「ストッキングの台紙はなくなって欲しい!」あるユーザーの訴えが話題に 今どきの「台紙」事情をメーカーに聞いた

もう伝線は嫌じゃ…
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先般、ある女性X(Twitter)ユーザーの「タイツに入っている台紙をなくして欲しい」という訴えが話題となり、共感する声が寄せられたり「台紙をうまく取り出すコツ」のノウハウが次々と伝えられたりするなどして盛り上がっていた。

ストッキングもしくはタイツを履いた経験がある人なら誰でも、一度は伝線させてしまった経験があるだろう。伝線とは、主にストッキングの表面に亀裂が入った状態のことを言う。ストッキングはポリウレタン弾性繊維(PU)という素材で作られている物が多く、これがデリケートな素材ゆえ、履く前から履いた後まで、常に伝線の危機にさらされるのだ。

この瞬間ですでに伝線することすらある(画像はイメージ)

伝線のきっかけの多くは履いている最中や履いた後。履いた途端に伝線することすらあるので、1着分が無駄になるという悲劇も日常茶飯事だ。しかも履くタイミングが外出前だったりもすると、さらに焦りは増幅する。

そして今回話題となった投稿で言われているように、ストッキングのパッケージには台紙が入っており、これを抜き出す時にも起こり得る。Togetter社内にいる、タイツやストッキングの使用経験がある人に聞いてみたところ、17人中7人が「台紙を取り出すときに伝線させたことがある」との答えが集まった。

1と4に1票ずつ入っているのは無効票です。2と3にしか票が入りませんでした

近年では台紙を使わないパッケージで販売しているメーカーもあるので、そうした品を選べば台紙を抜いた直後に伝線するという事態を回避できる確率は上がるだろう。そこでTogetterオリジナルでは、積極的に台紙のない商品を販売している、福助株式会社に最近の「台紙事情」について聞いてみた。

福助オンラインショップより。台紙がないストッキング「デイリー満足」

ユーザーの要望にこたえ「台紙なし」商品を発売

答えてくれたのは福助株式会社の広報・大関 麻実さん。福助では「満足」というブランドでストッキングやタイツ商品を展開している。その中の「コンパクトパック」という商品は台紙が入っていない。

ストッキングのパッケージに台紙が入っている(入っていた)主な理由について教えてください。

理由としては、ストッキングは商品によって糸や編み方が異なるので、着用時の見た目をわかりやすくするため、また、色を選びやすくするためのものとなります。

これまで「台紙をなくしてほしい」といった声は把握されていましたか。

はい。把握しております。台紙を外す際に伝線してしまうことや、環境配慮への観点から、台紙の必要性については以前よりお声をいただいており、台紙のない商品(「デイリー満足」など)も展開しております。

台紙を入れない商品を開発することになった、最大の理由は。

サステナビリティの観点にくわえ、台紙をなくすことで、台紙を外す際の手間や引っ掛けを軽減できるメリットがあることや「バッグなどの持ち運びの際にコンパクトなサイズが良い」とのご要望をいただいたためです。

台紙を無くして袋に直接ストッキングを入れると、丸まったりシワが出来たりときれいな見た目にならないので、台紙を無くしてもきれいに見える装飾方法にこだわりました。

弊社の「満足」ブランドのストッキングは、パッケージに直接商品を巻き付ける装飾形態に改良しております。こうすることで、見た目はきれいな商品のまま、台紙を抜く手間や伝線の心配を減らすことができました。

やはり「ストッキングの台紙はいらない」という要望はだいぶ前からメーカーに届いており、伝線を避ける商品開発も進んでいたようだ。今後さらに商品開発が進めば、いずれ「ストッキングの伝線」という言葉も死語になるかもしれない。