4秒だけでいいから見て!海藻に太陽光が当てたらブルーに変わった現象に驚きの声 撮影者に話を聞いた
生き物の撮影を得意とするフォトグラファー、眼遊 (@ganyujapan)さんがX(Twitter)に投稿した、青く光る海藻の動画が注目を集めている。
4秒だけでいいから見てほしい!
ヒラワツナギソウという海藻に太陽光線が当たると・・・
#とびきりのブルーを魅せて下さい https://t.co/K480ycWPsv
— 眼遊 GANYU (@ganyujapan) 2023年8月29日

動画のサムネイルには、赤茶色の海藻が映っている。「4秒だけでいいから見てほしい!」のコメント通り、4秒ほど再生を続けると…

赤茶色から鮮やかな青色に変化した!
この海藻はヒラワツナギソウといい、この現象は蛍光による発光ではなく「構造色」によるものだと眼遊さんは語る。
@HirusugiOkita 図鑑にも蛍光すると書いてあるものがあり、蛍光説が広まってしまっているのですが、これは構造色で蛍光による発光ではないんですよ〜。
わざわざUV撮影して確かめましたが、蛍光は他の海藻と同じく赤く蛍光しました。 https://t.co/oCBvoDTzwo
— 眼遊 GANYU (@ganyujapan) 2023年8月29日


「構造色」とは、特殊な構造をした物体が、光の吸収や反射によって発色する現象のことだ。例えば、透明なはずのシャボン玉が光に当たって虹色に見えた記憶はないだろうか。これが、私たちに身近な「構造色」のひとつといえる。
ヒラワツナギソウは、この「構造色」によって青く光るように見えるわけだ。
青く光る海藻の動画を見たX(Twitter)ユーザーからは「美しい」「空の色を吸い込んだみたい」「自然の色とは思えない感じ」などのコメントが寄せられた。
今回は眼遊さんから、「構造色」で光って見えるヒラワツナギソウについて詳しく話を聞いてみた。
上から見るようにするときれいに光る
青く光るヒラワツナギソウをはじめて見たときの感想を教えてください。
青く光っている海藻があるので「不思議だなぁ」と思っていました。初めてヒラワツナギソウを見たのは見たのは海の中ですが、当時は15年くらい前でたいした情報もなく、青い海藻の正体や光っている理由についてはずっと謎のままでした。
ある日「この海藻はなんで光っているのだろう」と海で採取し、どうなっているのか観察してみました。すると海藻そのものが青いのではなく、角度によって青くなることがわかったのです。
ヒラワツナギソウが光って見える条件を教えてください。
水の中にある方が強く光を反射します。また、ヒラワツナギソウに当たる光が強いほど反射する光も強くなりますので、直射日光の下が最も青く輝きます。
角度もとても重要で、海藻がよく光を反射する方向と光の当たる角度を調整すると良いです。基本的に岩に生えているヒラワツナギソウは、水中ではそのまま青く輝いているので、海藻を上から見るようにするのがコツだと思います。
「蛍光ではなく構造色」という点について詳しく教えてください。
海藻の図鑑などに「蛍光を発する」との記述があるため、最初は太陽の紫外線を受けて自ら発光する蛍光という現象なのだと思っていました。ですが実際に紫外線を当ててみても青くはならず、むしろ赤く光ります。この点から、蛍光ではないと判断しました。
ヒラワツナギソウの表面に特殊な微細構造があり、そこで青い光だけを効率的に反射している「構造色」であると考えられます。
@yotuhamaru これは島根県の海で見ましたが、日本海の磯だとわりと普通(といってもわんさかはない)なイメージがあります。
図鑑を見る限り太平洋側にもありそうです。
とにかく岩ゴツゴツで、潮の流れがある場所、水温の低い場所、日光がよく届く場所を探せばあると思いますよ。
— 眼遊 GANYU (@ganyujapan) 2023年8月29日
眼遊さんによれば、ヒラワツナギソウは日本各地の海に生息しているそうだ。もし海を訪れる機会があれば、青く光るふしぎな海藻を探してみるのも面白いかもしれない。