コロンとしたハート型の不思議な貝「リュウオウゴコロ」を手に入れた人に魅力を聞いてみた

「リュウオウゴコロ」という貝の写真がX（Twitter）に投稿され、その珍しさと特徴的な形に注目が集まっている。

「珍奇かつキュートな形」と表現し「リュウオウゴコロ」という二枚貝の画像を投稿したのは、ジャム専門店を営みながら木の実の収集、販売などを行っている小林商会（ジャムこばやし）（@kinomi_koba）さん。

写真に写る「リュウオウゴコロ」の殻はぷっくりとした立体的で、そのシルエットはハートをひっくり返したような形だ。ハートのくびれにあたる部分は、隆起した両端が巻き角のようにぐるんっと内巻きにカールしている。

そして、ハートが割れるかのように、真ん中を中心に左右にぱっかりと殻が開く構造になっているという。

表面には濃いブラウンの線が幾重にも連なり、そのバランスの取れた姿は一見すると根付などの工芸品のようでもあり、自然にできたものとは思えない美しさがある。小林さんいわく、このリュウオウゴコロは地中海産とのことで、「思ったより小さくはあるが造形を楽しむには十分」とのこと。

リュウオウゴコロの魅力や入手経路などについても小林さんに詳しく聞いてみた。

くるりとした独特の造形が魅力的なリュウオウゴコロ

リュウオウゴコロを入手した経緯を教えてください。

某貝コレクターの方から他の貝をいただく時、リュウオウゴコロも持っていないかとダメもとで聞いてみたところあったようで、もらうことができました。

有名な貝ですが、流通量が少なく出回ることはほとんどないかと思います。

リュウオウゴコロの魅力は？

数多くある貝の中でも、かなり特徴的なくるりと巻いた独特の造形が魅力かなと思います。木魚のようでもあり、不思議です。

他にも今まで集めた貝殻で気に入ってるものはありますか？

魅力的な貝はたくさんあります。

なかでも「クマサカガイ」の仲間は周りにある貝殻や石を放射状に付着させながら成長しますが、その造形はとても自然のものとは思えません。なぜ付着させてるか、はっきりした理由がないのも神秘的です。

10年ほど前にこの貝を初めて見た時に衝撃を受け、それから貝に興味を持つようになりました。

「世界のふしぎな木の実図鑑（創元社）」という書籍に著者として携わるなど、自然物収集の領域で積極的な活動を続けている小林さん。リュウオウゴコロは、そんな自然の造形美を追求する人をも唸らせる美しさであることが伝わってきた。