その手の内側には小型のカッターが忍ばせてある いつでも刃を出せる状態だ。周囲からは一切見えないので問題は無い。隆光は振り払う機会を逃していた。彼をして、そんな迂闊をしでかす程の衝撃だったのだ。「二人ともやり過ぎです。自重しなさい」制する湊。 35

2013-01-05 09:30:10
Astal_jukebox @astral_jukebox

「この場合、やり過ぎてるのは3人なんじゃ…」刃物少女に対して、智明が茶々を入れるが、彼女の非難がましい目線に口を噤む。そもそももっと大事な問題がある。「その調子で…今日の試合やれるの?」智明が問う。「今日は…もう無理…ヤレない…殺される…」勇矢の怯える声。 36

2013-01-05 09:35:48
Astal_jukebox @astral_jukebox

「…そっちじゃない!戦えるのかって話!」智明は小声で叫ぶ。「だいじょうぶ…」勇矢が答える。「…あんな雑魚共、瞬きする間に」パチン!指を打ち鳴らす。骨折した。「皆殺しに出来る。忘れないことだ」「ほう…俺達を雑魚扱いとはな浅空」隆光はその発現を自分達への挑発と捉えた。 37

2013-01-05 09:40:08
Astal_jukebox @astral_jukebox

「良いだろう!おっぱいの恨み!放課後に晴らす!」首のカッターを気にしながらも声量を絞って隆光が宣言する。「へ?雑魚扱い?」殺気に当てられ正気に戻った勇矢は、きょとんとした。彼には訳が分からなかった。おっぱい発言はともかく雑魚呼ばわりなどした覚えがないからだ。 38

2013-01-05 09:45:49
Astal_jukebox @astral_jukebox

「浅空さん、今『あんな』雑魚共とか言いました?」「うん?ああ、言ったとおもう」湊が指摘した。目の前にいる相手のことなら『こんな』が適当の筈だ。「つまり俺達のことを言ったわけではないと?」隆光がここで冷静になって気付く。「ですよね?」「ああ…うん」勇矢は肯定する。 39

2013-01-05 09:50:28
Astal_jukebox @astral_jukebox

「だが、絢女の…!」刃が押し込まれたので、小声で続けた。「…おっぱいを吸ったのは本当か?」「おいしかった」「今日がお前の命日だ。覚えておけ」飢えた猛獣めいた目線をぶつけると、隆光は席へと移動した。「命日って…自分で覚えてても意味ないよね?」他人事のような勇矢の感想。 40

2013-01-05 09:55:01
Astal_jukebox @astral_jukebox

「浅空君…その『あんな雑魚』ってもしかして昨日言ってた件と関係ある?」智明は小声で心当たりをぶつけてみた。「ああ、うんそんなとこ……ほぅわぁ!?」勇矢はバランスを崩して椅子から背後へと頭から転倒した。今の今まで体勢を変えていなかったのが災いした。 41

2013-01-05 10:00:26
Astal_jukebox @astral_jukebox

ここで担任がやってきたため、話は中断。勇矢にとっての彼女の到着は、脚本家にとっての川落ちやMAP兵器爆撃弾幕の如き舞台装置として都合よく機能した。彼は宣言通り1時間目の終わりまでには、少なくとも表面上は回復した。だが、その後も詳しい話ははぐらかし続けたのだった。 42

2013-01-05 10:06:20
Astal_jukebox @astral_jukebox

西暦2013年4月10日(水) 16:15。放課後、星咲学園アクトボット部・部室。 43

2013-01-05 10:15:26
Astal_jukebox @astral_jukebox

智明・隆弘チームのロボット、『ブレイビート』と、勇矢のロボによるバトルの準備が整っていた。チームのリーダーと、かつてこの中で最も優勝に近づいた少年…その二者によるバトル。部員同士の練習試合の初戦としては他に考えられないカードである。 44

2013-01-05 10:21:01
Astal_jukebox @astral_jukebox

「逃げずに現れたな浅空勇矢!…貴様はここで…殺す…息の根を止める!!!」源瀬隆光の目は殺意と憎悪に満ちていた。その対象である勇矢はブリッジでその目線を回避。その体勢のまま黙々と、そして意気揚々と口笛を吹きつつ机に操縦機器をセットする。しかし何故か肝心のロボットが手元にない。 45

2013-01-05 10:25:37
Astal_jukebox @astral_jukebox

隆光は全身に黒のパイロットスーツを着込んでいる。このスーツはゴムを含んだ繊維で出来ており、その上には無数の銀色のライン。頭部にはゴーグルや小型マイクの突いたヘッドギアと大掛かりな装備である。何故、小型ロボットの操縦にこのような服が必要なのか? 46

2013-01-05 10:30:52
Astal_jukebox @astral_jukebox

それは彼等の機体、『ブレイビート』が人体の動きを機体に反映させるモーショントレース式であるがゆえである。アクトボットで同じ真似をする者は極めて稀である。人体全ての動きを正確にロボットに再現させるのには恐ろしく手間がかかる割にメリットが薄い。ハイコストローリターンなのだ。 47

2013-01-05 10:35:48
Astal_jukebox @astral_jukebox

モーショントレースは、操縦法と言うよりは、3D人体モデル作成などの為のデータ収集用として使うことのほうが多い。操縦に用いる場合は、医療や精密作業など操縦者本人の技量を機械に再現させるのが目的である。だがその場合も動作の再現は主に腕などの一部に留まるのが常だ。それは何故か? 48

2013-01-05 10:40:39
前へ 1 2 ・・ 5 次へ