ステージで踊っても形が崩れない秘密は…アイドルのスカートには2.1kgの重さとプロの技術が詰まっていた

カワイイは(試行錯誤と職人業で)つくれる!
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ふんわり広がった形を保つアイドルのスカート衣装。その構造の内側を紹介する動画がX(Twitter)で注目されている。

スナップボタンがたくさんついた土台のスカートに…
プリーツを作る土台パーツを付けていく
ピンクのスカートを被せプリーツの”谷”部分も接着
多くの段階を経て、ステージ衣装の着付け完了

動画を投稿したのは、アイドルや俳優たちのステージ衣装を手掛ける「衣装制作アトリエDATTO」を営むDATTO(@DATTO_no_gotoku)さん。

動画に登場しているのは、アーケードゲームやアニメになった『キラッとプリ☆チャン』の主人公・桃山みらい役の声優、林鼓子さんのライブステージ用衣装だそう。

ダンスをしてもシルエットが崩れないスカートに仕上げるため、まず土台となる白いスカートにひだのシルエットを作り出すパニエのパーツを一つ一つ繋げていく。その上に衣装として見える部分のピンクのスカートを被せ、土台の輪郭に沿うよう、こちらも土台のスカートに一つ一つ手作業でくっつけているのだ。

可愛らしい衣装の下にこんな複雑な構造があったとは!

動画を見た人からも「服飾技術と造形技術の合わせ技凄い!!!」「キューティちゃんのスカートってこうすれば現実的にも再現出来るものなのね」といった感嘆の声が相次いだ。

ステージに立つとこんなにきれいなシルエットです

普段見ることのないステージ衣装の内側を見せてくれたDATTOさんに、制作の裏側を聞いた。

セッティングにかかる時間は6分半

ひだを表現するためにどのような試行錯誤がありましたか?

とにかく試作を作っては直し作っては直しで、サイズ感やボリュームなど良いバランスを探していく感じです。

完成したときは(モデルとなったキャラクターの衣装の)再現率の高さに自分でも「これは原作そのままだな」と思いました。 とってもお気に入りの衣装なので今回動画にしました。

スカートはどのくらいの重さがありますか?また着るのにかかる時間は?

量ったら、2.1kgでした。

着付けるときはパニエもすべて合体した状態で着てもらうので、 袖を通してファスナーをあげて首の後ろを留めるだけなので、30秒くらいです。

動画にあるように、パニエをスカートに合体させて一個ずつ装飾パーツをつけて…とセッティングするのにかかる時間は6分半ほどでした。

ステージ衣装を制作される中で、楽しいと感じること・苦労することは?

楽しいことは、ステージ衣装特有の派手な生地をたくさん扱えることや、作った衣装をまとったアイドルたちがステージでキラキラしているのを見られることです。 制作に関しては基本的に全て楽しいです。

苦労するのは、納期や予算との戦いですね。

夢のように可愛く揺れるスカート、”可愛い”の舞台裏には、頭の下がる努力と職人業が秘められていた。

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