床下貯蔵庫に33年保管された大吟醸のお味は?飲んでみた酒造店「素晴らしい熟成」と絶賛
一般宅の床下貯蔵庫で33年間も眠っていた未開栓の日本酒が、完璧な熟成をしていたと酒造店がツイートして話題を呼んでいる。
お客様が「自宅の床下貯蔵庫から古い大吟醸が出てきたが呑めるのか?」とお持ちになりました。
確認したところ本生の平成元醸造年度 全国新酒鑑評会 金賞酒で、33年ヴィンテージでした。
お客様の同意のもと品質チェックのために開栓したところ、素晴らしい熟成をしていました!!
(続く) https://t.co/S4w8Op2KMb
— 浦里酒造店【霧筑波/浦里】醸造元 (@kiritsukuba1877) 2023年2月13日

お客様から「床下から古い未開栓の大吟醸が出てきたが呑めるのか?」と連絡を受けたのは茨城県にある明治10年創業の浦里酒造店醸造元(@kiritsukuba1877)さん。今回、6代目蔵元が品質チェックのために開栓してみたところ、素晴らしい熟成酒に仕上がっていたという。
酒はメイラード反応による琥珀色を呈しており、カラメル様の素晴らしい熟成香、水よりも滑らかな味わいでした。
30年越えなのでタンパク質が凝固した黒澱が浮遊していましたが、火落ち(アルコール耐性乳酸菌の繁殖)することなく非常に素晴らしい熟成をしており「感動」のひと言です。
(続く)
— 浦里酒造店【霧筑波/浦里】醸造元 (@kiritsukuba1877) 2023年2月13日
Twitterユーザーからは「お酒の宝石みたいです」「飲めるのか…すげぇ…発酵の神秘というか、職人の為せる技というか。飲んでみたい」など長期間熟成された日本酒の珍しさが話題となり、一連のツイートには4万以上のイイネがついた。
浦里酒造店の現杜氏を務める6代目蔵元さんに、熟成酒について詳しく話を聞いた。
新酒にはない熟成酒の魅力
今まで長期間熟成された日本酒に出会ったことはありましたか。
弊社では1985年から氷温での熟成をしているため、34年のヴィンテージものを利き酒したことがあります。しかし一般の方が自宅で33年間保管し、熟成した素晴らしいお酒に出会ったのは今回が初めての経験でした。
床下貯蔵庫は、常温よりは良い環境だったのでしょうか。
はい。床下貯蔵庫なので、比較的低温で温度の変化が少なかったことが良い熟成に繋がったのだと考えられます。
日本酒を未開栓のまま長期保存する場合は、冷蔵庫が最も良いのでしょうか。
冷蔵庫で保存する場合はほとんど着色せず、ややフレッシュ感を残したまま味わいを丸くソフトに熟成させることが出来ます。
常温で保存する場合、どんどん着色していき琥珀色になっていきます。フレッシュ感はなくなり、カラメルのような熟成香が出てコクやなめらかさが増していきます。

メイラード反応(※)は温度によって反応が促進するので、貯蔵温度が高くなるほど着色しやすくなります。
貯蔵温度で熟成の仕方が変わってきますので、目指す熟成酒の味わいによって貯蔵温度を変えていただければ幸いです。
(※)…酒中の糖分とアミノ化合物を加熱したときに褐色物質を生み出す反応のこと
熟成酒の魅力を教えてください。
熟成酒には水よりも滑らかな口当たりや味わいの複雑さなど、新酒には出すことのできない「時が磨いた味わい」が1番の魅力だと思います。
また、生まれ年のお酒、何かの記念の年のお酒など、人それぞれが特別に感じるヴィンテージがあると思うので、「熟成させた時間」に思いをはせながら楽しむことが出来るのも熟成酒の魅力ですね。
今回のツイートで熟成された日本酒を飲む楽しみを知った方もいたことだろう。日本酒のことをもっと知りたい人は浦里酒造店醸造元(@kiritsukuba1877)さんをフォローしてみては。