「エアコン隠ぺい配管はマジでやめて!」注文住宅でよく聞く失敗談とその理由を住宅設備のプロに聞いた

見た目にスタイリッシュでも思わぬデメリットがあるかも
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住宅設備のプロによる、顧客からよく聞く「注文住宅の失敗ポイント」を列挙したツイートが話題になっている。

投稿したのは、住宅設備会社・株式会社イナセを経営するかわちゃん(@kawaken1985)さん。

メンテナンスのことも考えると… ※画像はイメージです

ツイートでは「かっこいいけどデメリットも知ってほしいのでつける前に調べて」との呼びかけとともに、「外壁に無垢材」「西に窓」「エアコンの隠ぺい配管」「ジェットバス」「一体型トイレ」「廊下に窓」の6点を挙げている。

特にエアコンの隠ぺい配管に関しては、「マジでやめて!20年後きっと後悔するから」と強い警告のメッセージも。

一連のツイートを見たTwitterユーザーからは、「無垢のフローリングもやめたほうがいいです。絶対に暴れて瓦状に反ります」「吹き抜け&天窓、冬場に結露が滴ってきて真下でご飯食べてる人を直撃していました」など、さまざまな”これはやめとけ”情報が寄せられた。

いったいこれらの何が問題になりやすいのか?まずは、かわちゃんさんによる各理由を見てみよう。

隠ぺい配管はメンテで壁ごと壊すことになりやすい

「外壁に無垢材」

・一年で中古に見えるほど劣化が早い

・メンテナンスにお金がかかる

「西に窓」

・とにかく部屋が暑くなりやすい

西向きの窓がある部屋は、夏は地獄 ※画像はイメージです

「廊下に窓」

・廊下が暑くなりやすい

「エアコンの隠ぺい配管」

・配管の修理や交換の際、壁を壊さないといけなくなる可能性が高い

また、「ジェットバス」は菌発生のリスクが高く電気代もかかりやすいこと、 「一体型トイレ」 は洗浄便座が故障したらまるごと交換しなければならないケースが多いという点であまりお勧めできないようだ。

住宅設備のプロとしてこれらの失敗に日々向き合うかわちゃんさんに、さらに詳しく話を聞いてみた。

「高いって思うだろうな…」と思いながら見積りを出す

お客さんから一番多く聞く失敗例は何ですか?

エアコンの隠ぺい配管です。

配管の結露によって管を通している壁のクロスがカビたり、配管の銅が腐食して穴が空き、冷媒ガスが漏れて補充ができないことがあります。

隠ぺい配管を修復するには、壁を壊してやり直しになります。室外機が近くにない場合は電気工事も行うので、修復費用が高額になりやすいです。

隠ぺい配管のメンテナンスはやっかいの種が多い? ※画像はイメージです

隠ぺい配管の修繕を依頼された時のお気持ちは?

お客様は「エアコンを交換するだけ」だと思って依頼されることが多いです。しかし先に述べた事情により、お客様の想定の3倍くらい高い金額になってしまうこともあります。

「高いって思うだろうな…」と思いながら工事費用の見積書をお渡ししています。

今まで一番残念だと感じた施工事例を教えてください。

室外機一つに対して複数の室内機をつなぐ「マルチエアコン」というものがあります。

過去にご依頼いただいた3階建てのお宅で、室内機が4台のマルチエアコンを修繕しました。この事例では運が悪く全機が隠ぺい配管にされており、どの配管に不具合が起きているかわからなかったため、全部屋のエアコンを1対1に分ける大工事に。

電気工事、穴あけ、配管新設などでトータル70万円もかかる工事になってしまいました。 

今回かわちゃんさんが挙げた施工例は、見た目の良さなどから導入を考える人は多いだろう。しかしプロから見たら「待った!」と言いたくなるポイントが隠れているケースも多いようだ。

メンテナンス費を抑えて長く住める家を建てたい方は、事前にデメリットをしっかり調べた上で住宅設備を選んでみるとよいかもしれない。

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【訂正のお知らせ】(2023/6/28追記)
本記事内で社名の誤りがありました。お詫びして訂正いたします。
訂正前「株式会社イセナ」→訂正後「株式会社イナセ」

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