注文しながらリズムを刻め!? 食券販売機を電子楽器に改造した動画が話題「そんな発想ある?」

行きつけの店にこの食券機、欲しい
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リズムマシンに改造したレトロな食券販売機の動画がX(Twitter)に投稿され、話題を呼んでいる。

見た目は何の変哲もない食券販売機だが…
ボタンを押すと発光しながら音が鳴る!ゲーセンのリズムゲームみたい

立ち食いそば屋や牛丼屋、学校の食堂などで一度は見たことのある「あの」食券販売機。

普通はボタンを押せば食券が出るのだが、動画の食券販売機は、ボタンは押すと軽快な音を鳴らし発光する「リズムマシン的な電子楽器」に改造されている。昔ながらの食券販売機からポップな電子音が流れるという、ギャップがなんとも心地良い。

製作者のうこ(@ukokq)さんは「全然未完成」と語っており、今後はさらに改良していきたいとのことだ。発想だけでも秀逸なのに、リズムマシンとしてのクオリティも追求する姿勢に驚きである。

動画を見たX(Twitter)ユーザーからは「そんな発想ある?」「絶対楽しい」「触りたい」といった驚きの声が数多く寄せられた。「眼の不自由な方でも音でメニューが分かるシステム出ないかな?」など、食券販売機の新たな可能性を考察する声もあがっている。

イベントに出展された改造食券販売機

改造された食券販売機は2023年11月に開催された『NT東京(※)』に出展され、こちらでも好評を博したそうだ。うこさんによると展示場の雰囲気は「昭和末期の社員食堂の入り口」のようだったそう。写真を見ると、たしかに、食券販売機からはそう見えて仕方ない風情が感じられた。

(※)ものづくりが好きな有志が各々の作品を出展するイベント

今回はうこさんからお話を伺い、食券販売機をリズムマシンに改造した経緯や今後の展望について聞いてみた。

食券販売機は前から楽器にしたかった

食券販売機をリズムマシンに改造したきっかけを教えてください。

モノづくりや音楽が好きなので、シンセサイザーを自作することが今までもありました。

電子音楽系の楽器はモノづくりと相性がよく、ボタンがたくさんついた機械を見ると「これ楽器にならないかなあ」とつい考えてしまう性分なんです。とくに今回の食券機は「いつか改造して楽器にしてやるぞ」と以前から作りたいネタでした。

去年の冬ごろにふと中古の券売機をヤフオクで検索したら、電子楽器と相性の良さそうな8×8ボタン券売機のジャンク品が2万5千円で出品されていたのを見つけたんです。

それを即決で入札したらそのまま落札してしまい、今回の食券機改造が始まりました。

 「NT東京」でリズムマシンに触った方々の反応を教えてください。

X(Twitter)で食券機の存在を知って来てくださった方は「本当に鳴るんだ!」と笑いながらいろいろなボタンを押して行かれました。

展示物だと思わずにスルーしていかれる方や、音が出ているのを見て「そもそもこれ展示物? どういうこと?」と困惑の表情を浮かべられる方も多く、面白かったです。

あとは、お子さんが興味津々でいろいろなボタンを何分も連打したり、音楽経験がありそうな方が一瞬で曲を演奏したり、ドラムのビートを刻んだり…とても賑やかでした。

 リズムマシンに今後どのような改良を施してみたいですか?

食券機にある「お金の返却用レバー」「硬貨挿入口」「紙幣挿入口」を改造したいです。

たとえば、レバーを使ってDJのスクラッチを奏でるとか、専用のコインを投入すると音色が切り替わるといった演出をできるようにしたいです。

あと「食券」と大きく書かれた黄色いアクリル板を取り外して、ディスプレイに換装する予定です。ディスプレイには同じようなデザインで「食券」と表示させつつ、音を鳴らすと一気にサイバーパンクなビジュアルエフェクトがかかる風にできれば、と考えています。

現状でも十分楽しそうだが、さらなる改良に期待

奇想天外な組み合わせでユニークなリズムマシンを発明したうこさん。今後の改造で食券販売機は楽器としてどこまで進化するのだろうか。完成した暁には、ぜひ遊んでみたい…!

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