「光を通さない羊羹を作りたい」無茶ぶりから開発されたダークマター菓子が爆誕!味や開発話を聞いた

無限の可能性が潜むその暗闇(羊羹)
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神奈川県川崎市に本店を構える、1952年創業の老舗和菓子店「末広庵」公式アカウント(@SuehiroanOkashi)が投稿した、ある羊羹の画像が話題だ。

一見、作業台の置かれた普通の羊羹

公式の投稿によると「光を通さない羊羹を作りたい」と開発担当者に製作を依頼したところ、こちらの羊羹が完成したそうだ。

一見普通の羊羹だが、じっくりと確認するとたしかに羊羹特有の透明感がなく、色も小豆色よりは漆黒に近いようにも見える。投稿にもあるように「透明スイーツの流行へのアンチテーゼ、ダークマター菓子」という表現にも納得。

お味はというと、開発担当こだわりの「アイリッシュコーヒー味」に仕上がっているそうだ。

※アイリッシュウイスキー、コーヒー、砂糖、生クリームの入ったホットカクテル

羊羹を見たユーザーからは「味が気になる」「金粉と相性良さげな色」「羊羹とは思えない硬質無機な断面」といった羊羹に対する感想のほか、「光を通さない羊羮を作りたいと思う人生にたどり着くまでにいったい何が」という企画の経緯を問うコメントが寄せられた。

末広庵公式アカウントさんに、企画や開発の経緯を詳しく聞いた。

末広庵らしい「透明な和菓子」へのアプローチ

「光を通さない羊羹」を思い付いたきっかけを教えてください。

透明なスイーツが流行っていることは知っていました。ただ同じものを作っても「末広庵」らしくないなぁと思って、あえてまったく中身が見えない菓子を作ってみようと思い、オーダーしました。

一般的な羊羹と違う原材料は何か使われていますか?

開発段階ですので、企業秘密とさせていただきます。

アイリッシュコーヒー味になった理由は?味の感想を教えてください。

開発担当者がアイリッシュコーヒー好きだからです。 コーヒーの苦みとお酒の香りがマッチしていて、おいしかったです。

なんと、アイリッシュコーヒー特有のコーヒーとウイスキーの味わいが羊羹に再現されているとは。依頼した側からして「意味不明」なオーダーだったそうだが、意図を汲み取り自分好みの味に調整した開発担当のこだわりと努力が垣間見える。

まさに漆黒の羊羹

現在は開発段階の「光を通さない羊羹」(2023/8時点)。これまでになかった新しい羊羹の完成を楽しみに、Twitterをフォローしてみては。

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