映画監督が推薦する「後味が悪すぎる究極の映画30本」から選んで鑑賞会を開いてみた

みんなで観れば楽しいよ!
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今回呼んだのはたかや(@tky888tky)さん、シュゴウ(@shugou17)さん。編集部はふ凡社、K松、そしてわたし(紫蘇)の5名。

到着してまずコーラを飲むたかやさんとシュゴウさん

宮岡さんには話を伺った時「編集部で鑑賞会を開きたい」とお伝えしており、複数で観るのにオススメの作品も聞いた。それがこちら。

『縞模様のパジャマの少年』『ミスト』『レクイエム・フォー・ドリーム』『ファニーゲーム』『隣人は静かに笑う』あたりはみんなで観ても、謎の盛り上がりを見せるかもしれません。

とのことなので、今回観る作品は

  • 宮岡さんのオススメ作品から1本
  • その他から1本(ただし参加メンバーが全員、未見のもの)

をくじ引きで決めることにした。

紙ナプキンをちぎって作った不穏な感じのくじ

決定~

たかやさんとシュゴウさんにくじを引いてもらった

引いたのは、宮岡さんの推薦作からは『レクイエム・フォー・ドリーム』、その他からは『愚行録』。洋画・邦画と揃い、嘘みたいにバランスよくなった。

なお、鑑賞会にあたっては、

  • 上映中の声出しOK
  • 観ていて途中で気分が悪くなったら離脱OK

という緩やかなルールを設けた。

ささやかなおやつを用意

『レクイエム・フォー・ドリーム』鑑賞開始

『レクイエム・フォー・ドリーム』あらすじ(AmazonPrimeより)

4人の登場人物が薬物に依存し、何とか生活を保とうとするが、手に負えない状況に陥り悲惨な結末を迎える。

あらすじに「薬物に依存」という言葉が入っている時点で確かに鎮魂歌が必要そうだ。宮岡さんのレビューはこちら。

〜定点観測的に3人の様子をとらえた画像を貼っていきます〜

序盤

開始30分くらい。主人公の男性と恋人とのエロいシーンに湧く。でもまだ心の余裕は皆あった。

にぎわう。君ら中学生か

中盤 

さっきまでワイワイ言ってたのに、だんだんと口数が減り表情が曇り始める。

終了

苦笑いしながら感想を話し出す

感想(微ネタバレあり)

一言ずつ感想を述べてもらった。内容はややネタバレありなので、作品未視聴で気になる方は注意して欲しい。

たかや「うちの母もネットに疎いので大丈夫かな…母に痩せたでしょ、って言われたら…母親と恋人がこんな目に合ったら辛すぎる…。」

シュゴウ「こいつのせいだ、ってやつがいない…終始、ジメジメとした感じが続く映画だった…」

一言でいうと誰もが『クスリダメ、絶対』という感想を持つ内容で、クスリなどとは縁遠いと思っているはずなのだが、なぜかこの作品は「もし自分の親が、友人が…」と身近な人が陥ってしまった場合を想像させる恐さがあった。

『愚行録』視聴開始

次は『愚行録』。

『愚行録』あらすじ(Wikipediaより)

エリートサラリーマン家庭であった田向一家惨殺事件から1年経ち、事件は犯人が見つからないまま迷宮入りしていた。その時、ある記者が、田向夫妻の同僚や学生時代の同級生、元恋人などに、夫妻との思い出や人柄についてインタビューして回る。すると、一見理想的な夫婦と思われた二人の本性が現れてくる。

個人的に好きな満島ひかりに期待大。ストーリーがやばそうな分、満島ひかりなら絶対やってくれると信じられる。宮岡さんのレビューはこちら。

〜ふたたび定点観測的に3人の様子をとらえた画像を貼っていきます〜

序盤

人との対話シーンが続く。若干眠気も感じられる

中盤

作品の中で描かれるキラキラ大学生活に目を細める(物理的な意味で)

終了

全員「…………」

感想(微ネタバレあり)

再び感想タイムへ。繰り返しになるが、作品未視聴で気になる方は注意して欲しい。

シュゴウ「見てる間にザラザラしてくる…さっきの『レクイエム~』とは別の種類の衝撃でした」

たかや俺はこんなキラキラした大学生活は知らない

紫蘇「陽キャだと命を脅かされるんですね、陰キャで良かった(そうではない)」

いろんな角度でお互いの胸中をざわつかせたようだ。細かく書くと本作のネタバレになってしまうので避けるが、物語が進むにつれて、じわじわと点と線がつながっていく。オチを知ると確かに救いようがない。後味が悪い。

やはり満島ひかりはやってくれました(ギリギリの感想)

2本を無事観終えたので「後味が悪かった度」を5段階評価でつけてもらった。作品としての評価とは別に、自分がどれだけ後味悪く感じたかの度合いだ。

 

たかやさん、シュゴウさんは2作品のうち、どちらかというと『レクイエム・フォー・ドリーム』に対する衝撃が強かったようだ。

家族に会いたくなった……。ぬいぐるみが欲しくなった……。温かくて柔らかいものを食べたくなった……。 「のんのんびより」みたいな、ほんわかアニメ観たくなった……

後味が悪いことをわかっていても観たくなる映画リスト

ふ凡社はこう言った。

「後味が悪いと言っても『後味の悪さを感じるポイント』は映画によってさまざまなグラデーション、バリエーションがあるんだなと知りました。今回観た作品はもう2度と観たくないですが、不思議と『他の後味悪いやつは引き続き開拓してみたい』と感じる魔性の魅力がありましたね…」

そう、まさに「魔性の魅力」とはその通りで、今回観た2作品とも、映画館で観ていたとしてもある意味満足できただろうと思えるほど映画作品としては上質だったし、この調子で「後味の悪い映画30本」を全部制覇したくなった。

そして、こうして上映中や終わったあとも無制限に感想を言いあえる鑑賞会はとても楽しかった、というのが全員共通の感想だ。特にこの手の映画はどうしてもいろいろとツッコミや感想を言いたくなるので、映画館で観る時以上に爽快感が生まれるのかもしれない。皆さんもぜひやってみて欲しい。

 

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書いた人
トゥギャッターオリジナル記事編集部 紫蘇

トゥギャッターオリジナル記事編集部。どうということのない話を書くのが好きです。「サイゼリヤ1000円ガチャ」に参加した結果、フォッカチオ一生分食べました。Twitter:@t_no_shiso