煮えた油や焼きごてで傷口を焼いて同時に止血していた16世紀に外傷治療の「コペルニクス的転回」が起こった時の話

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\\りょーた// @ryoinalf

ドイツ語を話せる唎酒師を目指す垢。 中等症睡眠時無呼吸症候群でNasal CPAP 使用中。#レトロコンシューマー愛好会 会員No.1478 #ニッポン城めぐり オタクアカウント(鍵)➡︎@raylof99

\\りょーた// @ryoinalf

16世紀の外傷治療は、火薬の毒を除く、という理由で煮えた油や真っ赤に焼いた焼きごてで傷口を焼いて同時に止血する、というものでした。 ある時、とある1人の医師が軍医として参戦した戦争であまりにもけが人が多く、彼は油を使い果たしてしまいました。(続く) twitter.com/tetosiki/statu…

2020-10-05 21:17:45
辺境伯テト式 @tetosiki

中世や近世の負傷者治癒って ひょっとして下手に手術や薬つけるより 傷口を綺麗に洗い流し、出来れば高濃度なアルコールや酢を掛けて、包帯を毎日綺麗なのに変えて、病床も綺麗にしてれば劇的に改善する…?

2020-10-05 09:36:31
\\りょーた// @ryoinalf

仕方なく彼はテレピン油や卵白などを練り合わせた「軟膏」を作り、それを包帯に染み込ませて兵士の傷を覆いました。 当時の「標準治療」とはかけ離れた治療を行った彼は一晩中、ろくに眠れずに神に祈り続けました。しかし…(続く)

2020-10-05 21:20:05
\\りょーた// @ryoinalf

翌朝、「軟膏」での処置を施した兵士達はむしろそれまでの治療をした兵士よりも安楽そうに彼の回診を待っていました。これを持って外傷治療の「コペルニクス的転回」が起こりました。 医師の名は「アンブロワーズ・パレ」。「我包帯し、神癒したもう」の名言を残した外科医です。

2020-10-05 21:22:25
\\りょーた// @ryoinalf

時は流れて19世紀。イギリスで11歳の少年が馬車にはねられ、脚を「開放骨折」しました。当時は開放骨折の治療法はなく、早晩骨髄炎を発症して死んでしまう。それがこの少年を待ち受ける運命でした。

2020-10-05 21:27:01
\\りょーた// @ryoinalf

しかしある1人の医師が、創部に絶えず「フェノール」を噴霧し続け、今で言う「消毒」をしながら手術をすることで、彼を完治に導きました。医師の名は「ジョセフ・リスター」。のちに「無菌操作」を確立し、現在の「外科手術」の基礎を作りました。

2020-10-05 21:30:27
\\りょーた// @ryoinalf

そして同じく19世紀。ハンガリーのある産科病院の病棟に、次亜塩素酸カルシウム水溶液を満たした容器が置かれ、側には1人の医師が、産褥婦に触れる前にそれに手を浸すように目を光らせていました。その医師は病棟での「産褥熱」の発症率に注目するうちに恐るべき事実に直面したのでした。

2020-10-05 21:34:26
\\りょーた// @ryoinalf

それは、産婦に触れる「医師の手」が産褥熱の原因になる、と言うものでした。結果、「手を洗う」と言うあまりにもシンプルな方法が感染症を防ぐ、と言う事実を発見するのです。産褥熱の原因である「細菌」を「ルイ・パスツール」が発見する、その少し前のことです。

2020-10-05 21:39:36
\\りょーた// @ryoinalf

手を洗うように命じた医師の名は「イグナーツ・ゼンメルワイス」です。さしもの彼も自らの死後150年後に「新型コロナウイルス」予防にもなお、自らの発見が生きるとは思わなかったでしょう。 以上、医学史のうち、感染予防の発見の一席でございました。

2020-10-05 21:41:18
\\りょーた// @ryoinalf

ついでに最後まで行きましょうか。 20世期。とあるイギリスの大学の実験室の一つ。雑然とした部屋の片隅に放置された一つのペトリ皿にはカビが混入し、試料として意味をなさなくなっていました。しかしその部屋の主はあることに気づきます。そのカビの周囲には細菌のコロニーが繁殖していないことに。

2020-10-05 22:03:25
\\りょーた// @ryoinalf

その実験室の主の名は「アレクサンダー・フレミング」。そのカビの学名「ペニシリウム」から、その細菌の繁殖を抑える物質の名前は「ペニシリン」と名付けられました。世界初の抗生物質の誕生…ではありません。

2020-10-05 22:05:40
\\りょーた// @ryoinalf

その少し前。ドイツのロベルト・コッホ研究所で、一人の科学者があるヒ素化合物が梅毒の原因であるスピロヘータの殺菌に威力を発揮することを発見しました。これがまさに世界初の抗生物質。科学者の名は「秦佐八郎」。日本人でした。

2020-10-05 22:09:11
\\りょーた// @ryoinalf

秦佐八郎の発見したサルバルサンは「抗菌薬」ではあっても抗生物質ではない、というツッこみをいただいておりますが、いま、ペニシリンやセフェムなどとニューキノロン系などとをこの観点で違うものと考えはまあしないので広義の「抗菌薬」でいいと思います。いずれにしろ画期的な話ですから。

2020-10-07 00:47:33
\\りょーた// @ryoinalf

なんかプチバズったし明らかに審神者さんやFEファンの方からも反応いただいたので宣伝w @raylof99 の方ではオタク関連の話題、二次創作などもやってます。鍵垢なのでもしよろしければフォロリクを。

2020-10-07 01:55:50
\\りょーた// @ryoinalf

えっと、これ医学史のほんの一部です。古代の医学史とか麻酔の発見の件、解体新書のあたりとか、すんごい面白いので是非「漫画 医学の歴史」読んでみてください。

2020-10-07 17:23:12
海嘯人 @umintyukuma

@ryoinalf 楽しく読ませていただきました ありがとうございます(^^)

2020-10-06 20:14:06
紫伝海🌸 @shidenkai2016

@ryoinalf 興味深く読ませて頂きました! とても面白くためになりました! ありがとうございます☺️

2020-10-06 23:47:16
ハマダテツオ @QhLGMrFmXUBRLaP

@ryoinalf 楽しく読ませて頂きました😊ありがとうございました😄

2020-10-07 00:54:07
空想野郎🌹三月末横浜ガンダム展示終 @doramamaker

@ryoinalf 過去に尽力した医師の方々のおかげで、現在の治療法があるんですよね。感謝しかありません。勉強になるツイートをありがとうございます😊

2020-10-07 01:38:59
natume @aya_155

@ryoinalf とても読みやすく最後まであっという間に読んでしまいました✨😆✨

2020-10-07 12:49:21