アイドルスレイヤー#3【ザ･フュジティブ】後編

𝑪𝒖𝒓𝒓𝒚 @88paksr8623

【ザ･フュジティブ】後編 #ナナニン

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(前回のあらすじ:ロナと弟と共に、ハルは逃げる。謎の敵から、ロナを襲う変調から。そこへ立ち塞がる敵のアイドル2人。ハルはこの包囲を突破し、安息の地へ逃げ延びることができるか！？) #ナナニン

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ロナはディスカウントストアの雑誌コーナーに身を潜めつつあたりをうかがう。 不利な戦いを強いられているであろう、ハルを助けにいけるのならそうしたいとロナは思っていたが、同時に自分が戦えないとも思っていた。 ロナは自身に七咲ニコルが憑いたことを信じていない。1 #ナナニン

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そんなわけで、ロナは後からアイドルが追ってこないか震えながらこの店に身を潜めていた。 有線からの一昔前流行った歌謡曲が流れる店内。レジに立つ、バイトらしき青髪の少女が時折ロナを横目で見る。2 #ナナニン

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と、そのバイト少女がなにかを見て身構える。店出入口の自動扉が開き、ニンジャめいた格好の少女が入店する。その光を吸い込むような瞳は、迷うことなくロナ1人を見つめる。 ｢ドーモ、玉坂マコトです、あなたを暗殺しに来ました｣｢アイエエエエ！？｣3 #ナナニン

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｢さあ、お姉ちゃん、その善良そうな仮面を捨ててはやくかかってきてよ｣｢え、いや、どういう｣ロナには理解不能！マコトは苛つく。 ｢だったらこっちから｣｢ちょっと待った！｣横から制止の声！ ｢うちの店を勝手に荒らさないでくださいよ！｣バイト店員！4 #ナナニン

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｢エッ｣｢今月厳しいのに店で暴れられたらこっちはかなわないんですよ！｣唖然とするマコトに畳み掛ける店員！その隙にロナは出入口から逃走！ ｢あっ！待って！｣マコトは追撃！ 店員は出ていったことを確認すると、塩を撒いた。5 #ナナニン

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-------- 6 #ナナニン

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｢ハァーッ……！ハァーッ……！｣裏路地の物陰に隠れながら息を整える幼い男の名前は、シュウ。ハルの弟である。 ｢ここまでくれば、家まであと一歩……｣アイドルから逃げ切った安堵感で、彼はその場にズルリと腰を落とした。 ｢イヤーッ！｣｢グワーッ！｣路地の向こうから声！7 #ナナニン

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｢アイエッ！？｣あのシャウトは間違いない。アイドルのものだ。もしや自分を追ってここまで来たのか？シュウはそっと這って覗いた。 ｢イヤーッ！｣｢グワーッ！｣おお！なんと恐ろしい光景か！猫とヒトを融合したような化物が、得物の牙でアイドルを襲う！8 #ナナニン

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｢ヌウーッ！｣アイドルはなんとか牙を遠ざけると、手持ちの小型ステッキを化物の頭に叩きつける！そこへヤリめいたキック！新手か！ ｢レナちゃん、すまん！ちょっと遅れてしもうた！｣ハカタ訛りの少女は、アイドルに対し構えながら化物に謝る。9 #ナナニン

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｢むむっ、ドーモ、星柿マノンですぅ！｣｢ドーモ、西園ホノカです｣アイサツを終えるや否や、互いに攻撃範囲まで急速接近。 ｢イヤーッ！｣｢イヤーッ！｣マノンのステッキとホノカのチョップがクロス！互角か！いや！マノンのステッキに亀裂！10 #ナナニン

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そのままホノカのしなやかな脚から放たれるキック！まともに食らったマノンはビルのコンクリ柱に叩きつけられる！ ｢これでトドメ……！｣｢とはいかないみたいよ｣マノンの前に着地した妙齢の女アイドル。 ｢こちらが折れるという形で、今回は帰ることになったから｣11 #ナナニン

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｢そんなこと依頼主から聞いていない｣化物から人間に戻ったレナが、戸惑いながら声をあげる。 ｢聞いてないもなにも、こっちの上とそっちの依頼主さんで決まったことだもの｣女アイドルは2人に1枚の紙を見せる。依頼主のクオンジの判子の押された書類。12 #ナナニン

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｢依頼主がそうしたなら、こっちも仕事果たしたってことでいいんじゃない？｣レナの後ろから影めいて現れた金髪の少女は、煮え切らない2人に優しく声をかける。 ｢なら、そういうことで｣マノンを背負いつつ、女アイドルはメガネ越しの視線を投げかけて、去っていった。13 #ナナニン

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｢じゃあお仕事終わりってことで……ん？｣レナの猫目が物陰に潜む何者かを見つけた。そろりそろりと近づいて、引っ張りあげると失禁していたシュウが出てくる。 ｢アイエエ……｣｢あー、こりゃあたし達のバトル見てたね、目撃者は消すんだよね？｣裏社会のルール！14 #ナナニン

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｢いやぁ、さすがにこんな小さい子に手をあげるのはちょっと……｣｢そういうホノカはさっきまでチャイドルとバトルしてたじゃん｣｢あれはアイドル……｣意地悪な笑みを浮かべ追及するレナ。その右手に怯えるシュウ。 ｢預かりましょ！｣｢ええ……｣金髪少女も加勢、レナは困惑。15 #ナナニン

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｢第一、目撃者を出さなければいいなら私たちで隠しちゃえばいいのよ｣｢いや、それが依頼主にバレたら……｣｢バレなきゃいいのよ！｣ 結局、シュウは自宅を目の前にして3人のアイドルに拉致されることになってしまった。16 #ナナニン

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---------- 17 #ナナニン

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ロナは西へ、西へひたすら走った。しかし一般人の脚力でアイドルから逃げられるはずもなく、結局すぐに捕捉されてしまった。 ｢お姉ちゃん、それなら……｣マコトの手にあるのはクナイ･ダート。それをロナへ2本投擲！ ロナはピタリと立ち止まる。瞬間、ロナから起こるオーラ。18 #ナナニン

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ロナは振り返ると七咲ニコルに。 ｢！？｣ZAAAAP! マコトは射線上のクナイ2本と、先ほどまで自分が立っていたアスファルトをえぐったニコの大型ZAP銃の威力に肝を冷やした。反射神経で避けていなければ、今ごろ足とお別れをしていただろう。19 #ナナニン

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｢ヤミのアイドルねぇ……、ドーモ、七咲ニコルです｣｢ドーモ、玉坂マコトです、ようやく本性を表してくれたんだね｣マコトもニコも冷たい笑みを浮かべる。ニコとマコトの光と闇のオーラがバチバチと蝕みあう。 ｢｢イヤーッ！｣｣ほぼ同時に踏み込んだ二者！20 #ナナニン

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｢イヤーッ！｣ZAP!ZAP!ZAP!ダッシュを繰り返しつつZAP銃を連射するニコ！｢イヤーッ！｣光線をジグザグに避けつつ、クナイで反撃するマコト！ 至近距離で飛び道具が使えなくなるまで接近すると、マコトは平手を、ニコはチョップを繰り出す。両者の手に謎の物質！21 #ナナニン

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｢さすが伝説のアイドル……、腕は錆びてないみたいだね｣｢その割には敬意が感じられないず？｣光と闇、互いの腕が交差すると、バチバチと周囲の空気がはぜる。 ｢そこまで！｣聞き覚えのある声。直後、着地と同時にストンピングでエントリーする少女！22 #ナナニン

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KBAAAAAM ! ! 叩きつけられたアスファルトから衝撃波！中心から外にいた二者は吹き飛ぶ！ ｢ドーモ、天堂寺ムスビです、さっきのお店から場所移して、結局暴れちゃって！｣バイト店員！ ｢クッ……、ドーモ、玉坂マコトです、邪魔立てするな｣マコトは剣呑なオーラだ。23 #ナナニン