「津田氏の論文は注目を浴びてるが、それが間違いとわかる論文の方は全く注目されていない」という記事:3県対照調査の論文を読もう(完全版)

発端となった英語記事(どなたか和訳お願いします) Nope—There's No Thyroid Cancer Epidemic in Fukusima A New Study on Child Thyroid Cancer Gets Widespread Attention From the Media—While Another Study Proving It’s Wrong Gets None http://thebreakthrough.org/index.php/issues/nuclear/nopetheres-no-thyroid-cancer-epidemic-in-fukushima 続きを読む
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nao @parasite2006

本来は年齢補正後に比較が筋でしょうが、当方ローテクのため危険性を承知の上でこのまま一次検査受検者数と「悪性+悪性疑い」を比較してみます。数字は一次検査受検者数→「悪性+悪性疑い」:福島212678、113;3県4176、2(細胞診受診者数で代用、実際は1人手術を受け乳頭癌確定)

2015-10-23 10:24:02
nao @parasite2006

【訂正】前ツイートbit.ly/1jXlwDE の数字をもとにこちらのサイトbit.ly/xvJwTg でオッズ比の検定を行った結果です pic.twitter.com/n6Vz8odFZD

2015-10-23 11:34:06
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nao @parasite2006

3県対照調査の「悪性+悪性疑い」数が細胞診受診者数2に等しいとした場合(実際は1人手術を受け乳頭癌確定ですが、残る1人の二次検査所見については報告書に記載がなく、悪性疑いに分類できるかどうか不明)、オッズ比1.11、95%信頼区間0.27-4.49、p値0.84という結果に(続)

2015-10-23 10:49:07
nao @parasite2006

(続き)仮に3県対照調査の「悪性+悪性疑い」数を手術を受けた1人に変更した場合、オッズ比2.22、95%信頼区間0.31-15.9、p値0.63となりますが、いずれにせよ95%信頼区間内に1が入り(オッズ比1とは比較の基準と差がないことを意味します)、p値が有意水準0.05越え

2015-10-23 10:57:22
nao @parasite2006

以上より、(より厳密な判断は年齢補正後の比較に待つべきとはいえ)青森、山梨、長崎の3県と比較して福島県内の甲状腺癌の検出率(自覚症状が出る前に検査して見つかったので自覚症状が出てから検査し診断確定した罹患率とは違うことに注意)が高いとは統計上言えないという結論になります。

2015-10-23 11:01:13
nao @parasite2006

オッズとオッズ比の意味と計算法は、三重大学・奥村先生の解説bit.ly/1GY0n1q をご覧下さい。疾患の発生率が非常に小さい場合、オッズと相対危険度は実際上ほとんど差がなくなりますが、今回はあえて相対危険度で代用せず、定義通りのオッズ比を算出しました。

2015-10-23 11:08:45
リンク oku.edu.mie-u.ac.jp 2×2の表,オッズ比,相対危険度 6 users 11
nao @parasite2006

【補足】3県対照調査の「悪性+悪性疑い」数を2.2と仮定すれば、福島県のオッズ比は1となります。3県対照調査の標本数が小さいため、「悪性+悪性疑い」数がちょっと変化しただけでオッズ比の値が大きく動きます pic.twitter.com/vdox4W6gby

2015-10-23 11:38:14
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付録:@yoshisatose さんが福島県の甲状腺検査結果(1巡目)のA1/A2/B/C判定率を3県対照調査と比較して下さいました

Yoshihiro Sato @yoshisatose

@parasite2006 ありがとうございます。ただ、四千数百人に1件2件出るか出ないかの事象だと分散が大きすぎて、仮に差があっても有意な結果は出にくいと批判する人はいるでしょう。また、3県調査と福島県調査では2次検査の受診率も異なるから比較が難しいという声もあるかもしれません

2015-10-24 14:47:29
Yoshihiro Sato @yoshisatose

@parasite2006 そこで思うのですが、「悪性+悪性疑い」か否かという区分だけでなく、A1 ・A2・B/Cという細かい判定区分が、性別・年齢区分別にある程度、公開されているのですから、それを使って3県調査と福島県調査を比較するのはダメなのでしょうか? (続く

2015-10-24 14:50:34
Yoshihiro Sato @yoshisatose

@parasite2006 これが3県検査の1次検査の結果(年齢階層別・性別)です。この結果を、福島県の一巡目の調査結果と男女別・年齢階層別にカイ二乗検定で比較してみることにします。 pic.twitter.com/5c6qUUoVac

2015-10-24 14:59:42
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Yoshihiro Sato @yoshisatose

@parasite2006 一巡目の結果は、結果概要【確定版】に年齢階層別の結果が示されてはいますが、検査年度が異なるものを集計しているので、ちょっと問題ありかと。そこで、検査年度ごとに性別・年齢階層別の結果が出てないか調べてみたところ、第10回検討委員会の資料にありました。

2015-10-24 15:06:21

福島県民健康調査の検討委員会の記録は福島県ホームページの特設コーナー
http://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/kenkocyosa-kentoiinkai.html
にリンクされています。第10回検討委員会は2013年2月13日開催で、公表されたデータhttp://bit.ly/1D8MEFU は2013年1月25日現在、同じく第11回検討委員会は2013年6月5日開催で、公表されたデータhttp://bit.ly/1jHGyGT は2013年3月31日現在です。

Yoshihiro Sato @yoshisatose

@parasite2006 これが2011年度実施分の検査結果ですが、性別・年齢階層別にそれぞれ、先ほどの3県調査の結果とpairwiseで比較しながら、判定の分布に違いがあるかをカイ二乗検定を使って調べてみました。 pic.twitter.com/QztwsYGO6y

2015-10-24 15:11:04
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Yoshihiro Sato @yoshisatose

@parasite2006 すると、すべての比較において有意な結果が見つかったので、では3つの判定のどの部分が違うのかをさらに調べてみました。その結果が黄色の部分です。しかし、その違いというのは福島県のほうが3県調査よりもA1の割合がA2の割合よりも高いことによる差異でした。

2015-10-24 15:15:36
Yoshihiro Sato @yoshisatose

@parasite2006 福島県のほうがB/C判定の割合が少ないことによる差異も、一つの比較で見つかりました。

2015-10-24 15:16:35
Yoshihiro Sato @yoshisatose

@parasite2006 次に、2012年度実施分の検査結果ですが、これは第11回検討委員会の資料にありました。これも同様に3県調査の結果と性別・年齢区分別に比較しましたが福島のA1の比率が高いことによる差異が一部で見つかりました pic.twitter.com/LIRq76oMjL

2015-10-24 15:25:02
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Yoshihiro Sato @yoshisatose

@parasite2006 もちろん、2012年度実施分の検査では、実施時の年齢が1年上であることに留意しなければなりません。

2015-10-24 15:26:27
Yoshihiro Sato @yoshisatose

@parasite2006 2013年度実施分の性別・年齢別の結果については残念ながら見つからず。最後に福島県の一巡目検査の合計とも比較してみます。これは異なる実施分が混じり、しかも震災から年齢が上がっているため、福島県のほうが3県調査よりもA2やB/Cの比率が高いかもしれません

2015-10-24 15:31:49
Yoshihiro Sato @yoshisatose

@parasite2006 しかし、結果は一部の比較においてA1/A2に違いが見られた(しかも福島のほうがA1の比率が高い)ものの、逆に福島のほうがA2やB/Cの比率が優位に高いという結果は出ませんでした。 pic.twitter.com/twUx67MHIs

2015-10-24 15:35:36
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Yoshihiro Sato @yoshisatose

@parasite2006 以上、3県調査と福島県1巡目調査の一次検査における判定分布を、年齢階層別・性別で比較してみた結果です。このような比較に意味があるのか自信がありませんが、参考になれば幸いです。

2015-10-24 15:40:19
nao @parasite2006

@yoshisatose 解析有難うございます。3県対照調査は元来「福島県内のA2/B/C判定率が県外他地域と比べて高い」かどうかを見るために計画されたもので、福島の1巡目の検査結果が県外と変わらない(差がある場合は福島の方がA1の比率大)というのは地味だが重要な結果だと思います

2015-10-25 10:14:20
nao @parasite2006

@yoshisatose 3県対照調査は福島県民健康調査に比べて標本数が少ないので、たとえ差があったとしても検出力不足でわからないから比較しても意味がない、意味のある比較をするには県外でもっと大規模な調査をすべきと言う人が必ず出るでしょうが(続く)

2015-10-25 10:25:48
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