スピロヘータ・らせん・ペニシリン・魔法の弾丸・狙ってあてる ~梅毒~

こういう風に話題が少しずつ展開しながら続いているのはとても面白いのです。
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ぶたやま@「ぶたやまかあさんのやり過ごしごはん」発売中 @Butayama3

@y_tambe ああ、そうね、この形を菌と言われてもね、ましてや泳ぐなら。

2015-05-22 10:32:51
Y Tambe @y_tambe

@Butayama3 しかもかなり細長い分、大きく見える。一般的に細菌は、原生生物(「原生動物」より、こっちの呼び名が今は良かった)よりかなり小さいので。

2015-05-22 10:38:22
Y Tambe @y_tambe

水中を泳ぐスピロヘータを、特殊な照明下で顕微鏡観察して、「くるくる回ってる様子」を見やすくした動画(.movファイル) ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/P… movie1が実際のムービー。movie2がその原理。緑色光、赤色光それぞれ別方向から当ててる。

2015-05-22 10:44:14
Y Tambe @y_tambe

@Butayama3 「らせん菌」には、スピロヘータのような特殊な構造(エンベロープ)持っててコルク抜き運動する、非常に細長いもの以外にも何種類かが知られてる。ヘリコバクター・ピロリ(いわゆるピロリ菌)やカンピロバクターも、らせんが2〜3回巻いた「らせん菌」だし(続

2015-05-22 10:51:52
Y Tambe @y_tambe

@Butayama3 承前)コレラ菌みたいに、コンマ状とかバナナ状とか言われる、すこし曲がった桿菌も、「らせんの巻きが一回未満の、短いらせん菌」とも言える。ただしピロリ菌とかコレラ菌は、生物学的にはスピロヘータとはかなり遠いグループで、普通(?)に鞭毛をスクリューとして泳ぐ。

2015-05-22 10:54:07

らせんの形のいいところってなんだろう。
早く泳げるの?効率よく泳げるの?それとも・・・。

ぶたやま@「ぶたやまかあさんのやり過ごしごはん」発売中 @Butayama3

@y_tambe この、螺旋型って、少ないエネルギーでかなり遠くまで泳いでいけるんじゃないかしら。 あ、だから、結構早めに全身に症状が出てしまうの?

2015-05-22 11:00:36
Y Tambe @y_tambe

@Butayama3 コレラ菌やピロリ菌の場合は、この「菌のかたち」が実際に、遊泳速度の早さに関係してると思われます。例えば真っ直ぐな大腸菌に比べるとコレラ菌の方が早いし、ピロリ菌はもっと早い(鞭毛の本数や構造も違うから一概に比べられないけどそういう傾向はある・続

2015-05-22 11:03:27
Y Tambe @y_tambe

@Butayama3 承前)一方スピロヘータの遊泳速度は、むしろ遅いくらい。ただしその分「パワフル」というか。普通の水中でなく、例えば粘液みたいな液体中だと、細い鞭毛では粘度に負けて回転が止まってしまうけど、スピロヘータは外に露出させずに菌自身が回る。まさに「コルク抜き」

2015-05-22 11:07:44
Y Tambe @y_tambe

@Butayama3 はい。なので、全身に広まるかどうかには、菌の泳ぐスピードは無関係です。全身に広まるには「いかに血液中で殺されないか」の方がずっと大事。

2015-05-22 11:10:35
Y Tambe @y_tambe

@Butayama3 梅毒の場合、詳しい発病メカニズムはわかってないところが多いのだけど、全身発症までにかかる時間は、そんなに「早く」はありません。ちょっと出方が特殊なのだけど。

2015-05-22 11:14:41
Y Tambe @y_tambe

@Butayama3 もっとも「菌体自身を回す」ためには、小さなスクリュー(鞭毛)を回すよりも力が要るので、その分、普段のスピードでは劣るのではないかと……。まぁ菌体の大きさとかも違うので、やっぱり単純比較は難しいのですが。

2015-05-22 11:16:41

感染後のスケジュール。

Y Tambe @y_tambe

@Butayama3 最初に病変がでるのは、やっぱり感染した場所の近く(生殖器とかとその近接リンパ節)です。これが第1期梅毒で、最初に症状でるまで3週間くらいかかる。その後、血流にのって全身に広まり発疹とかが出るのが第2期で、これが3ヶ月〜3年まで。

2015-05-22 11:21:23
Y Tambe @y_tambe

@Butayama3 第2期の後半になってくると、皮膚症状が出たり引っ込んだりを繰り返し、最終的には出なくなります。なので「治った」と安心してると、今度は骨や内臓がやられ、最終的には脳や脊髄もやられる。これが3〜10年の第3期(神経に到達するのを第4期とも)で、これで命を落とす。

2015-05-22 11:25:51
Y Tambe @y_tambe

@Butayama3 ああ、いわゆる「潜伏感染」→発症、を繰り返すようなかたちでずっと続くのです。

2015-05-22 11:26:57

症状が出たり出なかったり。
そりゃあ、自分がかかっているなんて納得できないから、と放置してしまいますよねぇ。

Y Tambe @y_tambe

@Butayama3 この「感染してから死に至るまで、大体3年以上」というのは、これが流行した当時の他の感染症と比べると緩慢というか。なので当時は意外とみんな危機感が薄かったり、とは言え、発症すると「鼻がもげる(軟骨の変形)」とか、神経もやられるというので恐れられたり。

2015-05-22 11:30:48
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