洗剤の泡立ちの話その1~専門家と素人のコミュニケーションギャップについて

洗剤の泡切れの良し悪しの話が出た時 界面活性剤について詳しい方がいろいろ説明して下さいました。 やりとりしているうちに専門家と素人の間のコミュニケーションギャップの話になりました。 ちょっと興味深かったのでまとめてみました。 続きを読む
166
うみんちゅ💙💛 @DEEPBLUE1219

@kobonona @butayama3 そこで、界面活性剤の親水基の部分を、イオン化するものを選択するのです。石鹸もNa+やK+が解離してR-COOH-とマイナスの電荷をもったイオン性の界面活性剤です。

2013-02-08 22:08:59
nona💙💛 @kobonona

@DEEPBLUE1219 @Butayama3 むむっ。だんだん難しくなってきました。

2013-02-08 22:11:41
うみんちゅ💙💛 @DEEPBLUE1219

@kobonona @butayama3 つまり、界面活性剤の頭をマイナス(プラスでも良いですが)にしてやれば、水が失われて水膜がだんだん薄くなっていった時に、マイナスどうしで反発してそれ以上近寄る事ができなくなるので、膜の厚みが保たれて、更に水が失われるのを防ぐという訳です

2013-02-08 22:13:20
nona💙💛 @kobonona

@DEEPBLUE1219 @Butayama3 ふむふむ。なんとなくイメージできました!

2013-02-08 22:17:30
うみんちゅ💙💛 @DEEPBLUE1219

@kobonona このような静電反発を利用して泡の膜強度を高めるためには、親水基(頭)のイオン化する性質が強い方が、より有利です。そこで、泡立ちをよくしたい場合には、石鹸の親水基(カルボン酸、お酢と一緒の構造)よりもよりイオン化しやすいスルホン基などが選択されます。

2013-02-09 15:09:39
うみんちゅ💙💛 @DEEPBLUE1219

@kobonona @Butayama3 石鹸の構造はお酢と同じですが、スルホン基は硫酸の構造と言えば、酸度の違い(解離しやすさの違い)を理解していただけるでしょうか?

2013-02-08 22:20:39
nona💙💛 @kobonona

@DEEPBLUE1219 @Butayama3 えええ?石鹸の構造はお酢と同じ?いや、そのあたりの話は全然わかりません。すみません。

2013-02-08 22:23:42
うみんちゅ💙💛 @DEEPBLUE1219

@kobonona @Butayama3 お酢の説明は、ちょっと端折ってしまったので不親切でした。スミマセン。そもそも石鹸というのは、脂肪酸をアルカリで中和したものを指します。高校3年生ぐらいの化学の知識が要りますが、脂肪酸はCH3-CH2-CH2…COOHという構造をしています

2013-02-08 23:50:44
うみんちゅ💙💛 @DEEPBLUE1219

@kobonona @Butayama3 …の部分は-CH2-が10〜20個ぐらい続いていると思ってください。-COOHの部分が例えば水酸化カリウムKOHのようなアルカリで中和されて石鹸になると、-COO-K+となります。界面活性剤の親水基(頭)の部分が-COO-K+、

2013-02-08 23:54:59
うみんちゅ💙💛 @DEEPBLUE1219

@kobonona @Butayama3 親油基(尻尾)がCH3-CH2-CH2…という部分になります。さて、石鹸の親水基について、先ほどお酢と例えましたが、お酢の主成分である酢酸はCH3COOHという構造をしています。似てるでしょ?

2013-02-08 23:57:11
うみんちゅ💙💛 @DEEPBLUE1219

@kobonona @Butayama3 この-COOHの部分の事をカルボン酸と呼びますが、カルボン酸は弱酸に分類されます。それに対して、スルホン酸は-SO3Hという構造で、これは強酸である硫酸HOSO3Hの構造と同じです。

2013-02-09 00:01:01
うみんちゅ💙💛 @DEEPBLUE1219

@kobonona @Butayama3 弱酸、強酸(本当は濃硫酸は弱酸なので、強酸は希硫酸に限るんですけど)は、Hがどれだけ解離してイオン化しやすいかで決まりますので、泡立ちをよくするために、界面活性剤で作るシートをより強いマイナスにしたければ、スルホン酸を使う方が有利なのです

2013-02-09 00:03:28
うみんちゅ💙💛 @DEEPBLUE1219

@kobonona @Butayama3 先ほども説明しましたが、泡立ちを良くするためには界面活性剤のシートで覆われた水膜の強度を上げる事が有利に働きます。界面活性剤の頭に電荷を与えて、その静電反発を利用する事も一案ですが、その他にも、界面活性剤を整列しやすい構造にしたり、

2013-02-09 00:05:58
うみんちゅ💙💛 @DEEPBLUE1219

@kobonona @Butayama3 あるいは水に粘度(とろみ)をつける事もとても有効です。お子さんとシャボン玉で遊ぶときに、シャボン液に片栗粉を解かしてとろみをつけてやると、シャボン玉が割れにくく長持ちするようになりますので、一度試してみてください。

2013-02-09 00:07:54
うみんちゅ💙💛 @DEEPBLUE1219

@kobonona @Butayama3 たぶん、最近のシャボン玉は飲み込んでも大丈夫なように、グラス洗いで例に出しました糖-脂肪酸エステルが使われているはずです。この糖-脂肪酸エステルのようにイオン化しない界面活性剤は、石鹸の様なイオン性の物に比べて泡立ちが劣る事になります。

2013-02-09 00:11:01
nona💙💛 @kobonona

@DEEPBLUE1219 @Butayama3 後半化学式が出てきたところあたりから理解が怪しくなってきましたが、要するに泡立ちがいいからといって汚れが良く落ちるというものではないわけですね。泡立ちの良し悪しはいくらでも操作できて、泡切れも汚れ落ちも両方良いようにできると。

2013-02-09 09:31:17
nona💙💛 @kobonona

@DEEPBLUE1219 @Butayama3 イオン化させないようにしてある界面活性剤は泡切れが良い。で、グラス洗い用の洗剤などは人体に入っても無害(量による?)なので海外では洗い流さない事が多い。←ここに一番びっくり。洗剤が身体にはいると良くないと思いこんでたから。

2013-02-09 09:35:46
うみんちゅ💙💛 @DEEPBLUE1219

@kobonona @Butayama3 体に悪くないからと言って、美味しいわけでもないと思いますから、流せるなら洗い流した方が良いとは思います。日本で使われている洗剤も、特に食器用は、口に入ることを想定して厳しい安全性試験を行っているはずなので、多少の事は気にしなくても大丈夫

2013-02-09 09:50:33
nona💙💛 @kobonona

@DEEPBLUE1219 @Butayama3 どうも長々とありがとうございました。これからは洗濯の時泡が立ってないからと言って洗剤を追加するのはやめます。(^^; うちは二層式なので泡立ちがよく見えるんです。

2013-02-09 09:38:31
うみんちゅ💙💛 @DEEPBLUE1219

@kobonona @Butayama3 普段、何気なく使っている生活雑貨の中にも、深堀すると研究者の苦労や科学の粋が詰まっている物が色々と発見できて楽しいですよね。これに懲りずに、あれ?と不思議に思ったら呟いてみてくださいね〜^^

2013-02-09 09:57:07

話は終わるかと思いきや・・・

実はこの話の発端は放射性物質の半減期を洗剤の泡切れの良しあしで説明できないかという話だったので
例の原発事故後の専門家と素人とのコミュニケーションギャップや安全安心についての話に舞い戻りました。

うみんちゅ💙💛 @DEEPBLUE1219

@kobonona @Butayama3 そう言えば、このポイントって安全と安心の違いですよね。もともと洗剤の界面活性剤は、濯ぎ残りが口に入る程度では安全なように作られてますけど、だからといって安心できるかと言えば、それは別問題。

2013-02-09 11:03:11
nona💙💛 @kobonona

@DEEPBLUE1219 そうですね。放射性物質でよく話題になってた「量の問題」が関係してくるのかな。

2013-02-09 11:04:40
うみんちゅ💙💛 @DEEPBLUE1219

@kobonona @Butayama3 でも、例えば欧州で使われているような、糖-脂肪酸エステルのような構造に関する知識を得れば、なるほどと安心できる。必ずしも知識だけが解決のための鍵ではありませんが、ある知識を共有する事で、安全を安心に広げる事ができるのだなぁと思います。

2013-02-09 11:05:33
nona💙💛 @kobonona

@DEEPBLUE1219 @Butayama3 そうですね。訳のわからなさが怖さに直結してるんだと思います。少しでも仕組みが分かれば、つまり正体がわかり始めれば怖さが減っていく。安全と言われているものが、なぜ安全かがわかり、そこから安心に変わっていく・・・ってことですかね。

2013-02-09 11:10:20