「魔法の杖」を約2週間かけて自作!?想像の斜め上を行く使い道がじわじわくる

ある意味「魔法が使える杖」ではあるかもしれない
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X(Twitter)に投稿された1本の杖。いかにも「魔法」が使えそうな見た目だが、その意外な使い道が制作者により投稿されユーザーの笑いを誘っている。

動画を投稿したのは、普段からものづくりを趣味としている茶薬師げねぐ(@pharmaxtea)さん。今回の「魔法の杖」は、市販の真鍮フックや金属棒などを組み合わせて作ったそうで、杖の両サイドにはいかにも魔法のビームが放たれそうな重厚な飾りが付いている。

杖の両サイドには重厚な飾りが。ハリーポッターに出てきそう…!

投稿された動画を再生するとまずは「魔法の杖」の全体像が登場し、実際に魔法が成就するまでが映されている。

白文字のテロップも魔法の杖と相まってそれっぽい
「魔法の杖」を指先でクルクルクル~…
「魔法の杖」を指先でクルクルクル~…
ピタッ!おー、これはすごい魔法が使えそうだ!と思ったら…
杖の重みでお肉をトントン…「おいしくなあれの魔法♪」って、そっちかーい!

タイトルに続いて映る杖をクルクルと回転させるシーンには「どんな魔法がかかるんだろう…?」とワクワクさせられる。しかし、画面が切り替わるとそこにはまさかの「肉たたき」をする光景が!

なんと、柄の部分にラップを巻いた「魔法の杖」で、分厚いステーキ肉をトントンとリズミカルに叩いている…。「魔法が成就されました(家庭料理)」というテロップとともに完成したステーキが映され動画は終わり。どうやら魔法とは、肉を美味しくするための下ごしらえのことだったようだ。


うん…たしかにステーキはおいしそうだが、まさかの用途にじわじわと笑いがこみあげてくる。

魔法の杖の制作秘話や他の使い道について、茶薬師げねぐさんに話を聞いてみた。

料理やタオル取りに使うことは、作った後に思いついた

魔法の杖を作ろうと思い立ったきっかけはなんですか?

私はもともと、学生の頃からコスプレイヤーとして衣装を作っておりました。

結婚や仕事などの兼ね合いでブランクが空いていましたが、2年ほど前から「スチームパンクな姿でサックスを吹いて、“ものづくり”と“音楽”といった違うジャンルに興味がある方に、それぞれの世界を知っていただけたら嬉しい」と考え、革や金属、レジン、雑貨などを使い、少しずついろいろな小物の制作を始めました。

サックス、和服、スチームパンクが融合
こちらのアレンジもスチームパンクみを強く感じる

「魔法の杖」を作った理由としては、純粋に

・ハロウィンの時期である

・講演やセミナーの際に、ちょっとした指し棒があればいいなと前々から思っていた

・市販の魔法の杖は木やプラスチック製が多く、間違って踏んでしまうと折れてしまうと心配していた

などの理由から「せっかくならしっかりと頑丈な杖を作れば、ちょっとやそっとでは折れないのではないか」と思いつき、オリジナルの杖を制作しました。


制作時間はどのくらいかかりましたか?

制作時間は、2週間弱でした。

①材料購入:1日(100円ショップを4軒ほどめぐり、ファンタジックだったりスチームパンクだったりのパーツと、軸になる金属棒を買いあさりました)

②デザイン構想:1週間(テーマ決め、どのパーツを使うと最良な形になるか、パーツの位置や接合方法、色をどのようにするかなど)

③組み立て:4日(パーツを削り、再構築&貼り付けた上で塗装。下地塗り→乾燥→金属塗装→乾燥)

100円ショップで手に入るデコラティブなパーツ

料理やタオル取りに使うことは最初から想定されていましたか?

本音を言うと、作った後に思いつきました。

杖の全体像を撮る際にボールペン回しをしようとは考えておりましたが、それだけだとちょっと薄いなと思い「本当に魔法を使おう」→「日本の有名な魔法に“おいしくなあれ”があるな」→「本当においしくしよう」→「金属棒の特性を利用しよう」→「肉をたたいて柔らかくしよう」と考えました。

本当はダイレクトにたたいたのほうが良いかもなのですが、私の職業が薬剤師なので、食品の衛生に絶対気を付けないといけないと思い、やむなくラップをかけました。

なおタオル取りについては、検証しないうちにポストしてしまいましたが、試してみたらびっくりするほど取りやすかったです!

 

杖の使い道はほかにもありそうでしょうか?

まずはハロウィンなどのときに(安全に気を付けながら)くるくる回して 「魔法使いのおじさん」的に使えればと。ひそひそされたら嬉しいです。

あとは、ギリギリ手が届かないところにあるリモコンを操作する魔法を使って、テレビのチャンネルを変えてみようと思います。
 

飽くなく探求心と情熱をもって、大好きなものづくりと音楽の“二足のわらじ”を履き続ける茶薬師げねぐさん。これからどんな作品を生み出してくれるのか、その活動に注目していきたい。

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