【コラム】約7000円の海鮮丼にXでは“インバウン丼”と驚く声も…賑わいを見せる「インバウンド」の影響は

3分くらいで分かる週刊X(Twitter)トレンド
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J-CASTならびにTogetterのnoteに連載中のコラム「3分くらいでわかる週刊X(Twitter)トレンド」をトゥギャッターオリジナルにて掲載します。毎週月曜日、X上で話題になった社会的現象に関するXユーザーならではの反応を解説していきます。

新型コロナ感染防止のため行われてきた入国制限が2023年4月に解除されて以降、円安などの影響もあってインバウンド(外国人観光旅行)が戻ってきている日本。2024年2月上旬には中国で春節(旧正月)を迎え大型連休が重なったことも関係し、観光各地では大きな賑わいとなりました。

一方で、こうしたインバウンドは観光地に限らず、私たちの生活にも影響を及ぼしていることがX(Twitter)でも見て取れます。ツイートまとめサービスのTogetter(トゥギャッター)が解説する「3分くらいで分かる週刊X(Twitter)トレンド」、今回は「インバウンド」について掘り下げます。

インバウンド価格の海鮮丼に「庶民じゃ無理」とため息

アフターコロナ以降、コロナ以前の水準にまで戻りつつあるという訪日旅行客。こうしたインバウンド需要に対して、新たな商業施設がオープンするなど集客を狙った動きが全国各地で活発化しています。

なかでも2024年2月1日に東京・豊洲にオープンした大型商業施設「千客万来」は、江戸時代の町並みをイメージした館内に飲食店や入浴施設などが出店し、東京の新名所として話題となっています。

「千客万来」ではインバウンド向けのメニュー価格についても注目を集めています。実際に施設を訪れたXユーザーが「もしかしてインバウンド価格ゾーンかもしれない」と投稿した飲食店のメニュー画像には、最低で2700円、最高で6980円までの価格帯の海鮮丼が並んでいました。他のユーザーからは「インバウン丼じゃないですかー!!」「格差を見せつけられた感じ…」とリプライが相次ぐなど、大きな反響を呼びました。

「千客万来」に限らずインバウンド消費を獲得したい観光スポットでは、サービスや飲食に対して高めの料金設定をしているケースが見られます。海外観光客にとっては適正価格だったとしても、日本で暮らす人々からは「庶民じゃ無理なやつ」「これは普段使いできない」などと利用しづらく感じる声もあるようです。

コンビニ店員に英語は必要? 外国人旅行客とのやりとりが議論に

インバウンドによる影響は、身近なコンビニでも起きているようです。Xでもあるユーザーが体験した、コンビニ店員と外国人旅行客とのやりとりに関する投稿に注目が集まりました。

そのユーザーはコンビニのレジで、外国人旅行客が店員に英語で何かを質問している様子を目撃。外国人による質問の内容が「おにぎりに入っている鮭は生(raw)なのか調理済み(cooked)なのか」と理解したユーザーでしたが、当の店員は内容が理解できず固まったまま…。やむなくユーザーが助け舟を出すことで解決したようです。

このユーザーは店員に対し、「外国人に面と向かって単語を1語伝えるくらいのコミュ能力はほしい」と指摘。投稿では続けて「このコンビニは外国人旅行客で溢れかえってる外資系ホテルの中。最低限の英語は通じると思われてるはず」と、英語によるやりとりが発生しやすい環境であることを明かしていました。

こちらの指摘について、Xでは「英語話せなくても義務教育レベルの英語の知識があればジェスチャーでコミュニケーションは取れる」などと同意する声が見られました。たしかに英単語の意味さえわかれば、ジェスチャーや筆談などを駆使してコミュニケーションを図ることはできるかもしれません。

一方で、他のユーザーからは「コンビニバイトにそこまで求めるのは流石に可哀想なのでは」などと店員を擁護する投稿も多数。コンビニでのアルバイトは業務が多岐に渡りますから、この上さらに英語などの多言語対応を求めるならば、相応の報酬がなくては厳しいと感じるのは無理もありません。

他にもXでは「日本に来てるのに日本語を話してないって方がまず先でしょ」と訪日客の対応に疑問を呈するコメントも。訪日外国人旅行客が増えてくれば、今回のような言語のミスコミュニケーションが生まれる機会も、ますます増えることが予想されます。日本で働く人がどこまで多言語対応を求められるかについては、今後も議論が続きそうです。

海外スターを通じて伝わる日本の魅力

訪日旅行客が日本の文化に触れて楽しんでいる様子は、私たちも見ていて嬉しくなってしまうものです。Xでもアメリカの人気ミュージシャン、ブルーノ・マーズが日本を全力で謳歌している様子を収めた動画が話題になりました。

ブルーノ・マーズがXに投稿した動画は、2024年1月にライブツアーで東京を訪れた際の模様を撮影したものです。『Bruno-San's Theme Song(ブルーノさんのテーマソング)』というオリジナル曲にのせて編集された約1分のこの映像。ブルーノ本人が居酒屋と思しきお店でお酒を飲んだり、ゲームセンターでダンスゲームを遊んだり、自動販売機の前でピースをしたりと、日本の文化を満喫している様子が映っており、最後は「ありがとう東京!」の文字が画面に大きく映し出されるかたちで締めくくられています。

この動画に対し、X上では「今まで見た海外セレブの中で1番日本楽しんでる気がする笑笑」「めちゃ日本を楽しんでてこっちまで楽しくなる」などと喜びを伝えるコメントが続出。また、ブルーノ・マーズのように日本を訪れた外国人が滞在を楽しんでいる様子を通じて「日本がめちゃくちゃ素敵な街に見える」と日本の魅力を再認識する投稿も見られました。

Xで話題になっているインバウンドの話題は、経済や仕事、異文化交流に至るまで幅広く、日本で暮らすXユーザーたちが訪日客に対してどのように受け入れているか、リアルな視点で知ることができます。

以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊X(Twitter)トレンド」でした。

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