厳ついイメージがある「ハリセンボン」 トゲを取り除いた骨格が意外な姿だった

君、別パーツだったの?!
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ハリセンボンの「トゲ」と体のパーツとをきれいに分離させた骨格標本が、X(Twitter)で話題になっている。

ハリセンボン
弱そうな体パーツと、強そうなとげパーツを分けた骨格標本

写真を投稿したのは、日頃から生物の骨格標本を作成しているという、いのししの人(@inoshishinohito)さん。

膨らんだ球体に無数のトゲがしっかりと立ち並ぶとげの皮の部分と、一般的な魚と同じくほぼ頭と背骨だけを残した胴体部分の骨格が写っている。

本来、危険を察知したら瞬時に膨らみ、とげを直立させて敵を追い払うハリセンボン。

トゲだらけで膨らんだ状態の、強固な防御を誇る姿をイメージする人が多いと思うが、トゲを取り払ったハリセンボンの胴体部分は、なんとも頼りない印象。いのししの人さんも「防御力の無さすごい」とコメントしている。

投稿を見たユーザーからは「とげ脱げるんですね(笑)」「君、別パーツだったの?!」「肋骨が無いように見えます」など、普段あまり目にする機会のない、ハリセンボンの体の構造に驚く声が寄せられている。

いのししの人さんに骨格標本作成時の様子や、とげの皮を脱いだ胴体部分を見た時の感想など詳しく話を聞いた。

「これが生物進化の戦略なのかもな」

ハリセンボンの骨格標本作りで大変だったことや工夫した点は?

とげの部分と胴体部分を両方残そうと思ったので、きれいに分けるのが大変でした。

真っ白にして皮の部分が若干透ける半透明な形にしたかったので、皮の表面部分を削いでいきました。

ハリセンボン
薄い皮のとげ部分をきれいに剝がすのは至難の業

とげを剥いだハリセンボンの姿を初めて見た時の感想は?

くちばしの頑丈さやとげの勇猛さから、がっちりした体つきなのかなと思っていたのですが、肋骨もなく胴体部分がスカスカで驚きました。「これが生物進化の戦略なのかもな」と、ちょっと感動しました(笑)。

ハリセンボン
骨格標本になる前のハリセンボン

これまで作成した骨格標本の中で思い入れがあるものを教えてください。

一番思い入れが深いのは、制作が難しかったエイの骨格標本です。骨にした時の「地球外生命体感」が評判となり、SNSなど多くの反響をいただきました。

ハリセンボン
軟骨動物の骨は非常にもろく、標本作成に2年かかったそう

こちらのエイの標本作りについても、過去にTogetterオリジナル記事で紹介している。ハリセンボンとはまた違った魅力や標本制作の苦労話を聞いた。

今後水族館などでハリセンボンを見たら、目に見えるトゲ部分だけでなく内側の骨格も意識して見てみると、より多角的に観察を楽しめるかもしれない。

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書いた人
みわんこ

東京下町出身の3人息子のママライター。アマプラと少女漫画とベリアル様(見た目)が好き。

Twitter:@miwancoo